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なぜあの人はイライラしているのか?「投影」から自分を見直すコツ

「あの人、最近すぐ怒りっぽくなるなぁ…」

人とコミュニケーションをしていると、そう感じることがあります。そう思ってる時に、「大丈夫?何か機嫌悪そうだけど?」と声を掛けられた事があります。何か見透かされた気がしてドキッとしました。

感情が顔に出ていたのかも知れません。自分が思っている以上に、周りは自分の事を分かっていたりします。それは会話をする事で気づかされたりします。

改めて、人と会話する意味を考えてみます。

心理学における「投影」とは

心理学に「投影」という言葉があります。自分のとある衝動や資質を認めたくない時、自分を守るために、他の人にその悪い面を押し付けてしまう心の働きのこと。

「投影」は日常生活に多分に潜んでいます。例えば、なんとなく嫌いだった人物が、実は自分の否定的な、認めたくない面を持っている事が理由だったりします。

よく、自分の子供に対して怒っている親がいますが、自分に似ている認めたくない性格が子供の言動に重ねて見てしまい、イライラしているケースもあります。

冒頭の『この人は怒りっぽい人だ』という同僚に対する気分も、実は一時的に自分に余裕がなく感情的になっている現れだったのかも知れません。でも「自分は冷静な人間」だと思いたい。こうした気持ちのギャップを同僚に投影している可能性があるということです。

「投影」を成長の機会と捉える

周りの人で気に入らない所を感じた時、それは自分が認めたくない自分の一部をそこに見ているのかもしれません。

つまりそれは、自分を見つめ直す「機会」とも取れます。自分の欠点を客観的に理解できれば、それを克服する方向へ意識を向けられます。

克服まで行かなくても、「投影」のメカニズムを知り、そのような感情を相手に感じる背景を理解することで、ある程度落ち着きを取り戻す事ができます。

そして、このメカニズムを知っていることで、相手の嫌な部分に折り合いがつけば、相手を受け入れることもできるようになるかもしれません。

自己成長に活かす、人間関係を修復する、どのように活かすかは自分次第と言えます。

「人は鏡」という考え方

先日、自分の気持ちや言動に対して見つめ直すきっかけを与えてくれる言葉に出会いました。

【心の鏡】
身なりは鏡で正せるとしても、
心のゆがみまでも映し出しはしない。
だから、人はとかく、自分の考えや
ふるまいの誤りが自覚しにくい。
心の鏡がないのだから、ムリもない
といえばそれまでだが、けど求める心、
謙虚な心さえあれば、心の鏡は随所にある。
自分の周囲にある物、いる人、これすべて、
わが心の反映である。
わが心の鏡である。
全てのものがわが心を映し、すべての人が、
わが心につながっているのである。
もう少し、周囲をよく見たい。
もう少し、周囲の人の声に耳を傾けたい。
この謙虚な心、素直な心があれば、
人も物もみなわが心の鏡として、
自分の考え、自分のふるまいの正邪が、
そこにありのままに映し出されてくるであろう。
「道をひらく」 松下幸之助著 より

心が洗われる言葉ですね。「人も物もみなわが心の鏡」。なるほど理解できます。先の心理学的な現象である「投影」を松下幸之助さんは肌感覚で理解し、それを経営に活かしていたのだと思います。

自分の心は見えません。しかし、人と会話する中で、良い面も悪い面も相手に自分を投影し、気づく事ができます。そう考えると、「会話する」という行為は自分を知る最も有効な手段なのかも知れません。

まとめ

自分の認めたくない部分や自分にとって都合が悪い部分を他者に重ねて見てしまうケースがあります。会話の中で、相手に芽生えた感情は自分の中に見たくない要素なのかも知れません。

そう気づいた時は自分の弱い部分を変えられるチャンスでもあります。そう考えると、気持ちを冷静に保つこともできます。「投影」により自分の心を見つめ直すことは、一種のアンガーマネジメントとも言えます。

人と会話する時、相手を心の鏡として、自分を客観的に見てみましょう。そうすることで、自分をアップデートするヒントが得られるかも知れません。

そして、誤解を解くことで、周囲の人とも良好な関係を築いていけるとよいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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やわらかメガネりょう
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