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「Sustainabilityある未来」について考えた。

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文藝春秋とnote編集部の2024年度共同企画「#未来のためにできること」への応募にかこつけて、これまで考えてきた事をまとめたのを発端とするシリーズ。概ね1000字以内の本文と「…
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#未来のためにできること

「死中に活を求める」タイプのSustainabilityについての話。

タロットカード「太陽」は「完成」だけでなく「(努力終焉に伴う停滞がもたらす)完璧な死」を示…

Yasunori Matsuki
5か月前
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シンギュラシティより恐ろしい「Big Data活用術の人間への依存率が低下していく時代」…

地球上の生物が初めて視覚と視覚情報を授かったカンブリア爆発期に「史上初の百獣の王」の称号…

Yasunori Matsuki
5か月前
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「いつからかSustainabilityが全てに優先される様になった」という話

「枕草子」「方丈記」「徒然草」などの随筆が日本人の間で広く読まれる様になったのは江戸時代…

Yasunori Matsuki
5か月前
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未来が勝手に向こうから襲来してくる場合のSustainabilityについての話。

イタリア・ルネサンス以降、解剖学や建築学の成果が粛々と絵画化された背後には「カメラ・オブ…

Yasunori Matsuki
5か月前
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破壊的イノベーションとしての「ガラスの靴の美女」は今日なお華麗に逃亡を続けている…

去年から今年にかけて海外アニメ・ファンの間で「舞踏会論争」なるものが展開しました。日本の…

Yasunori Matsuki
5か月前
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人工知能技術は、シンギュラリティなど起こさずとも「人間の人間への過学習」を指摘し…

IT企業の生存率曲線はワイブル分布そのもの。 安定期に入るまで容赦なく淘汰が続く一方、その…

Yasunori Matsuki
5か月前
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「パラノイア(偏執症)のみが生き残る。自分がなれないならパラノイアに任せよ」と最前線指揮官は語った、という話。

ある大手企業本社の総務部はデータ計測に熱心で、事あるごとに百均に売ってる様なカウンターを駆使して通勤時間帯やランチタイムなどにおけるビル内要所の交通量を計測してExelに打ち込んでおりました。でも気になる点が一つ。「この社屋、あらゆる扉がカード認証だよね。そちらのデータを回してもらえばいいのでは?」そう尋ねたら、こんな自虐的な答えが返ってきたのです。「我が社はグローバルスタンダードたるERP環境に対応すべく、社内管理システムの全てを海外業者に一括して委託している。だからそうし

誰も新しい葡萄酒を古い革袋に入れたりはしないもの。ならば最優先課題は「新しい革袋…

1970年代に考案されたPPM(Product Portfolio Matrix)分析は、市場成長率を縦軸に、相対的市場…

Yasunori Matsuki
6か月前
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「タフでなければ生き延びられない。タフなだけでは生き延びる資格がない」伝統こそが…

日本では一般に上場企業は相応の大手会計事務所の監査を受けるのが通例ですが、そうした大手会…

Yasunori Matsuki
6か月前
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明日の事は誰にも分からない。それでも存続し続けるにはまず可能な限り正しい現状認識…

1903年12月17日にライト兄弟が飛ばしたライトフライヤー号は、それまでの空中滞在時間記録を少…

Yasunori Matsuki
6か月前
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日本人は「再建は既存価値観を一旦全部手放すところから始まる」なる苦い現実を受け入…

岩倉使節団(1871年~1873年)のハプスブルグ君主国担当者は、オーストリア軍においてはいまだ先…

Yasunori Matsuki
6か月前
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「マルサスの法則」の絶望的ビジョンを覆したロジスティック方程式こそSDGs理念と人工…

ネットには「SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標,2015年~2030年)なんて言…

Yasunori Matsuki
6か月前
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「考える機械の登場」がもたらすのは「人類の知性の敗北」ではなく「人機一体時代の到…

1996年から1997年にかけて人間のチェス名人と互角の勝負を繰り広げられたチェス専用スーパーコ…

Yasunori Matsuki
6か月前
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結局、持続可能な未来の到来を妨げるのはシンギュラリティというより「人間自身による人間自身の為の人間自身の規定」による制約のせいという話。

思えばGoogleが最初のLLM(大規模言語モデル)Transformerを採用したのが2017年。翻訳ツールの精度をルール駆動エキスパート・システムで維持するのが困難になったからで、まずその展開自体がパラダイムシフトだった訳ですが、その瞬間には全く話題になりませんでした。人類全体が反応したのは「人間との対話能力を備えた」ChatGBTが登場したタイミング(2022年)。 何もこれが初めてという話でもありません。深層学習アルゴリズムの大源流は、同年発表されたニューロン・コン