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精進料理に目覚める3歩前 #83 ガガイモと少彦名にトライする神農祭に古事記でジンセイとシンワする




神農祭

大阪道修町の少彦名神社さん
11月22、23日は神農祭
医薬の神様 少彦名さんと神農さんをお祀りしていらっしゃる少彦名神社さんへと野草が楽しくってしょうがないので薬草の知識を授けてくださったお礼を伝えるべく
のこのことお出かけ
暖かい海沿い野草の楽しい
なんか南下したくなるこの季節
無性に韓国料理が食べたくて色々調べていたら
神農祭の時季である事を知る
しかもどうやら寅の日
神農さんと云えば
黄色い虎さんがコクコクしていらっしゃる
江戸末期に日本へとお出ましになったコレラ
罹ると2、3日でコロリと逝くから
虎と狼が手を組んで襲うような脅威から
コロリそして『虎狼痢』
これらコレラの薬として虎の頭骨などの
和漢薬を配合して作られたのが
『虎頭殺鬼雄黄圓』らしい
病の名前も強ければ立ち向かう薬の名もひたすら強い
張り子の虎もお守りとして薬と共に配られたんだとか

神農炎帝は中国医薬の祖神
漢の時代の3バイブルのひとつ『神農本草経』は神農さんの名にちなんで著述されていて 内容は自然薬について解説をした薬物学書で生薬365種を3ランクに分類されているらしい

・毒がなく永く使えて生命力アップ老化防止に勤しんでくれて命を養う養生薬を【上品】

・使い方によっては毒にもなるけど體調とか症状の様子を伺いながら健康を保とうとしてくれる養生薬を【中品】

・長期服用などもってのほか有毒の物もあったり激しく作用する治療を専門としている治療薬が【下品】

三品分類

漢の時代の3バイブル残りの2つは理論と鍼灸の『黄帝内経』とゾクゾク風邪には葛根湯の張仲景さんによる『傷寒雑病論』である

少彦名さまと蛇と腎

少彦名さまは古事記ブームの現代なら言わずもがな ガガイモの船に乗って登場したミニチュアサイズの神様でオオクニヌシさんと共に日本のクニヅクリしながら大便我慢vs粘土運搬 の耐久レースを開催して粘土運搬にて見事に大便を我慢するオオクニヌシさんに勝利をおさめたなんとも愛おしい神さまである

和歌山 加太の淡嶋神社さんにいらっしゃる少彦名命
医薬 農業 温泉 呪術 酒造りなどなど

少彦名さまが海からやって来た時に乗っていたお船がガガイモの莢で作った『天之蘿摩船』だったんだとか

ガガイモ船を調べていて出逢った吉野裕子先生の本『蛇』が少彦名さんについて興味深いお情報を詳しく教えてくださっている

この世でワタクシがいちばん恐れているお存在である蛇の名を持つ書物へ手を伸ばすことになるほどに草は楽しくて興味深い

『恐』と『驚』という感情は五臓の『腎』と関係していて五行配当表の『水』の行にいらっしゃる

水の行

使用上の注意にそこそこの體力を要求する葛根湯が飲めないくらいに虚弱で體力が少なくて動きの鈍いワタクシを絶叫と猛ダッシュに追い込む唯一のお存在がお蛇さんである

『恐』と『驚』によってダメージを受けるのが【腎】で腰が抜けたりおしっこ漏れたり一夜にして白髪になったりなどのダメージを受ける様子はマンガやアニメや映画 ドラマで見かけた事もあるはずであろう

どうやらこの世界には夏になるとお金を払ってお腎さんにダメージを与えるイベントや施設までも存在するらしい

ああ裏飯屋

腎の担当とかお役割とかお仕事はいつぞやの絵で

精を蔵する五臓の兵士お腎さん
心が君主 肺が宰相
肝が将軍 脾は大蔵相
腎氣が動作にチカラを与えて動きを活発にしてくれる

お腎さんは遺伝から発育 成長して生殖を経て老化し死するまでずっとエネルギーである氣を貯蔵するストッカーであり 體の中のお水を排水するか再利用するかの権限を有していらっしゃるのもお腎さんである

お腎さんは恐れとか驚きの他に冬の寒さでもダメージを受け易いらしい
お蛇さんのお姿はどうしてもワタクシの腎から微々たる生命力をごっそりと奪い取る

少彦名さまの乗り物ガガイモさんに話を戻す
蘿摩船は“かがみぶね”と読むらしい
"かがみ"の部分は古事記と日本書紀で漢字が異なっていて古事記では『蘿摩』つまりガガイモになるらしい 

ガガイモさんはWikipediaさんによるとキョウチクトウ科ガガイモ属のつる性多年草で種子や葉を薬用にして若い芽を食用にする事も出来るらしい
キョウチクトウ科?

ガガイモのお花

ここからはダダダと吉野裕子先生の『蛇』の少彦名さま章のお説明を拝借する

「ガガイモ(蘿藦)植物分類─ガガイモ科ガガイモ属山野の日当りにはえるつる性の多年草で、長い根茎がある。葉は対生し、卵状心形で、茎や葉を切ると白い乳液がでる。……漢方では種子を蘿藦といって止血に用い、葉を強精薬にする。」(『園芸大百科事典』講談社刊)

—『蛇 (講談社学術文庫)』吉野裕子著
https://a.co/aKnWmCl

ガガイモ科?

