親魏倭王、本を語る その14
【ジョン・ポリドリの吸血鬼小説】
近代小説で吸血鬼を取り上げた最古のものは、どうもジョン・ポリドリの『吸血鬼』のような気がする。 この作品は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』と同じ1816年に執筆された。この時、詩人のバイロンはシェリー夫妻らと怪談の競作を試み、その提案によって書かれたものである。
著者のポリドリはバイロンの侍医であった。この作品は1819年に『ニュー・マンスリー・マガジン』に無断で掲載され、しかも「バイロン作」と誤ってクレジットされてしまった。バイ