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北欧に学ぶ上手に「手放す」工夫 シンプルライフのヒントとは

「不安もモノも手放す。それが心を豊かにするってことか」

最近、ミニマムに暮らす人が増えているように思います。コロナのパンデミック後、本当に必要なものとそうでないものが浮き彫りになり、それを取捨選択することが求められているように思います。

一方で、シンプルに生きていく上では色んなものを「手放す」必要があります。これ、結構難しいですよね。私もどちらかというと心配性なのでなかなか捨てられなかったりします。

そこで今回はシンプルライフのお手本として北欧の方の生き方に手放しながらシンプルに暮らすヒントを学びます。

スウェーデン人は「心配」しない

幸福度ランキングで上位を独占する北欧諸国。その一つがスウェーデン。先日スウェーデンの文化について触れる機会がありました。スウェーデン人はあまり心配しない国民だそうです。その背景には地震や台風のような災害が少ないこと。そして社会保障制度が整い、やりたいことができる生活環境などが関係しています。「こうしなくちゃならない」というプレッシャーが少なく、心配することが少ない傾向にあるようです。

日本人はそうもいかないところもあります。地震も台風も頻繁に起こります。つまり「備えなければ…」という未来を考えたときの不安感を持ちやすい国民性があるのではないかと思います。言い換えれば「デフォルトで心配性」ということ。これは日本に生まれた我々には仕方のない心の持ちようなのかもしれません。

一方で、その事実を理解した上で、「どう考え行動するか」は工夫のしどころがあります。自己認識した上で「どう対処すべきか」を考えます。

手を打ったらすぐに「不安」を手放す

「過度な心配」が幸福感を引き下げているなら、我々は意図的に「心配」を手放す必要がありますね。そのためにはまず「ぼんやりとした心配」をしないということですね。

例えば災害への準備。災害大国日本にいてこの不安がない人は少ないですが、大切なのは具体的に手を打つこと。そして手を打ったらそれ以上は悩まないことが大切ですね。我々はスマホが情報ライフラインとして重要なツールになってますが、例えば災害時の停電対策として「ホームバッテリーを買う」という打ち手を打てば、それ以上は過度に不安視しないことですね。

漠然としたぼんやり不安には1対1対応でわかりやすく手を打つ。そして、手を打ったらそれ以上は不安になったり悩んでも仕方ないので、無駄に考えないことで余計な不安は手放すことができます。

ヤンテの掟とは?

北欧には「ヤンテの掟」というものが広く知られています。1933年にデンマーク・ノルウェー人作家アクセル・サンデモーセ氏が出版した小説のなかに登場する架空の村Jante(ヤンテ)の、村の住人が守るべきルールをまとめた10か条のこと。

これが現在に至るまで、北欧民族固有の精神として受け継がれてきているとのこと。言うなれば我々日本人にとっての「大和魂」の様のようなものでしょうか。

【ヤンテの掟】
1.自分が特別だと思ってはならない。
2.自分が私たちと同じくらい優秀だと思ってはならない。
3.自分が私たちより賢いと思ってはならない。
4.自分が私たちよりも優れていると思ってはならない。
5.自分が私たちよりも多くを知ってると思ってはならない。
6.自分が私たちより重要だと思ってはならない。
7.自分が何かに秀でていると思ってはならない。
8.私たちを笑ってはならない。
9.誰かが自分を気にかけてくれると思ってはならない。
10.自分が私たちに何かを教えることができると思ってはならない。

ここでいう「私たち」とはヤンテ村の住民を指しています。今で言うならデンマーク国民、スウェーデン国民という意味合いですね。この10個の掟を読んで、どんな印象を持ちますでしょうか。結構、謙虚な印象を受けますね。言い換えれば「身の丈を知る」という感じでしょうか。過度に自分を飾らない感じ。

そして、質素に生きることや自分に厳しく生きることを美徳とする日本の価値観に通じるものがあるようにも思います。自分の力や権力、見栄、虚栄心を手放しそれらから自分を開放する。北欧の人たちはこうしたある種の「スキル」を身についけているから、日々を豊かに過ごせるのかもしれません。

北欧文化には「アメリカン・ドリーム」のような資本主義に基づいた一発逆転のチャンスをものにするという価値観ではなく、みんなが働いて、みんなが身の丈にあった質の高い暮らしをするという価値観が広く持たれています。「自分だけが幸せになる」ではなく「みんなで幸せになろう」という感じですね。人間関係の中で自分の幸福を定義している印象も受けます。

北欧社会では、他者を尊重する教えである「ヤンテの掟」が人々の持つ共通の価値観として、重要な役割を果たしているのかもしれません。

自然の中でタフに生き抜く

北欧諸国には地震や台風のような災害が少ないのは事実です。一方で優しい自然環境に囲まれているかというとそれは間違った理解です。北欧諸国は冬が長く、むしろ厳しい自然環境中で生きていかなければなりません。

北欧の人の幸せの秘訣を探る上でヒントになる書籍が「フィンランドの幸せメソッド SISU(シス)」という本。著者はカトヤ・パンツァルさんというカナダ人。カナダからフィンランドへ移り住んだ彼女が実際に生活して理解した幸せのメソッドを紹介してくれる一冊です。

この本は読み物としても非常に面白く大好きな1冊です。この中で「SISU」という考え方が紹介されています。

【SISU(シス)】
フィンランドの人々に古くから受け継がれる特別な精神力、いわば「フィンランド魂」。厳しい状況で発揮されるしなやかな精神性、困難に立ち向かう勇敢さ、忍耐などを指す。そんな「折れない心」は、日々の健やかな心身に宿るとされる。

フィンランドには独特の「意思の強さ」、決してあきらめない、安易な道に逃げない「強い心」があると言います。このSISUを柔軟に解釈すると、例えばこんな行動がSISUによって行われます。

・粘り強い行動
・活発な行動
・屋外での活動(天候に関係なく)
・自分の手でやる(DIY)

自然の中に身を置き、タフに暮らすという「フィンランド魂」。それは、あきらめないタフな精神力と自然とともに生き、自分で行動するというメンタリティ。このSISUというタフな精神力が、ひいては日々の生活で幸せを感じられる秘訣になっているのかも知れません。

この本を読んだ時、「物質に囲まれて生活している日本人の暮らしって、本当に幸福につながっているのかな?」と、ふと思いました。例えば過度に装飾された服や高級な腕時計を自然豊かな山に持っていった時、「人間はそんなものに価値を感じるのか?愚かだな」と山に笑われるんじゃないかと思ったりします…。

「手放す」かどうかのモノサシは、「それ、自然界に必要なものか?」と問うことで、いるものといらないものを仕分けられるのかもしれません。

まとめ

未来への不安や心配も常に心の中に置いておくとそれだけで負担です。そうした気持ちは、1対1対応で手を打って、心の中から出してしまった方が気持ちが軽くなりますね。

そして、北欧の人たちは謙虚にそして偉大な自然と上手に対峙しながら豊かに生きていることがわかりました。他者を尊重する教えである「ヤンテの掟」、そして自然の中で強く生き抜く「SISU」はいずれも、自分は一人で生きているわけではないという考え方に根ざした考え方です。

人や自然との調和の中で「本当に必要なもの」は何なのかを考えると、モノの執着から離れ、シンプルに生きていけるのではないかと思います。

改めて断捨離して、スッキリとシンプルに生きていくことが、日々を幸せに暮らしていく近道なのかもしれませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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やわらかメガネりょう
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