新年に心に響く言葉 新しい1年のスタートを切る心構え(3年先から逆算で計画を立てる視点とは)
2021年がスタートし、気持ちを新たに新しい一年がはじまりました。
「一年の計は元旦にあり」と昔から言います。一年の計画は元旦に立てるべきであるという意味です。近しい言葉として、「一日の計は朝にあり」という言葉も聞いたことがあります。その日一日に行うべきことは朝のうちに計画しておくべきということです。
つまり、何事も計画からはじめようということですね。今年は自宅で外出を自粛している方も多いかと思います。そこで、改めて2021年に取り組みたいことについて、このお正月休み中に考える時間を持ってみてはいかがでしょうか。
正月は「竹の節」のようなもの
正月という年に一度のこの時期について、学びを与えてくれる言葉があります。
竹に節がなければズンベラボーで、とりとめがなくて風雪に耐えるあの強さも生まれてこないであろう。
竹にはやはり節がいるのである。
同様に、流れる歳月にもやはり節がいる。
ともすれば、とりとめもなく過ぎていきがちな日々である。
せめて年に一回は節を作って、身辺を整理し、長い人生に耐える力を養いたい。
そういう意味では、お正月は意義深くて、おめでたくて、心もあらたまる。
松下幸之助
「流れる歳月にもやはり節がいる」、なるほどその通りですね。来週からまたいつもの日常が始まりますが、その日常に一旦入ってしまうと目の前の仕事や、やるべき用事に忙殺されて自分を見失いがちです。
今年の正月は幸か不幸か、外出自粛で「立ち止まる」ことを社会的に求められています。だからこそ、少し腰を据えてこの1年で取り組みたいことを書き出してみるのもよいですね。
七走一坐
この正月に改めて読み直したのがこちらの本。「傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考」。枡野さんという禅僧の方が書かれた書籍です。立ち止まって心を落ち着けるのにおすすめの一冊です。
この本の中に「七走一坐」という言葉が出てきます。この意味は「七回走ったら一回は止まって座り、自分自身を見つめなさい」ということ。ここでいう「一坐」は松下幸之助さんの言葉でいうところの「竹の節」ですね。
目指すべき姿、やりたいことを描いたり、すでに計画した長期目標に対して現状を振り返り軌道修正したり。生産性を上げるには目の前のことに集中するのが理想ですが、近視眼的に目の前ばかり見ていると、目標とは違う方向に走りかねません。
だからこそ、時に立ち止まり、目標の旗印と自分の現在地を確認しながら軌道修正することが目標達成には必要です。
そして、人は考えながら走るのは苦手な生き物です。「振り返る」「自分を見つめなおす」という行動は、走りながらできるものではありません。だからこそ、この1年の質を高めるためにも、正月休みの内に「一坐」し、自分の未来について考える時間を持ちましょう。
ゴールは「21年12月」ではない
今年の1年の計画を立てるときに一つ考えておくべきことはゴールイメージをどこに設定するかです。「1年の計画」と考えると、今年だけをスコープに入れてしまいがちですが、大きく成長を描くときは高い視座でビジョンを描き、そこからバックキャストで直近の計画を位置づけるのがよいです。
テスラモータースの経営者として有名なイーロン・マスク氏は2024年に人類を火星に運ぶことを計画しています。そのために必要な資金の調達と、技術の開発をバックキャストで計画してテスラモータースで電気自動車の製造販売を行っています。
つまり彼にとっては電気自動車を作ることはゴールでもなんでもない中間地点ということです。「人類を火星に運ぶ」という極めて高い視座があるから、そこまでに必要なマイルストーンが描け、技術革新を一つ一つ積み上げることができます。
このマスク氏の高い視座から現状を見る視点から学ぶなら、今年の計画を立てる場合でも、例えば3年先の自分を想像するとことろから始めてみます。ここは「現実」をあまり考えなくてよいです。むしろ荒唐無稽な夢物語でもよいでしょう。とにかく自分のありたい姿を描きます。「〇〇な自分になっている!」と、短く、パワフルな言葉を思い描きます。模範解答はワンピースのルフィの言葉「海賊王に俺はなる!」ですね。
そこから、そんな自分になるためにはどんなスキルやリソースを身に着ける必要があるのかを連想します。考えられるだけ細分化してパズルのピースを作るイメージです。中には「そんなこと自分にできるかな?」と思うようなことも含まれてしまうかもしれませんが、大丈夫です。なぜならそのハードルの高いことをするのは今年ではないからです。
集めたパズルのピースを3つの箱に分類します。それは1年目の箱、2年目の箱、3年目の箱です。計画はステップバイステップで達成していくので、1年目の箱には少し現実的で、実現可能な内容のものが入ってくるでしょう。
この1年目の箱に入っているものが、「2021年に取り組む計画」です。こうしたステップを踏むことで、より視座高く、そして大きな絵を描きながら今年の1年を位置づけることができます。
実行する時は「アンバランス」を受け入れる
立てた計画をこれから実行していくわけですが、その時にも大切にしたいマインドセットがあります。それは「全部を頑張りすぎないこと」です。ヒントは「ピック スリー」という本にあります。
ピックスリーとはつまり「3つ選ぶ」という意味です。アレもコレも完璧にするのではなく、やることを3つだけに絞るという発想です。
我々は日々やることに追われています。仕事、家庭、友人付き合いといった「やらなければいけない」こと、そして趣味などの「やりたいこと」など。でも1日は24時間と有限です。アレもコレもやらなきゃと思った結果、どれも中途半端に終わってしまうことも多いですね。そこで本書が提唱するのが、「ピック スリー(3つ選ぶ)」という考え方。
「仕事」「睡眠」「家族」「運動」「友人」こうした重要な5つのカテゴリーから毎日「3つだけ」を選び、それに注力するという考え方です。そして選ぶ3つは毎日、日によって変えます。次の日はまた新たに3つを選択します。もちろん、前日と同じ3つを選んでも構いません。毎日リセットして3つ選ぶ。
これを繰り返し続けることで、やりたいことに集中してやりきる毎日がおくれます。また、その日はできなかったとしても次の日にやるなど、「やり残しの罪悪感」から解放されます。そして、単日で見れば3つしかできませんが、1週間や1カ月という視点でみればバランスを取ることもできます。
つまり、アンバランスな毎日をおくりながら、長い目で見てバランスさせるという発想です。この考え方が非常に理にかなった手法だと言えます。計画実行のフェーズでは大切にしたい考え方ですね。
まとめ
「一年の計は元旦にあり」。何事もはじめに計画ありき、です。今日は1月2日ではありますが、2021年の計画はぜひこのお正月休みの間に立てておきましょう。この休みの間の「一坐」の取り方次第で、この一年の「質」が大きく変わります。
「夢は願わなければ叶わない」という言葉も耳にします。計画は立てなければ達成も何もありません。1年後の12月31日に「充実した良い一年だった」と振り返られるよう、夢の計画を立てましょう。
そして、その計画は1年というスコープではなく、できれば3年くらいの高い視座で考えることをおすすめします。「今年一年の計画」だけを想像すると、現実的で、大きな成長は望めません。
中長期的に考えることで、無理かもしれないと思えるような荒唐無稽な大きな夢を持つことに抵抗がなくなるからです。
自己成長に向けて、前向きになれる計画を立てられると良いですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
素敵な一年にしていきましょう!
本年もよろしくお願いします。