「古事記』の羅摩は、葉茎を切れば白い汁を出し、「乳草」とも呼ばれる植物であるが、この事実は、さらによく、「精虫の神霊化としての少彦名神」の推理の裏づけをなすと思うのである。」

—『蛇 (講談社学術文庫)』吉野裕子著
https://a.co/dfXapoZ

この吉野裕子先生の本を読んでから先ほどの淡嶋神社の少彦名さまを拝見すると少彦名さまの像の前の鎮座する男性器オブジェに"なるほど"となる

ガガイモさんの葉が強精薬で精を蔵すお腎さんの味方となって生殖 遺伝のサポートをしてくれる

古事記の『蘿摩』も日本書紀の『白蘞』も共に蔓性の植物であるらしい

「要するに、「カガミ」といわれる植物間に存在する絶対の共通点は、「蔓植物」ということである。「カガミ」という名称は、つまり長く這う地下茎とか、他のものにまつわりつく蔓をもった植物に冠せられる名称なのである。」

....…

「カガミ」を考える上で参考になる語に、「カガチ」がある。『和名抄』によれば、「ヤマカガチ」は大蛇の意であるという。    
カガチ    
カガミ
「チ」は「ミズチ」(水蛇)、「オロチ」(大蛇)などというように、蛇・虫類を指し、また霊力を表わす語ともされる。「ミ」は「身」であって、「カガミ」とは「蛇身」の意ではなかろうか。  そこで、日本神話やその他の古典に出てくる「カガチ」と「カガミ」を整理すれば、
○「カガチ」は蛇そのものを指し、またホウヅキの異称  
○「カガミ」は蛇身を連想させる蔓植物の名称ということになる。」

—『蛇 (講談社学術文庫)』吉野裕子著https://a.co/dfXapoZ

カガミもカガチも蛇さんに繋がっていらっしゃるらしい

生命を含む全てが存在する日の出る方から登場する極めて小さい姿の少彦名さまが生命の種を貯えている象徴として精液を神格化したお存在である考えられるらしい

少彦名さまがオオクニヌシさんに宿ったエピソードは古事記の中に幾つも匂わせ散りばめられていて少彦名さまがお帰りになる頃にすっかり腎精の衰えたオオクニヌシさんの人生ははがっくりと覇氣を失ってしまったんだとか


久延毘古さんとカカシと蛇

古事記の中でガガイモ船に乗って突如登場した少彦名さまのお存在はひたすら謎である
物知りな久延毘古さんなら未だ謎に包まれた小さなお存在さんの正体を知っているとヒキガエルさんが紹介したその久延毘古さんは 案山子として田んぼを御守りしてくださっている物知りな智慧の神様である

たまにもんぺがぶら下がっていらっしゃるお姿を拝見するが蓑笠を着て箒や熊手を持つ案山子さんには脚がない

お蛇さんであるアオダイショウ ヤマカカシは稲穂を狙う鼠を捕まえてくれる絶賛稲作シーズン中の田んぼでは悪役を成敗してくれる大ヒーローとなる


久延毘古さんもまたその本質をお蛇さんとして田の神さまとなっていらっしゃる模様

カカシは漢字で“案山子”山を案ずるもので山をおもうものつまり山から来たものと捉えるとお蛇さんは山の神様と捉えることが出来るらしい

説明は吉野裕子先生の『山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰』にて案山子の"笠"の解説がなされている

「笠の原意は「カサ」。このカサとは、ものの一番外側、乾燥した表皮等を意味するから、祖神の脱皮を擬く上に至上の物実となる。当然、笠に求められるのは破れていることで、蛇は頭部から脱皮していくから頭にかぶる破れ笠は脱皮開始を意味し、必然的に新生呪術における最高の呪物となる。」

—『山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰 (講談社学術文庫)』吉野裕子著

笠はお蛇さんが生きるうえで避けて通れない成長である脱皮を象徴しているようである 


オオヤマツミファミリーと蛇

山の神様?

山の神様である大山津見神をお祀りしていらっしゃる八重垣神社さんの末社である山神神社さん周辺に巨大な男性シンボルが佇む理由もヤマカカシさんを山の神であるとすると これまでのお蛇さんと男性器の関連からなるほどとなりそうである

山神神社さんは山・農耕の守護神で夫婦和合を始め 安産・授児子宝及び下半身の病に靈験あらたかであるとされているんだとか

“ミ”を先ほどのカガミの法則を発動させて解釈すると蛇身であり ねーうしとらうーたつみーの巳でお蛇さんであると考えると オオヤマツミさまのお名前から大山のお蛇さんである事が伺い知ることができるらしい


とするとオオヤマツミさんの娘さんである木花咲耶姫さんと磐長姫さんのお存在とは?

ああ イワ ナーガ ヒメ 
やはりお蛇さんでいらっしゃる?

同じくオオヤマツミさまのお子さんでスサノヲさんの妻となる櫛名田比売さまの親御さんである足名椎さん 手名椎さんも先ほどの大蛇であるオロチや水蛇であるミズチの“チ”の法則から 足の無いお蛇さんと手の無いお蛇さんであるとその正体を知ることが出来るらしい

となるとその娘さんであるクシナダ姫さまももちろんお蛇さんで奇稲田姫と記されるように稲のある田んぼの神様である案山子 つまり田を荒す天敵を退治してくださるスーパーヒーローのヤマカカシとして稲田の守護神となっているようである

更にスサノヲさんの別の奥さまである神大市比売さまは年穀の神である大年神さまと同じく穀物の神様で伏見稲荷大社のお稲荷さんとして親しまれている主祭神 倉稲魂神(ウカノミタマノカミ)さまを産んでいらっしゃる

