【体験記】世界3大伝統医療 アーユルヴェーダ治療@スリランカ がめちゃくちゃよかった話
誰一人として同じ人はいない
この世の中に私と全く同じ人がいないように、人はそれぞれ違う。
同じものを同じように食べていて太る人がいる一方で太らない人がいるように。
あの人に合った方法が自分に合うわけではない。
アーユルヴェーダを通じてそれを腹落ちすることができる体験をしてきた。
アーユルヴェーダって?
日本においてはリラクゼーションやエステのイメージが強いと思う。実は5000年の歴史を持つインド・スリランカ発祥の伝統医療。
一人一人生まれ持った体質・エネルギー(ドーシャ)があり※、日々の生活の中で乱れたエネルギーのバランスを整えることで病気を治療・予防していく医療で、アーユルヴェーダドクターの診察・処方のもと、瞑想やヨガ、オイルマッサージ、呼吸法、ハーブを用いた食事療法などを生活に取り入れて病気を予防し、心と体の健康を保つことを目的としている。
ドイツではアーユルヴェーダ治療が保険適用になっているようで、私が滞在したアーユルヴェーダ施設はドイツ人が多かった。
定義や理論等を正確かつ詳しく知りたい方のために参考までに参考図書(新版インドの生命科学アーユルヴェーダー、アーユルヴェーダファンタスティック)のリンクを貼っておく。(素人なもんで今回の滞在を機に探究欲が刺激され勉強中・・・)
※ 自分の体質やエネルギー(ドーシャ)を知りたい方は簡易版のチェックはこのサイトで。
なぜアーユルヴェーダの治療のためにスリランカに行ったのか?
たまたまFacebookを開くと知人がスリランカでアーユルヴェーダの治療を受けている写真を投稿しており真っ先に目についた。
激烈できる仕事ウーマンの彼女が今年仕事をセーブしてヨガなどを極めていることは知っていたが、アーユルヴェーダ治療のためにスリランカに行っているとは!(実は私も興味あった!)と、見た瞬間に「行きたい!!!」とコメントをしていた。
直感で行けと言われた気がしたし、そこに何かある気がした。
「なんかめちゃ良いらしい」とよく聞くアーユルヴェーダについてデスクトップリサーチだけでは腹落ちできなかった。具体的に何がどう良いのか自分の身体で確かめるしかない!という探究の目的達成のためスリランカ行きを決め1ヶ月半後にはスリランカにいた。
本来は最低でも2週間滞在をしてしっかりとデトックスを進めることが推奨されているが、私はまだまだ手のかかる2児(5歳9歳)の母という立場と仕事の都合もあり、8日間が限界で出発前・後の生活に気をつけるという前提で短期滞在でトライすることになった。
施設情報
私が今回お世話になったアーユルヴェーダホテルはここ。
Tagiru .Ayuruveda
マザーハウス出身の日本人ご夫婦が経営されている。お二人のお人柄も最高で現地スタッフさんたちも素敵でしっかりしており、安心して滞在ができる。
基本的な英語は話せた方が良いとは思うが、コンサルテーション等は通訳をしてくれる&何かあった場合日本語で相談できるので日本人にもオススメ。全てが最高だった。
8日間のプログラム全容
ドクターコンサルテーション
(初回:2時間、必要に応じて日々ショートコンサルテーション)
:処方を行うため、問診・脈診・触診によって自分の現在のドーシャバランスの把握をする。このコンサルテーションで滞在期間中の治療の方針が決定され、一人一人にあったプログラムがたてられる。適切なドーシャバランスに戻すために、食べていいもの悪いもの、薬、トリートメントの内容などが決まる。
最終日のコンサルテーションではドーシャバランスのチェックやNutorition Planを用意してくれ、帰国後も引き続き自分のドーシャを整えるための知識をインプットしてくれる。
1日4回のオイルマッサージトリートメントとパンチャカルマ
:オイルマッサージを行うことによってパンチャカルマ(毒だし)を進める。(注:マッサージだけではなく、食事、薬などとセットで毒出しを進める)8日間の滞在で30回余りのマッサージをしてもらったが、こんなにも毎日自分の身体を大切に扱った記憶がないくらいに贅沢な時間だった。みるみる体も心も軽くなっていくのがわかり、そしてその効果は抜群だった。(後述)
アーユルヴェーダ食
:1日3回自分のためのアーユルヴェーダ食が提供される。一人一人状態が違うので一人一人のメニューも異なる。基本毎食スープ、ワンプレートディッシュ、フルーツと毎日新鮮な野菜・豆・フルーツ・お魚・チキンが中心。
ハーブの薬
:毎日3回(朝・夕・寝る前)ハーブの薬が処方される。お世辞にも美味しいとはいえないが効果は抜群。
朝のアクティビティ
:毎日講師の方が来てくれてヨガまたは太極拳のプログラムが実施されている。参加は自由で、プログラムに参加する人もいればビーチを散歩する人も。私はヨガに参加したり、部屋で一人でヨガをしたり、ビーチを散歩したりと朝起きたその時の気分で自由に過ごした。
夕方のプログラム
:週に何回か夕方にプログラムが実施される。お坊さんが来てくれてメディテーション(瞑想)をしたり、料理教室が開催されたりする。これも自由参加。
