未来が勝手に向こうから襲来してくる場合のSustainabilityについての話。
イタリア・ルネサンス以降、解剖学や建築学の成果が粛々と絵画化された背後には「カメラ・オブスキュラ(「カメラ」の語源)」の存在がありました。やがてセルロイドフィルムに画像が残せる様になり、肖像画専門画家の大量失職を引き起こしてしまいます。
また横溝正史「悪魔の手毬唄」には「真犯人はゲイリー・クーパー」なる台詞がありました。ゲイリー・クーパー主演映画「モロッコ(1930年)」などのトーキー化がサイレント映画弁士を失職させたのが、本当の意味での連続殺人事件の発端だったというのです。
そして最近になってまた自然言語処理技術の進化が同様の悲劇を引き起こすという噂が流れています。本当にそうでしょうか。そういう私自身、かかる展開に合わせて文章の読み方や書き方を更新してきました。そもそも自然言語処理とは、言葉をベクトル集合に置き換え、その出現頻度や条件付同時発生率からある種の分布意味論的確率空間を構築する作業。その特性を活用して検索効率を高めたり、逆にそのアプローチでは書けない文章の出力を心掛ける様になるのは自明の場合と申せましょう。
ところで「逆ポーランド記法」なる言葉に聞き覚えは? プログラマーの方ならどこかで聞き覚えがあると思いますが「a+b」を「ab+」と表現する記法。コンピュータなるもの、あらかじめ定義したデータ領域しか演算に利用出来ませんが、文章生成AIが最初に吐き出す「まずは〇〇について定義します」羅列の正体がこれ。全ては「検索範囲拡大に向かうベイズ推定」発生を回避する為の措置。
そもそも最新LLMの一つTransformerモデルは高速化の為に再帰もバックトラックも畳み込み処理も捨てたピーキーな構造。さらにある意味これはこれで最適解の一つなので、下手に弄っても処理速度や可読性を悪化させるばかりときています。少なくとも当面は人間の側が譲歩を続けるしかなさそう?
小説版「宇宙戦艦ヤマト(1974年~1975年)」のラストは壮烈で、実は放射能に汚染された地球を元に戻す方法はなく「地球人の希望」コスモクリーナーの正体は地球人の身体の方を環境適応させる改造装置だったというもの。そう、人類は既にセルロイドフィルムにサウンドトラックを貼り付けた時点で「人機一体の新生物」へと進化する未来を選択してしまったのです。もはや退路がないのがSustainabilityとも?
ここまででとりあえず1000字弱。プロダクション・ノート的まとめは以下。
そんな感じで以下続報…