ウカは南方の祖語であるウラの転訛でウラはお蛇さんを表しているらしい

田んぼとカカシとお蛇さんの密な関係が色んな神さまのお存在から記されていたようである

少彦名さまと腎精

お蛇さんの例えと連想はホオズキからもなされてお蛇さんの頭はホオズキの実に 古事記の中では大蛇の目の赤さをもホオズキの色となっているんだとか

大蛇を古語で"ハハ"とか"ホホ"転じて“ホウ”となり箒がホウキに伯耆国がホウキノクニになり ホウヅキの"ツキ"が格好や姿や様子を表すからお蛇さんの頭の形をしたホオズキと考えられるらしい

少彦名さまは伯耆国の一宮である倭文神社さんの御祭神さんの一柱である

ははーん

ネズミさんと共にお蛇さんの食糧となるのがカエルさんであるらしいから淡嶋神社の写真の少彦名さまの周囲がカエルさんだらけなのもなるほどである

淡嶋神社 遷使殿は少彦名さまのお使いである
カエルさんがずらっと並んでいらっしゃる

医薬の神様である少彦名さまはクスリ道を通って参拝する大和国一の宮 大神神社の境内社である狭井神社さんの手前にムンムンと荘厳オーラを纏ってまつられている


大物主さんの荒御魂をお祀りする狭井神社さんの拝殿の傍には万病に効くという薬水が湧き出る井戸『薬井戸』から御神水を頂ける

そして狭井神社さんの向かい側?に久延彦神社 さん

オオモノヌシさんと腎精


クニヅクリを共にしていた少彦名さまを失った衝撃により腎精をガッポリ失って人生意氣消沈中のこれからどうやってクニヅクリすれば良いのやら状態のオオクニヌシさんの元に輝ける希望の光として登場するのが大神神社の御祭神オオモノヌシさんである


ガックリしているオオクニヌシさんの元に海の向こうから光り輝く神が現れて 我を倭の青垣の東の山の上に奉れば国造りはうまく行くと告げられる
オオクニヌシさんはこのピカピカな神さまを三輪山に祀ることで国造りを終えたんだとか


オオモノヌシさんと云えば生殖エピソードやお蛇さんエピソード故に腎精と生殖を担当するお腎さんと密接なエピソード満載である

赤い丹塗り矢に姿を変えて勢夜陀多良比売が用を足しに来る頃を見計らって川の上流からサラサラと流れて行き 彼女の下を流れていくタイミングを見計らってほと(陰所)を突いて子づくりしたり

百襲姫さまの元に夜ごと訪ねてくるも顔を見せてくれない男が実は黒ヘビさんで正体を知って驚いた百襲姫さまが尻もちをついたところ運悪く 置いてあった箸が陰部に刺さって命を落としてしまったと云うエピソードがあったり

活玉依毘売さまのもとに夜毎に麗しい男が夜這いに来てすんなり身篭るも 不審に思った父母が問いつめると活玉依毘売は名前も知らない男であると衝撃的な告白をした結果 正体を知るべく父母は糸巻きに巻いた麻糸を針に通して その針を男の衣の裾に通すよう仕向けたところ 翌朝 針につけた糸が戸の鍵穴から抜け出てそのまま三輪山の社まで続いていたり

因みに糸巻きには糸が3回りだけ残っていたことから"三輪"と呼ばれるようになったんだとか

大神神社さんの拝殿前に建っていらっしゃる樹齢500年とも言われる巳の神杉は三輪の大物主大神の化身の白蛇が棲むことから名付けられたご神木であるんだとか

腎氣腎精の神様?


因みに淡嶋神社さんの少彦名さまのお写真には写っていないけれど少彦名さまの前の男性器オブジェの横には女性器オブジェが置かれている
少彦名さまが御祭神である淡嶋神社さんは女性の病気回復や安産・子授けにご利益があるとされている

更に境内を奥に進んだところに末社さんがありご祭神と八百万の神をまつられていて安産 子請授 婦人病等 女性の願いが叶うところとされているらしい
末社さんの建物の中には腕の長さくらいの木製の男性シンボルが所狭しと置かれていて更に木枠に“下着奉納はこちらの木の扉を開けて中に入れてください”と案内がされている

末社さんの中にぎっしり並んでいる男性シンボルに向けて下着を奉納するシステムらしい

衝撃を受けた免許奉納と云うワードをあっさり超える“下着奉納”と云う参拝方法は奉納後に授預所にてお守りやお札と共に並ぶご祈祷済みの新品のおパンツを授かることが出来るようである


お蛇さんが信仰された理由

「原始民族によって蛇が祖霊・祖先神として信仰された理由は数多くあるが、そのもっとも根源的、かつ基本的要因は、次の三点に帰せられる。(1)外形が男根相似     
(2)脱皮による生命の更新     
(3)一撃にして敵を倒す毒の強さ  
このような蛇の生態にみられる三つの特徴を敷衍すれば、次のようにも表現することができる。つまり、
(1)生命の源としての種の保持者     
(2)永遠の生命体     
(3)無敵の強さ」
蛇の特質はこのように要約されるが、それらに対する尊崇が、ついに蛇を祖霊にまで崇めていった要因と推測される。

—『山の神 易・五行と日本の原始蛇信仰 (講談社学術文庫)』吉野裕子著
https://a.co/b6QEYPz



山芋と蛇と補腎

更に吉野裕子先生は蔓植物で根が肥大して毎年新しいものと交代して生長していく『ながいも』さんの様子と脱皮しながら成長して行くお蛇さんとのご縁も紹介してくださっている


補腎食材さんたち

ヤマイモといえばお腎さんの救世主である
"ヤマイモ"とは長芋さんとか大和芋さんとか自然薯さんとかヤマノイモ属の植物さんの総称で山薬と云う生薬名を持ち 冒頭の3バイブル『神農本草経』に登場した三品分類だと上品となり 毎日コツコツと食べ続けて生命力をアップして老化防止に勤しんでくれる養命薬として活躍してくださっている

