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「死中に活を求める」タイプのSustainabilityについての話。

タロットカード「太陽」は「完成」だけでなく「(努力終焉に伴う停滞がもたらす)完璧な死」を示唆する事も。ある意味「死神」の暗喩する「破壊と再生のサイクル」より恐ろしい結末ですね。そもそも爆撃機撃墜技術として始まった情報理論では「情報量が0になって終わる解析完了」とは元来「後は機関砲なり対空砲なりをぶっ放すだけ」なる物騒なイメージでした。でも、もしそこに至る計算全てが罠だったら?

第二次世界大戦当時の航空戦といったら、本人もP-38ライトニングに搭乗して死線を潜ったマーティン・ケイディンの空戦記。子供の頃、軍用機プラモデルを組み立てながら読み耽ったものですが、そこにもこんな記述が。「敵機が右旋回すると思ったら左旋回し、上昇すると思ったら下降し、加速すると思ったら減速したら、その時点で貴方はもう死んでいる」。当時の戦場写真を見ると対空砲やロケット砲の多くが車載ですが、それも初撃に失敗したら今度は自分が狩られる側に回るから。

「必殺陣形」自体に注目するなら、鴨長命「方丈記」も中々のもの。まずは災害や飢饉や福原遷都失敗の無惨さについて微に入り細に入り語って現世への執着を断ち切らせ、そこへすかさずミニマルな隠遁生活の素晴らしさを吹き込んでおいて、最後におもむろに「だがそれへの執着が往生を妨げる」の一言。まるでカンネーの戦い(紀元前216年)の如き完璧なる包囲殲滅戦術…

こうした「殺意」を乗り越えてきたのが「イノベーションのジレンマ」において「自明の場合として破壊的イノベーションに踏み切れず必ず滅びる」とされた大企業を立て直した経営者達という次第。例えば、 SAP創業者ハッソ・プラットナーの手になる次世代システムHANA開発。なまじ自社製環境R/3がERP業界標準に選ばれたせいで、逆に「下手をしたら我が社はここまでだ」と恐怖したのが着手動機だったとか。あるいはIBMのルイス・ガースナー社長によるオープンシステム導入。私にもPC9800シリーズのサービスエンジニアをしていた時期もあるので容易に想像出来るのですが、社長自らが「顧客が聞きたいのは、他社製品との接続保証は出来ませんなんて話ではない」と断言し、社員全員に覚悟を決めさせたのは壮絶な手腕。この2社、どうやら伊達に世界のSustainability Solutions Suppliers集団の頂点にある訳ではなさそうです。


ここまででとりあえず1000字弱。プロダクション・ノート的まとめは以下。

そんな感じで以下続報…


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