その他
:基本的にホテルから出ることなく(出る必要がなく)ゆっくりと自分と向き合って過ごすことができる。相談をすればプログラムを調整してトリートメントの合間に外出や観光に行くことも可能。私はパンチャカルマ前に1回地元の市場に、パンチャカルマ後に1回Galleという世界遺産の街に観光に出かけた。
治療開始前の私の身体
私は自分でいうのもなんではあるが、自分の体の声には日頃から意識を向けており、自分の体を大切にしていると思っていた。
食や生活習慣にも気を配っていたし、実際、健康面における不調等は一切感じてはいなかった。
しかし、私のドーシャは完全に乱れていた。(言われて納得)気付いていない不調部位を指摘された。詳細は下記に書くが、驚くことに自分は健康だと思い込んでおりどこにも不調がない、と思っていた私ですら、8日間の滞在期間で身体に大きな変化を感じた。
まず、私の生まれつきの性質(プラクリティ)はピッタ、カパだった。
初回ドクターコンサルテーション時の私のドーシャバランスはヴァータ45%、ピッタ55%、カパ40%と理想(写真の黒字の%)からかなり上ぶってバランスを崩した状態だった。
ピッタを上げる食べ物(辛いものと酸っぱいもの)が大好きで
何にでもお酢をかけるし、数年前までは苦手だった辛いものを好んで食べるようになっていたのだが、きっとドーシャバランスを崩していたためそれを欲する悪循環にはまっていたように思う。
滞在期間は乱れたドーシャバランスを整えるため、食事には
キャベツ、コールラビ、ラディッシュ、生オニオン、生サラダ、加熱トマト、グレープフルーツ、パッションフルーツ、マンゴーチャツネ、生マンゴーカレー、オイルフード
は出さない、と言われた。
具体的に起きた変化
ファイナルコンサルテーション時のドーシャバランスは
ヴァータ30%、ピッタ40%、カパ30%と極めてバランスされた本来の自分のバランス状態に戻った。本来の自分の状態に戻ることで、心身ともに満たされて、心穏やかで幸福感に満ちた状態を深く味わうことができた。そして、バランスの乱れを感じ取れるようになった。(詳しくは後述)
滞在期間中は好転反応によって頭痛などの体調不良になりつつも、ドクターの的確な処置処方のおかげで安心安全に順調にデトックスを進めることができた。身体は言わずもがな、内面的な毒だしも起き、普段閉まっていた感情や記憶も色々と出てくる出てくる。
ああ、自分はここ見ないようにしていたなあとか、これはもう自分には必要のないものだなあとか、、、身体の変化のみならず心の変化も実感できるプログラムで今の自分にとってとても必要なものだったなあと実感しているし、最高最善のタイミングでこれて、私がスリランカに来ることは必然だったように思う。
アーユルヴェーダといえばシロダーラであるが、脳のマッサージと呼ばれるほどリラックス効果がとても高く、自然と瞑想状態となり潜在意識に眠っていた自分でも忘れていた(心の奥にしまっていた)記憶のかけらが急に浮かんできた。
パンチャカルマの効果は凄まじく、シロダーラ翌日に無理を言って観光のスケジュールを入れたのだが、パンチャカルマによって敏感になっている身体で出歩き風と太陽に当たりすぎたため、夜に頭痛におかされ嘔吐することに。(本当はシロダーラの後は出歩かずゆっくり過ごすことが推奨されているのでこれからいられる方は余裕を持ったスケジュリングをお勧めします。)
夜、ドクターが駆けつけてくれてことなきを得たが、この一件で自分の身体の変化を実感することになった。
ドクターが処方してくれた薬を飲んだところ体調が落ち着き、翌日には何事もなかったかのように快調に。アーユルヴェーダの薬と私の身体の相性がよく効果が抜群であることや自分の身体の素直さが愛しくもなった。
そして、帰国後3週間経った今、大きく、6つの変化を自覚している。
身体の変化
1. 鼻が開通→脳・思考がクリアになった。
2. 下半身のむくみよサラバ→脚がシュッとした。
3. 体重がマイナス2キロ→顔がシュっとした。ウエストがくびれた。
心の変化
4. セロトニン爆放出→多幸感。
5. エネルギーが安定→イライラ減。心のデトックスで生まれた余裕。
6. 心が軽やかに→自分にとって大切なものや人・必要なものやことに気づきそれ以外を手放せた。
鼻が開通
初日のドクターコンサルテーションで「普通の人よりだいぶ健康。でも、額から目の周りにスライムみたいなのがあるね」と言われた。
・・・思い当たるものとしたら物心ついた時から左の鼻の穴が空気を吸いにくいこと。でも鼻ってこんなもんで左右で吸いやすさが違うのが普通なんじゃないか?と感覚がバグっていたためそれが不調だとは気付いていなかった。不調状態を「普通」と思い込んで過ごしてしまっているケースは私だけではないような気がする・・・。
1) 蒸気を吸い込むトリートメントと
2) 鼻の穴にオイルを垂らして吸引するトリートメントを行なった。
すると、痰のような(まさしく”スライム”とよぶにふさわしいもの)がどんどん出てきた。本当に驚いた。ドクターの言うスライムはこれか!!!