山のウナギと呼ばれる程に精をつけてくださるのでお腎さんのへっぽこなワタクシのような虚弱さんには最高の薬である


お腎さんのダメージはおおよそ老化現象として登場する

腎のダメージのサインはジングルベル
腎のトラブルはぐるぐるめまいや
リンリンする耳鳴りでサインをくれる

お蛇さんに遭遇して『恐れ』と『驚き』からお腎さんがズタボロに傷ついたとして その傷ついたお腎さんの救世主である少彦名さまみヤマイモさんも傷つけた張本人であるお蛇さんと深い関連があるとは因縁ぐるぐる無限ループである

 少彦名さまにただひたすら憧れだけを抱いていた数時間前の無知なワタクシよ さようなら

ヤジロベエ的なバランスで中庸を意識する漢方目線から少彦名さまを見つめなければ 今頃大好きと大嫌いによってあっけなく感情をズタズタと引き裂かれていた事であろう

漢方フィルター越しに観る古事記さんは抜群の養生の智慧の書なのかもしれない


ただの神農さんご挨拶日記の予定が腎精へ繋がっているとは人生まさかの連続である

ハハ ハハ
カカ カカ

房事のルール

腎がダメージを受ける要因のひとつに『房事過多』つまり過剰な性生活も挙げられるらしい

性生活は種の保存の為の大事な本能であるが抑制しすぎも氣のむくままに過剰にななのもヨロシくないらしい

腎氣腎精人それぞれな人生に於いて"過剰"とはどれくらいの頻度なのか

ミスター養生君である江戸時代のベストセラー作家 貝原益軒大先生の養生訓によると 先ず房事をしない方がいい日が幾つもあるらしい

虚弱ながらも養生のお陰で80代まで長生きなさった
貝原益軒大先生

「日蝕・月蝕・雷電・大風・大雨・大暑・大寒・虹・地震、この時房事をしない。」

—『養生訓 (中公文庫)』貝原益軒著
https://a.co/2zT2KVx

房事が陽氣を消耗させるのだからおおよそ陰が活発な日が多めである

體調の優れない日やバチの当たりそうなところなどなどの禁止のあとに書かれているのが冬の間の禁止である

「冬至の前五日、冬至のあと十日、静養して精気を泄らしてはならぬ。」

—『養生訓 (中公文庫)』貝原益軒著
https://a.co/fYLhd6y

1年で最も陰の極まる冬至の前後は生命エネルギーである精氣をとにかく守り抜く必要があるらしい

冬至の過ごし方の頁にも注意するよう呼びかけているうえに冬至の日は外出すらも公の用事で無ければ控えるように呼びかけていらっしゃる

氣になる頻度の方は中国 唐の時代の医者である孫思邈さんの『千金方』を引用して解説してくださっている

「男女の交接の周期は、孫思邈が『千金方』に書いている。「人、年二十の者は四日に一たび泄らす。三十の者は八日に一たび泄らす。四十の者は十六日に一たび泄らす。五十の者は二十日に一たび泄らす。六十の者は精をとじて泄らさず。もし体力さかんならば、一ト月に一たび泄らす。気力すぐれて盛んなる人、欲念をおさえこらえて久しく泄らさざれば、腫物を生ず。六十を過ぎて欲念おこらずば、とじて泄らすべからず。わかくさかんなる人も、もし能く忍んで、一ト月に二度泄らして、欲念おこらずば長生なるべし」と。いま考えてみるのに『千金方』にいっているのは、一般の人に通用する大体の法則である。もし生まれつき虚弱な人や、食の少なくて力の弱い人は、この周期にかかわらず、精気を惜しんで交接を少なくするのがよい。色欲のほうに心をとられると、悪いことはくせになってやまない。法則を無視した態度は恥じなければならぬ。しまいには身を失うにいたる。慎まねばならぬ。『千金方』に二十歳以前のことをいっていないのは意味のあることであろう。二十歳以前は、血気が発生して、まだかたまっていないから、この時にしばしば泄らすと発生した気をそこねて、一生の根本が弱くなる。」

—『養生訓 (中公文庫)』貝原益軒著
https://a.co/9kIG5TQ

孫思邈さんが『千金方』を完成させたのが650年代で貝原益軒大先生が『養生訓』を完成させたのが1713年であるらしい

そもそも孫思邈時代と貝原益軒時代そして現代と随分と食生活も體のサイズも違うであることは大前提であるとした頻度のおおよその目安の法則である

20代は4日に1回
30代は8日に1回
40代は16日に1回
50代は20日に1回
60代になると精を無駄遣いしない方が良いが體力が有るならば月に1回
20歳までは慎んだ方が良い

そして虚弱さんや食が細くて弱い場合にはより精氣を惜しむ方がいいらしい

更に『千金方』の中の房中補益(房中に役立つこと)も紹介 解説してくださっている

『千金方』には事細かく書かれているらしいがおおよそ血氣がしだいに衰える40代以降の精氣を泄らさず交接するようにすれば元氣が減らず血氣が巡って補益になると云う内容であるらしい


腎精色々なので自身の兵士であるお腎さんとよく相談しながら性行為によって消耗するとされている精氣と加齢によって華麗に下降曲線を描く精氣消耗グラフを急転直下させないようお付き合いをしていければ良さそうである

體の変化は女性とされる體を持つならば7の倍数で男性とされる體を持つならば8の倍数で変化して行く事を頭の片隅に置いて生活しようと試みるが逃げ足の早い数字はいつの間にか頭の中から抜け出している


