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#書くこと

愛するために自立する

「そもそも、男は火星人で、女は火星人だった」__そう想像してみよう。(ベスト・パートナーになるために ジョン・グレイ著 大島渚訳)

私たちはパートナーと他人であるはずなのに、つい「これくらいなら伝わる」と過信してしまう。

男も女も、全く別の場所で育ち、全く別の考えを持ち、同じ言葉を喋っているようで全然違う。だから、愛するために、少し頭を使って相手を理解しなければならない。

日常生活の中でも、

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マジックアワーに思いを馳せる

マジックアワーに思いを馳せる

明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、〝こんなハズじゃなかった人生“に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。高円寺の深夜の公園と親友だけが、救いだったあの頃。そ

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「努力」を脱いだ自分が、本当の自分だった。

「努力」を脱いだ自分が、本当の自分だった。

あと10分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、10分たっても頂上は現れなかった。もう少しだよ、本当はここからあと10分だから……。その言葉に騙されながら、40年も山を登り続けてきた。ここまで登ってきたついでにもう少しのぼってみることもできる。必死に登り続ければ何か見えてくるかもしれない。でももう疲れた。気力も体力も底をついた。チクショウ、もう限界だ。

物心ついてから、努力は惜しまな

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生きていくことは、難しいようで単純だ。

生きていくことは、難しいようで単純だ。

瀬尾まいこ著、「天国はまだ遠く」を読んだ。

主人公の千鶴は、会社員で営業職。自分の人の良さでかえって結果を出せず、上司や同僚からの小言が自分に対する侮辱に聞こえ、いつしか会社に行くこともできなくなり、体を壊した。

全てを終わらせるため、自殺をするべく北へ向かう特急列車に乗った。奥へ奥へとタクシーに身を任せ、たどり着いたのが木屋谷という集落の「民宿たむら」だった。この民宿での暮らしが、千鶴に「生

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芥川賞「破局」読んだ

芥川賞「破局」読んだ

こんばんは。

芥川賞受賞作は気が向いたら読むようにしていて、前回はなんだか気が乗らなかった(余裕がなかった)のだけれど、今回は気が向いたので手に取ってみた。

今更ながらね。

ちなみに同受賞作「首里の馬」は読んでいる途中。

私は読書はすごく好きで、純文学はその中でも特に好き。知識は全くないけれど、言葉一つひとつ追っていくたびに著者の世界に引き込まれていくようで、美しいなあ、この人は日常の中の

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