この治療を2日続けたところ、人生で初めて両方の鼻が開通した。(スライムの残存感があったので帰国後も継続したところ、完全にスライムを出し切った感覚がある。2週間滞在の場合は施設でやり切れたんだろうな・・・。)
両方の鼻から吸引される空気の量がこれまでの比ではない。脳に酸素が行き渡る感覚をとても感じることができ、思考もクリアになった。とても快適〜!そしてこの開通した状態、本来の状態を知ったことにより鼻が詰まった時の異常に気づくことができるようになった。異常に気づいた時はアヌタイラによってセルフケアし開通状態を維持できるようになった。
物心ついた時から左の鼻が空気を吸い込みにくく、もはや鼻の機能として右左で機能の差があるんだと当たり前に思っていたのだが、そうではなかった。自分としては「これで当たり前」と思ってしまっている状態自体がおかしいということドクターのおかげで気づけた瞬間だった。
下半身のむくみよサラバ
長年下半身が浮腫んでおり下半身の太さは悩みでもあった。夕方、靴下の跡がついてなかなか取れないなどは代表例。
それが8日間の治療プログラムの結果(カパを下げた結果)、まさかまさかの、長年取れなかったむくみが見事になくなった!!!!こればかりは歓喜。
私はピッタ・カパ体質であるが、溜め込むエネルギーのカパが適正値よりも高くなってバランスを崩していたみたい。その結果、水分を長年溜め込んでいたよう。ドーシャバランスが整った結果、余分な水分を排出するに至った。滞在中一番早く感じた驚く変化だった。
帰国して時間が経つと施設滞在中に比べて溜め込んでいる感覚があるが、まず正常状態がわかったことによって異常状態に敏感になり、セルフマッサージや食事の注意などによってセルフコントロールするようになった。
体重がマイナス2キロ
毎日定刻に食事が提供され滞在者みんなで食卓を囲んで食事をする。提供される食事は一人一人のドーシャの違いによってメニューも違う。誰かが作ってくれる作りたてのご飯は美味しく、日本にいる時以上の量を食べていた。(途中からは食事回数を増やした方が自分には合っている感じがあったため、ランチとディナーはハーフサイズにしてもらい、間食でフルーツを出してもらっていた)
それにもかかわらず、体重は減少しており、顔もウエストもシュッとしたのが目に見えてわかった。帰国後夫にまず言われたのが「痩せた?」でちょっと嬉しい。
8日間で想像以上にデトックスが進んだ実感を持てた。
セロトニン爆放出
これまでは自分が他人にマッサージをする側ではあったが、自分の身体に対して1日4回×8日間もマッサージをしてもらう経験をしたことがなかった。不思議と人に触ってもらっているだけで自分が大事にされている感覚が高まり幸福感に包まれる。セラピストの方々もとても笑顔が素敵なチャーミングな方々で、毎日癒されていた。
エネルギーが安定
ドーシャバランスが整い、自覚できるほどに自分の心の状態が安定している実感を持てた。心の余裕もそうなのだが感情の揺れが小さくなったのを実感している。ピッタで燃えたぎるようなエネルギーがあったのだけれども、落ち着いた。
帰国後、人混み・業務多忙の状態にいると正直バランスされた状態からバランスが崩れてくる感覚があるが、「ピッタが上がっている」という気づきを自分でできるようになったことはとても大きい。気づくことから生活習慣のコントロールでバランスを気をつける意識ができている。
心が軽やかに
意図せずともTagiruに滞在した8日間は瞑想状態になることが多かった。何もしない、という贅沢を味わい自分と向き合う8日間を過ごせた。自分の身体の素直さを愛し、完璧でない自分を愛し、愛でる時間だった。
また、パンチャカルマを通じて自分にとって必要のないものが自然と手放される感覚も感じることができ、自分に必要なものや心地よいものだけを取り入れることを受け入れることを肯定できた。(全てを受け入れないといけないとか完璧でいて認められなきゃとかいう感覚を完全に手放せた感覚)