薄毛の原因と何首烏



腎の衰えによって現れるサインのひとつ『抜け毛』のイメージを描いてみた

『若杉ばあちゃんの食用相談室喰い改めのススメ』にて
説明されている薄毛の原因

絶賛拝読中の梶ようこ先生による生薬園な連作時代小説『柿のへた』の中の“何首烏”の章でのエピソードが薄毛を知るのにとてもわかりやすい

肉食をいち早く取り入れていた背の高い二枚目な若い蘭方医が実は禿頭であるとバレてしまった後の主人公草介さんと二枚目な蘭方医である河島さんとの素敵な会話の引用である

「これはまあ、薬食というにはお粗末ですが、何首烏という生薬と米を炊いた粥です」
「……たしか何首烏はツルドクダミの塊根だと記憶しておりますが」
 河島がいった。
「ドクダミと名に付いていても、種は違います。もともとは清国の植物で、この塊根を食べた何という人物の髪は歳を取ってもふさふさで烏のように黒かったという伝説が名の由来になっています。御役屋敷の屋根にいた烏を見て思い出したんです」」

………

「ま、漢方では、腎が髪に影響するそうです。腎は心に屈託を抱えていると、てきめんに弱るのだそうですよ。この何首烏は腎の働きにも作用する生薬です」  
河島がはっとして身を乗り出して来た。
「では、これを食っていれば髪が生えるのですね。どのくらい食せばよいのでしょうか」
「うーん、それはわかりません」  
草介はぽりぽりと額を搔く。
「早急に為そうとすれば、無理もしますし、苛立ちもつのります。急ぎ足ばかりでは息も切れる。その点、草木は正直ですよ。土と水とお陽様が、ほどよくなければ花を咲かせてくれません。なにごとも過ぎてはいけないし、足りないのもいけない。ゆっくり、ゆったり、いい塩梅ってことですね」」

—『柿のへた 御薬園同心 水上草介 御薬園同心水上草介シリーズ (集英社文庫)』梶よう子著


薄毛や抜け毛は原因不明とか遺伝だからと諦める必要がないらしい

穀物や野菜や海藻や野草を意識した一汁一菜の食事をよくよく噛むよう意識する機会を少しずつ増やして行くことが出来ればお腎さんも消耗ばかりの食生活に拗ねて手放そうとしていた髪をガッツリ毛根から握り直してくれると期待したい

不老長寿のための滋養強壮剤の生薬とされている『何首烏』だってお腎さんの味方となってくれるのだ

ハコベご飯
野草のお味噌汁
昆布
大根のぬか漬け


補腎ブラック食材

冬の寒さで傷つきやすいナイーブなお腎さんを労わってくれるのはざっくりと補腎ブラックお食材と覚えておく

【黒豆】【黒胡麻】【黒キクラゲ】【黒米】【牡蠣】【海藻】とか

昨年描いておいた補腎ブラック食材の絵
黒胡麻
黒キクラゲ

個人的にはお砂糖をどうにも腸が拒絶するうえに湿を招待し易いので黒砂糖は卒業である

さとうきび畑に流れるザワワ音と冬の足音の早い甜菜糖のビート畑の景色から想い出のなかで甘い汁を吸えば良い

【ナッツ類】【ベリー類】【貝類】も補いブラック食材

胡桃
五性は温 五味は甘 帰経は腎肺
老化防止 腰痛 下半身の冷え 耳鳴り 頻尿
便秘の改善 せき
海のミルク牡蠣
五性は平 五味は甘 鹹 帰経は心 肝 腎
精神安定 不眠症 疲労回復 動悸 男性不妊
今年も輝く冬イチゴさん


そしてそして

ヤマイモ

お腎さんをざっくり一括りで語ってきたけれど2つのパワーに分けられる

體を温めて水分を代謝させる『腎陽』
體に潤いをチャージする『腎陰』
この2つのはカマドの火と釜の水のような感じで
ほどほどにバランスが取れているのが理想的なんだとか

