edit.by mahirunov

熊本県熊本市出身。コーヒーと美味しいものが大好きです。熊本のおすすめの喫茶店や、飲食店、絶景が見える場所を紹介します。

edit.by mahirunov

熊本県熊本市出身。コーヒーと美味しいものが大好きです。熊本のおすすめの喫茶店や、飲食店、絶景が見える場所を紹介します。

マガジン

  • Jamping f"21"titf

  • シーザーサラダが好きな彼女と僕の恋物語

  • yocatova

    「よかとば」とは熊本弁で良いものをどうぞ♪という意味です。 熊本の美味しい飲食店や地域ぐるめ、絶景ポイントを紹介します。

最近の記事

Jamping f"21"titf no.002

9:53 雨が強くなりだした。 彼女はまだ来ない。 ココアをテーブルに置き、左手の薬指にはめたリングに目をやる。 彼女とお揃いのペアリング。 彼女は、薬指に指輪をはめたのは初めてだそうだ。 指輪をねだられた日のことを、ふと思い出す。 僕の家でまったりとデートしていると、突然彼女がぎゅっと手をつないできた。 驚いて僕が彼女を見やると、彼女は顔を真っ赤にしながらこう言った。 「今まで付き合って、指輪したこととかしたいって思ったことないんだけど・・・、柊くんとはと

    • & episode 027

      美味しそうなロゴを早速シールにしたくにちゃんは、 朝のルーティン、ブラックコーヒーからのカフェオレを飲み干し、 学校へ向かった。 どんなサービスなのかと聞いたら、 「全体があたたかくなるもの」 とニュアンスのみの回答だった。 まだ、コンセプトの段階なのかもしれない、ロゴはまた変わるかもしれない。 でも、彼女が作るサービスなら・・・と期待する僕がいる。 彼女が学校へ向かった後、僕はデロンギのヒーターでぽかぽかする部屋で設計を始めた。 通っていたグルテンフリーの

      • & episode 026

        提出に間にあわせるべく、logoは鎌倉に住み農家をしながらデザイナーをやっている将太という50代の知り合いに任せることにした。 将太は僕が学生の頃あるデザイン展のオープニングパーティをきっかけに知り合い、将太がこよなく尊敬しているデザイナーが皆川さんだと話すと、僕のくにちゃんもオフの日の散歩バックは10年以上mina(ミーナ)を愛用しているので、すぐに意気投合をした。 「もの」の強みだと思う。 今でこそ「コト消費」というものを消費するより出会いや機会にお金を払う流れがあ

        • & episode 025

           僕のオーソドックスな感性を持つクニちゃん。 ハーバードの生活に慣れ、それなりにアグレッシブなマインドへ染まりつつある。 財務諸表論、マーケティング論、コミュニティー論and son on...。 彼女が吸収するもの、広がっていくアンテナを僕は目を瞠るばかりだ。 プログラグラミングにも関心を持ち、深夜、明日のレシピを考えるかのように生き生きとした表情で、構想を練っている。 コードを打つ手を見ながら、彼女がなんども試行錯誤している「logo」 珍しく4週間経っても決

        マガジン

        • Jamping f"21"titf
          2本
        • 27本
        • yocatova
          3本
          ¥300

        記事

          Jamping f"21"titf no.001

          9時21分。 彼女を待つ柊は、ぬるくなったココアを見やりため息をついた。 理想的な社会人生活とは裏腹に、互いの時間を重ね合せる大変さに苛立ちを感じる。 どんなにテクノロジーが発展しても、大切な人との時間がこれほど引き裂かれるなんて、僕たちが進んでいる方向は正しいのだろうかと、文学部のようなことをふと考えることがある。 物質的にも恵まれ、やりたいと言えば周りは気持ちよく後押しをしてくれて、めでたく希望の会社に就職できた。 彼女を待つ時間くらいにストレスを感じるなんて、

          Jamping f"21"titf no.001

          & episode024

          あっという間だ。 くにちゃんと過ごして、あと数ヶ月で一年になる。 すっかりアメリカでの暮らしになれ、友人も増えた。 最近、僕が仲良くしているのは、ロージャというロシア人だ。 彼はエンジニアで、今、熱いのは仮想通貨だと言う。 でも、と彼は続ける。 「もともと「中央集権ではなくても通貨が発行できる」というコンセプトによって注目されているが、僕は中央集権によって仮想通貨が発行されると考えている」という。 「それで?」 と、僕は熱いコーヒーを入れながら、バターナイフで

          & episode 023

          起床は午前5時。 僕の愛しい彼女は、温め直したコーヒーを片手に早々に家を出た。 入れたてのコーヒーがいつも定番だったが、ここではそうはいかない。 僕らは今、ケンブリッジに居る。 晴れてハーバード大学に合格し、MBA取得に向け大忙しのくにちゃん。 大学時代のラクロスは、この日のためにあったんだと思う。と、夜を徹して宿題に取り組んでいる。 オイルサーディンとマッシュポテト、薄くスライスしたタマネギ、冷凍ブロッコリーとベリーミックス、オートミール、ヨーグルト、それからグ