スリランカで過ごした時間で”今ここ”に集中することの大切さを自分の中に完全に取り込めた感覚がある。「物事を問題と認識したときに問題となって心が支配される」という本質をより実感し、自分が望まないことに心を裂くことをやめること、それでいいという感覚をより実感として持つことができた。
人それぞれの体質があり、万人に同じアプローチが適するわけではない
以前デトックスプログラムのモニターをしていたときに「フルーツは食べない方がいい」と言われたことがあった。
恐らくその発言の背景は”一般的に若しくはご自身の経験知として、果糖は良くない”という意図だったんだと思う。
一方でアーユルヴェーダーでは、ピッタ優位の私にとっては旬のフルーツを食べることは推奨。実際にドクターからのNutorition Planでも私の場合はフルーツは推奨食物であった。フルーツを食べまくった滞在期間にドーシャがバランスされたという結果とデトックスが進み必要のないものが排出された実感があったので私の身体にはフルーツは合っているのだろう。
しかし、カパ体質の人にとってはフルーツ(果糖)は避けた方が良いのかもしれないし、アドバイスをくれた人はもしかしたらカパ体質でご自身の経験知としてアドバイスをされたのかもしれない。
何が言いたいのかというと、いい・悪いではなく、人それぞれ体質や状態は異なり、全員に共通して当てはまる正解やソリューションはない、ということ。とても大事な気づきだった。そして、これこそが人体の不思議として自分の身体には何が一番合うのか実験と探究を続けたくなる所以でもある。
実際、一緒に行った友人と私は異なった体質・エネルギーを持っており、身体の反応スピードも全然違っていた。食べていい食材も、避けるべき食材も異なるし、パンチャカルマの反応スピードも異なっていた。傾向として似ている、はあっても誰一人として同じはないのだと実感する。
帰国して思うこと
帰国から3週間が経過した。この体験記をまとめるにも3週間かかったことになる。そう、ここは勤勉な日本人かつ自営の性。休んだ分仕事に追われていた。。。
スリランカで整った状態をずっとキープできているかというと、都会での生活はなかなかピッタが上がりやすい環境だなーと感じている。
しかし、本来の自分のあるべき状態を知ることによって自分の身体に対する感覚はより鋭敏になり、ふとした時に「あ!自分のドーシャバランスが崩れているな」と気づくことができるようになった。
これまで以上に食事を気遣うこと(酸っぱいもの・辛いものを避けて生活)、セルフマッサージ、アクティビティや瞑想などの生活習慣全般がアップデートされ心も身体も豊かになった。
課題は自分用の食事と子ども用の食事、旦那用の食事と食事を作る手間がかかることなのでメニューをルーチン化するなどして無理なく続けてこのStableな感覚は持ちづつけていきたい。
企業戦士にこそオススメしたい
「自分の不調に気づいていない」という人は私だけではないと思う。
日々が感じている頭痛や肩こり、めまいや身体の火照りや重さ、それは身体のバランスが崩れているメッセージであり、「病気」になる前に身体が出しているSOSであるかもしれない。そして、それは整えることができるものでもある。不調に気づくこと、整う過程、整った状態を実感することでより自分自身を愛し大切にできる。今回アーユルヴェーダ治療を受けて実感したことだった。
「幸せを感じない」「身体に不調があるが中々改善しない」もしくは「不調があるのがデフォルト」という状態の企業戦士に出くわすことが多々ある。自分の身体の声に気づきこのままではダメだと分かりつつも日々の忙しさの中で自分の身体の声を無視している(せざるを得ない?)状態だ。多くの企業戦士は「自分を優先すること」に慣れていなかったり罪悪感を感じたりしているのではないか。
無理は永遠には効かない。病気や未病(不調)※など何かの形で表出する。失ってから大切さに気づく代表例が健康。
自己犠牲が美徳の時代は終焉を迎えている。まずは自分の身体と心の声を聞き、とびっきり愛してあげたいと思う。