温めるチカラ腎陽が不足する『腎陽虚』となると
冷えやむくみが登場して潤い機能腎陰が不足すると『腎陰虚』となりのぼせや火照りイライラなどが登場する

ヤマイモさんはこの腎陽にも腎陰にも手を差し伸べてくれるお腎さんの救世主で養命薬なので色んな姿に変身して毎日続けてコツコツと食卓へ歓迎することが可能なのである


とろろご飯
とろろそば
とろろの蒲焼
とろろの磯辺揚げ

ステーキも良いしハッシュドポテトも良いしコロッケでも楽しめるヤマイモさんの柔軟性もまた魅力的である

むかごさん

ヤマイモのムカゴさんはヌカゴが転じてムカゴとなるとするとお蛇さんであるヤマイモの子であるムカゴもまたお蛇さんであると考えられるらしい

ムカゴ

色からしてお腎さんが喜んでくれそうな黒を誇るはプーアル茶さんである

プーアル茶
コンパクトな茶葉

極陰性食材と虚弱

ここからは視点をひっくり返して若杉ばあちゃんの本『長生きしたけりゃ肉は食べるな』を参考に虚弱さんに陥るために不可欠な食事や食材を深掘りしてみる

お肉さんを頑なに受け入れまいと拒絶の姿勢を貫き続けているワタクシのひ弱な消化器には嬉しすぎるタイトルである

「アルカリ性で極陰性の食べ物は、血は汚しませんが、血液の濃度を薄くすることは前述のとおりです。そのため、強度の貧血が発生して自然治癒力が低下し、精神的に不安定になりやすくなります。また、睡眠時間が長くなりがちで、スタミナがなく、倦怠感があって動作も鈍くなってしまいます。  その結果、虚弱体質、内臓下垂、ヘルニア、アレルギー、生理痛、生理不順、無月経、不妊症、更年期障害、男性は無精子症やインポテンツになります。  食べ物としては、酢、ワラビ、ゼンマイ、コーヒー、ナス、ピーマン、トマト、ジャガイモ、豆腐、納豆などが当てはまります。  一方、酸性で極陰性の食べ物は、血をひどく汚し、血液の流れを悪くします。そのため、ガン、動脈硬化、高血圧になったり、心筋梗塞、脳内出血を起こしやすくなります。また、自然治癒力が低下し、精神的に不安定になりやすくなるほか、スタミナもなく、思考力や判断力の低下、もの忘れなどもみられます。  その結果、前立腺肥大や心臓肥大、甲状腺肥大などの陰性の病氣にかかりやすくなります。ほか、うつや偏頭痛になったり、失禁や尿もれ、流産やおりものなどが下垂する可能性が高くなったりするのです。食べ物としては、砂糖、人工甘味料、甘いお菓子、アルコール、果物、牛乳、生野菜、生ジュースなどが当てはまります。  このようにアルカリ性であれ、酸性であれ、極陰性の食べ物は身体にこれだけの病を発生させてしまいます。怖いやろう――。  病氣のおおもとは、血の汚れによる体質の悪化です。だから病氣は不自然な現象なのです。食べることには大切な真髄があります。一日早く実行すれば、得をし、一日遅いと損をする食事が食養なのです。」

—『長生きしたけりゃ肉は食べるな』若杉友子著
https://a.co/8XbKvgm

血の濃度を薄くして強度の貧血を創り出し自然治癒力を低下させて精神的を不安定にするのはアルカリ性の極陰性食材さん

長時間睡眠 スタミナ不足 倦怠感 動きの鈍さの演出はその担当者を知っている氣がするので呼び出してみる

キキョさん
スタミナ不足 倦怠感 動きの鈍さ
自然治癒力の低下
ケッキョさん
貧血 精神不安定

生命活動の最も基本となるエネルギーである氣を奪うのが得意なキキョさん

全身に栄養と潤いを与え精神活動の基礎物質として活躍する血(ケツ)を奪うのが得意なケッキョさん

この御二方を喜ばせてしまいやすい食材が並んでいるが そもそも どのお食材も摂り方が摂り過多になってしまった場合や體が求めていない不自然なタイミングでお仕事を強制してしまうパターンであろう

本来自然の収穫時期や分布地域の氣候に則って摂れば最大限発揮して頂けるであろう威力を逆方向に活躍させてしまって毒のような働きをさせてしまっているのでお食材さんが悪さをしている訳では無さそうなものばかりである

『酢』『わらび』『ゼンマイ』『コーヒー』『ナス』『ピーマン』『トマト』『ジャガイモ』『豆腐』『納豆』

そもそも元氣を奪うのが得意なキキョさんに愛されている體は陰に偏っている可能性が殆どであるから ジメジメしてたり冷やすのが得意なお食材を陰の季節に活躍させてしまうと陰活をとことん推進してしまう

陰の季節
陰のイメージ

『ナス』『トマト』『ジャガイモ』『ピーマン』『パプリカ』『唐辛子』あたりがナス科のお野菜である

ここで少し西村佑子先生の本『魔女の薬箱』でナス科という単語を知る

ナス科のお野菜に冷やし上手さんが多い理由は“ナス科”というお名前を他の言語にしてみるとしっくりくるらしい

ナス科はドイツ語でnachtschatten 英語でnightshade どちらも“夜の陰”と云う意味があるらしい 夜も陰陽で陰に属しているので陰×陰で陰が倍になっているのだからその威力もまた相当なお食材であると想像できよう

自然の中でナス科野菜がキラキラ輝いて実る夏に體が冷房などの冷えに入り込まれていなければ ナス科のお野菜は余分な熱をブンブン追い払い潤いを届け大活躍してくれる救世主になってくれるはずである

冷蔵庫でキンキンの夏野菜は強力過ぎるから塩揉み加熱やぬか漬け等に陽氣な協力をして貰って穏やかに陰のお仕事を全うして貰うと體にかかる負担が少なくて済むであろう

ナス科の自然が夏と初秋くらいだとすると 土地にもよるが晩秋と冬と春の日本の風土にはおおよそ不自然であることが多いはずである

『虚弱體質』『内臓下垂』『ヘルニア』『アレルギー』『生理痛』『月経不順』『無月経』『不妊症』『無精子症』『インポテンツ』

症状の中のあれもこれもお腎さんが傷つくことで生まれるトラブルが含まれている

アルカリ性の極陰性のお食材の不自然時期と摂り方の摂り過多が五臓の兵士であるお腎さんを傷つけるべく暗躍させないようお付き合いしていきたい

若杉ばあちゃんはナス科の野菜と不妊のお話を別の章でも具体的に紹介してくださっている


対して血を酷く汚して血液の流れを悪くする ガン 動脈硬化 高血圧 心筋梗塞 脳内出血を起こすのが得意なのは酸性の極陰性のお食材や食品であるらしい
血の流れを悪くするのが趣味のお存在さんも存じ上げているので呼び出してみる

ドロドロ血作家のオケツさん

『砂糖』『人工甘味料』『甘いお菓子』『アルコール』『果物』『牛乳』『生野菜』『生ジュース』

これらのお食材さんはドロドロ血作家のオケツさんを大いに喜ばせているんだとか

この酸性の極陰性食材さんは幅広く影響力を拡大していらっしゃるもよう

『ガン』『心筋梗塞』『動脈硬化』『高血圧』『脳内出血』『前立腺肥大』『心臓肥大』『甲状腺肥大』『自然治癒力低下』『精神不安』『スタミナ切れ』『思考力低下』『判断力低下』
『物忘れ』『うつ』『偏頭痛』『失禁』『尿漏れ』『流産』『おりもの』