          & episode 022

          りんの挙式は、見事なもだった。 さすが、くにちゃんの同僚。世界を股にかけるスーパーサラリーマンの力強さは、本物だと思う。 世界が混乱に陥っても、必ず助けに来てくれるんじゃないか。 同性の僕ですら、そう感じる挙式だった。 あっぱれ。 本当に、幸せになって欲しい。 りんのあの日の涙を思い出しながら、改めて思った。 感動したのは、式の最中、二人のエピソードの中で紹介されたこんなエピソードだ。 「僕は彼女に3度フラれている」 と始まったモノローグ。 「一度目は、出

          & episode 021

          「ママになった女友だちが、口々に「でーきーなーいー!」って言うじゃないですか。」 リンが三谷製糖の和三盆を、くにちゃんがたてた抹茶で頂く。 茶道とかしこまったものではなく、カフェのような感覚で抹茶を楽しむ。 「大声で「出来ない」と言える権利が欲しくて「結婚したい。」と、たまに思います」 セレブ雑誌から抜け出したようなリン。街中で、ハッと目を引くことも多いだろう。 「でも、」 と彼女は続ける。 「出来ない」と言ったら、チャンスの神はやって来ない。 だから、早々に

          & episode 020

          雨も小雨になった頃、くにちゃんがようやく到着した。 仕事あがりの彼女は朝玄関を出た時よりもカールはゆるくなっていて、バナナクリップで何度もまとめ直した髪の毛は、少し隙がある感じで彼女の色っぽくみせる。 「おかえり。」 と僕が彼女をいたわると、これからラストスパートだよ♪と目配せをする。 「おつかれさま。くに子さん♪」 と、りんが椅子を引きながら、こちらへと手招きする。 くにちゃんは大きく伸びをして、ウェイターにメニューをお願いすると待たせてごめんね!と、一礼をして

          & episode 020

          & episode 019

          『理想の結婚生活』 カツレツを取り分けながら、僕はりんに視線を投げかける。 「私は、夫婦で支え合いながら。がいいなと思います。」 ありがとうございます。とりんがカツレツを受け取る。 「セックスアンドザシティのようなきらびやかさも確かに、女性としては憧れますけれどね(笑) だけど、それは性には合わないなって思ってます。 なかなかロールモデルがないのが本当に残念なんですけれど」 けど、まあ。とりんは続けた。 「男性が奥さんを想うように、私も相手を想って手をつないで

          & episode 019

          & episode 018

          くにちゃんが、お店に到着するにはもう少し時間がかかりそうだ。 僕らは、ミラノ風カツレツを追加でオーダーすることにした。 「リンは」 僕は、メニュー表をたたみながらこう問いかけた。 「結婚はするつもりはあるのかい?」 ハッと一瞬空気が張り詰めたが、リンはひと呼吸してこう言った。 「ええ。ありますよ? どうしたんですか、いきなり?」 「いや、会っても仕事のことばかりだからさ」 「そちらこそ、どうなんですか?」 「なに?」 「くに子さんと、結婚しないんですか?

          & episode 018

          & episode 017

          19時。表参道にて。 土砂降りの中、僕が待ち合わせたのは「りん」だった。 夏の展示会に向けて準備を進める傍ら、久しぶり食事をすることにした。 21時過ぎに、遅れてくにちゃんも同席する予定だ。 りんはメニューを見ながら、くに子さんが好きな料理は外しておきましょうと言った。 真鯛のカルパッチョと本日のおすすめのタコのアヒージョ、焼きたてのバゲッドにポーリッシュベーコンの生パスタ辛味トマトソース仕立てをオーダーした。 乾杯には、イタリア北部で作られた食前酒のスパークリン

          & episode 016

          桜の開花で幕を開け、九州で大地震が起こりGWに突入。 今年の春一番は、根こそぎ悪いものをデトックスするような 「あっという間だった」 という印象が強いものだったと思う。 僕の愛するくにちゃんは、新しいプロジェクトに配属をされ、忙しさは加速するばかり あのタイミングで出会っていなければ、彼女は恋に落ちる暇なんてないんじゃないだろうか。と、男性の僕は思う。 彼女の周りの友だちも、人生の分岐点を意識して「転職」をしたりと大忙しだ。 女性の人生ってやつは、忙しいんだな。

          & episode 015

          「半熟卵」+「オン・ザ・アスパラガス」 エナジーチャージに、ローストビーフを添えて。 と言っても、お洒落な食器に茹でた野菜と食材を載せるだけなので、全く手間ではないわけで。 今日は、くにちゃんが朝食を用意しておいてくれた。 サラダから察するに、 「期末を登りきる見通しは立ったが、微調整と休憩は大切」 と言ったところだろうか。 多忙を極める彼女が結果的に「効率を重視」し、このサラダにしたのは、 「卵で栄養全般を補い、牛肉でタンパク質を摂り、アスパラガスで疲労によ

          & episode 014

          忙しい3月の朝。 彼女の午前中を支えるのは、「ラーメン」。 塩ラーメンが定番で、長ねぎを多めに刻み、好みで柚子ごしょうを加えたり、柚子を乗せたりする。 飲み会が前日にあった時は、チャーシューもしくは、ウインナーをトッピングする。 このラーメン期のくにちゃんは、全国各地の気になるネギをネットでオーダーする。 本当は農家の直売がいいようなんだけれども、まだそういう農家は少ないようで、もっぱら楽天で検索している。 確かに、直販の方がより美味しさを感じてもらえそうだけれど