血液の流れを悪くする
物忘れ 集中力低下 思考力低下 判断力低下 精神不安
自然治癒力低下 スタミナ切れ 尿漏れ 失禁 おりもの下垂
肥大 流産

酸性の極陰性食材を歓迎するオケツさんがキキョさんともケッキョさんとも結託した症状を創り出して 流産などなどでお腎さん担当の生殖にちょっかいを出しているようである

お腎さんは泌尿器系も担当していらっしゃるから尿漏れ 失禁 などはお腎さんからのSOSサインとしては充分であろう

徳川家康


この『長生きしたけりゃ肉は食べるな』の第6章 "食事を見直せば赤ちゃんは授かる" のところにて真偽の程は定かではないとされつつも紹介されている家康さんのエピソードが力強い

16人の子どもがいたとされる徳川家康さんは3億5,000匹もの精子を持っていたとの伝説である

このあと 若杉ばあちゃんは家康さんの質素で腹八分目の食生活を紹介してくださっている

徳川家康さんと言えば本草綱目を愛読書としていたであろう健康探究家

『本草綱目』は約1,900種類もの動物薬 植物薬 鉱物薬の名称・産地・形態・薬効・処方例などを記した歴代本草学の集大成本

現代に家康さまがタイムスリップしたら『薬屋のひとりごと』が愛読書であったかもしれないと以前の妄想を思い出しつつ徳川家と漢方のお付き合いを振り返る

時は蘭方が入ってくる前の時代である
予防医学を主とする中国医学の最先端の知識を明へと留学し習得した田代三喜が日本へ持ち込み その後を継いだ曲直瀬道三が室町時代や戦国時代に整理して普及させる

曲直瀬家はそこから御典医として徳川家の将軍さまお抱えのお医者さんになったんだとか

曲直瀬道三さんの普及させた流派は陰陽五行説を駆使した経験処方をするもので後世方派と呼ばれる学派であるらしい

歴史に疎いワタクシの頭にうかぶ家康さまのヴィジュアルイメージは“おじいちゃん”である

戦はあれどもおじいちゃんであると認識出来る程の年齢までに16人もの子をもうけて生きながらえることが出来たという事実が腎精を無駄にせず上手に養生していた何よりの証拠で それ故の精子の数のエピソードなのであろう



人生の腎精グラフと実感が乖離している筋金入りの虚弱であるワタクシの體はこの補腎ブラック食材さんだけでお腎さんのへっぽこっぷりを補うのは難しいらしい


漢方薬さんにお世話になろうと意を決するも“體力中程度以下”と歩み寄ってくれている杞菊妙見丸さんにさえも胃には強すぎると後退り氣味である

体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりや口渇があるものの次の諸症:かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下

杞菊妙見丸

冬の過ごしかた



薬にお世話になる以前に寒さによって腎がダメージを受けやすい冬の暮らしを養生する

冬とは二十四節氣における立冬から立春までの極寒の3ヶ月 立冬 小雪 大雪 小寒 大寒 のことであるらしい

冬の3か月は閉蔵であるらしい
閉蔵は冬眠のイメージで寒さを避けるために冬籠りして陽氣を潜めることなんだとか
水はカチコチ凍り地はバリバリ裂けるような寒さから身を守るよう早く寝て必ず日光を待ってから起きるよう心掛け暖かくしつつ陽氣の発散を抑えめにしつつ暮らすと良いらしい

この控えめぬくぬく冬眠生活の法則に逆らうと腎氣が損なわれて氣力も體力も充電されないまま春を迎えてしまう事態に陥ることになって 次のウキウキシーズンである春をなんだか冷えに足を引っ張られた状態でどうにもこうにも元氣も出ないまま迎える事になりがちなんだとか

冬の太陽さんものんびり出て来たと思えばそそくさと急いで西へ消えて行くので自然界に届く陽氣も当然少ない 季節で文明の力によって冬を捉えそびれてうっかりこれまでの発散シーズンと同じ暮らしを継続しないよう春を夢見て布団と仲良く暮らすと良さそうである

先ほどの補腎ブラック食材に加えて黒いと云う意味を持つ玄のついたお米 玄米や 陰である大地に真っ直ぐ伸びるチカラを持つ根菜さんも美味く働いてくれる季節であろう

そして春を待つこの季節に地球さんが自然の中に用意してくれている野草さんも

金時ニンジン
ゴボウの海苔和え
ハマダイコン
金時ニンジンとハマダイコンと昆布とツワブキのお花
カラフルどんぶり
キク科のツワブキ
お花は天ぷらでいただけるらしい
タンポポは健胃と利尿に
春の七草 ハコベもクセのない万能野草
ハマダイコンとカラスノエンドウ
ハマダイコンの葉は緑黄色野草
お味噌汁にも混ぜご飯にも炒め物にも
カラカラに干して腰湯をすれば
冷えを追い出すお手伝いまでしてくれる



随分とお腎さんに夢中になってしまったが一応 神農さん参拝と大阪日記の途中である

少彦名さまと神農さんに御礼のご挨拶をして無性に食べたかったお野菜ピビンバを頂いて いつかお野草ピビンバを作ってみようとホクホク妄想しながら

せっかく大阪まで来たし寅の日だからと一氣に寒くなってストック切れのお灸を入手すべくウキウキしながらせんねん灸さんのショールームへ赴く

どうやらちょうどキャンペーン中でいらっしゃるようでひと冬越せちゃいそうな程の特典をたんまり頂いてホクホクしながら野草に出逢えそうな海と山の楽園へと逆戻りする

お灸

色んなタイプのお灸さん
上半身が陽で下半身が陰
背中が陽でお腹が陰
腎を破るべく襲いかかる寒を追払って貰う

狙うツボは三陰交とか湧泉とか

新嘗祭

さあさあ翌日の新嘗祭
うっかりフライングして新米を口にしてしまったけれど 喰いっぱぐれなく一年間美味しいご飯を今まで上手く消化出来なかった玄米までモリモリ食べられるようになった御礼をお神社さんにお伝えする


田の神さまに感謝

體を温めるのが上手な玄米が美味しい季節到来である

陽性の籾付黒煎玄米

虎と狼な神農祭の日にワタクシが偶然見上げた山でゴソゴソしていたのはタヌキさんで その愛らしいポテっとした姿に見惚れていると フゴフゴ鼻息が聴こえてタヌキさんよりも丸々としたイノシシさんが抜群の脚力で落ち葉をバリバリに奏でながら山の斜面をドタドタ駆け上がって行った 

皆冬支度に忙しい時季であろう

因みに 倭建命が山の神を取り押さえに入った薬草の宝庫でお灸のふるさとである伊吹山で山の神が変化していたのが日本書紀では大蛇 古事記では白猪であり イノシシもまた山の神さまとして崇められていたようである


新嘗祭のお祝いに向かうために降りた駅名は笠田 お蛇さんが順調に成長していらっしゃる脱皮を表す笠とそのお蛇さんに守られている田の関係知った今ご縁を頂いた地名が新嘗祭をお祝いするにはモッテコイであったと氣づいてニヤニヤしながら思い返している


すっかり最後になってしまったが 虚弱なワタクシには憧れの漢方薬 ゾクゾクカゼの救世主である葛根湯を今年も思い出しておこう

桂枝湯と葛根湯

葛根湯を知るにはまずざっくりとでも桂枝湯を知っておいた方が良いらしい

ツムラさんの桂枝湯の説明によると

主にかぜの初期に用いられる漢方薬ですが「葛根湯(かっこんとう)」と違い、体力がなかったり、胃腸が弱かったり、あるいは日頃から疲れやすくかぜをひきやすいなど、病気を体の外へ追い出す力が弱い「虚証」の人や高齢者に向く薬です。
頭痛、寒気、発熱(主に微熱)、のぼせ、軽いうなじのこわばりや体の痛みなどの症状があり、皮膚が自然に汗ばむときに用いられます。
「虚証」の人は体温が上がらないで自然に汗をかき、熱があっても顔色が悪いことがあります。

こんな感じ
體力のない時や子どもや高齢者や虚弱さんなどのカゼや風邪予防に働きかけてくださるのが桂枝湯さんである

防波堤的漢方薬【桂枝湯】さん

ちょうどダンボールにガムテープで二重の封をするように體の内側から『芍薬』と『大棗』で 外側から『桂枝』と『生姜』で封をしつつその封が上手くいっているかどうかを『甘草』が監視までしてくれると云う手厚いガードを施してくれている

この防波堤的漢方薬【桂枝湯】を葛根と麻黄で更に強化したものが【葛根湯】である

桂枝湯によって築かれた體の内外のバリアが出来たら ゾクゾクする寒さで肩がガチガチになってますよね?それを解しましょうと提案してくださる『葛根さん』でバリア出来たんなら體内の戦闘状態要らないですよね?と邪との戦闘を発散してくださるのが『麻黄さん』であるらしい

このいかにも強そうな音を持つ麻黄さんの発散力がめっぽう強いのでその発散力に耐え得る體力を持っていなければ働いていただく體さえも吹き飛ばされてしまいそうな勢いなのである

大魔王の宿る葛根湯が使えるかどうか購入時に薬剤師さんに相談するのが最も安心であるが 自分の體であるならば自分である程度分かっていると少しは安心出来るはずなのでここで少しキキョさんを呼びだしてみる

キキョさんお久しぶり

エネルギー不足を演出してくれるキキョさんが憑いている時に『汗のトラブル』が発生する

葛根湯を意識する程にゾクゾクしているカゼのスタートラインに立っているにもかかわらず汗が漏れ出てくるまでにキキョさんによって黄色い丸の中の氣の働きが妨害されて奪われている緊急事態である

邪に対する戦闘體力があって汗も出ていなければ発散大魔王の活躍を見込んで葛根湯へと直行できるが汗が漏れ出る程に體がヘロヘロならばバリア強化の桂枝湯に協力をお願いすることになる

桂枝湯路線が有力であるならばこれからの時期は常備薬にストックしておくと安心であろう

クズ
根の澱粉が葛根
蔓先は天ぷらにしたりお花は酢の物にしたり
食卓の味方までしてくれる器用野草さん
葛粉と胡麻によるごま豆腐
乾燥の時期の潤いチャージに
補腎の得意な黒胡麻がたっぷり頂ける
黒ごま豆腐


落語 葛根湯医者と笑いと祓い

葛根湯医者は医師免許の必要のなかった時代のお話で頭痛 腹痛 足痛 全ての患者さんに葛根湯を処方していった挙句 付き添いとして来ていた人にまでも葛根湯をすすめている様子を演じる落語の演目

葛根湯を万能薬として処方する笑い話であるがこの話によって笑うことによって體が温まり冷えを追い出すことが出来るので葛根湯医者は巡り巡って実は名医なのかもしれない

笑いは祓い

笑いは心拍数や血圧を上げて呼吸を活発にして酸素の消費量を増やし體温まであげて冷えまでも一掃してくれるのだからチマチマ冷え対策をしながら葛根湯医者に笑いを貰って冷えを追い払えれば健康を維持出来るのかもしれない


白く潤い
黒に精する


浮世絵と笑い絵としての春画と養生はまたいつか

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