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のっぺらぼう - Japanese story "Faceless Ghost (Noppera-bō)"

/WoKoERu

▼動画 - のっぺらぼう (むかしの こわいお話)

https://youtu.be/cqsbXLCtBaI?si=2O-uDuDzQABjhGEE





 
 
 
▼「のっぺらぼう」の話にはいくつかの異なる伝承がありますが、ここでは江戸時代から伝わる代表的な話を紹介します。



○のっぺらぼう

ある夜のこと。
一人の男が江戸の町を歩いていると、知り合いの女性が泣いているのを見つけました。
心配した男が「どうしたんだ？」と声をかけると、女性は顔を伏せたまますすり泣くだけでした。

「大丈夫か？」とさらに問いかけると、女性はゆっくりと顔を上げました。

その顔には――目も鼻も口も、何もなかったのです。

男は恐ろしくなり、慌ててその場を逃げ出しました。

走り続け、ようやくたどり着いたのは町外れの茶屋。
汗を拭きながら店の主人に「今、顔のない女を見た！」と震える声で話しました。

すると、茶屋の主人は静かに笑いながら言いました。

「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか……こういう顔のことですか？」

そう言って顔を上げた主人の顔も――目も鼻も口もない、のっぺらぼうだったのです。

男は悲鳴をあげて気を失い、その後どうなったかは誰も知りません。

この話は、江戸時代の怪談を集めた「耳嚢（みみのう）」などにも類似の話が見られ、日本各地に伝わっています。
また、のっぺらぼうは「幽霊」や「妖怪」として語られることもあり、特に小泉八雲（ラフカディオ・ハーン）の『怪談』にも「むじな」という似た話が収録されています。  
 

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▼童話「のっぺらぼう」は、日本の怪談としてよく知られる「のっぺらぼう」を題材にした物語の一つです。

「のっぺらぼう」という妖怪は、顔がのっぺりとしており、目・鼻・口などの特徴がない不気味な存在として描かれます。

  1. 童話「のっぺらぼう」の概要

「のっぺらぼう」を題材にした童話は、いくつかのバリエーションが存在しますが、一般的な筋書きは以下のようになります。

あらすじの典型例

ある日、一人の男（または旅人、商人など）が夜道を歩いていると、道端に一人の女性（または老人、僧侶）が座っている。
男は声をかけるが、女性はうつむいたまま。
しばらくすると、その女性が顔を上げる。
しかし、そこには目も鼻も口もない、のっぺりとした顔が現れる。
驚いた男は恐怖で逃げ出し、近くの茶屋や自宅へ駆け込む。
しかし、そこで出会った茶屋の主人や家族までもがのっぺらぼうに変貌し、
最後には男が絶望して気を失う、または発狂するという結末を迎えることが多い。

  1. 民間伝承としての「のっぺらぼう」

童話「のっぺらぼう」は、もともと日本の伝承怪談「のっぺらぼう」に基づいています。この怪談は江戸時代から伝わっており、特に江戸の都市部では、夜道での怪異として広く語られました。
有名な話の一つに、「のっぺらぼう（のっぺり坊）」という話があります。

代表的な怪談の一例（江戸ののっぺらぼう）

・男が夜中に小泉八雲の「むじな」に登場する赤坂の溜池付近を歩いていると、橋のたもとで泣いている女性を発見する。
・心配して「どうしたのですか？」と声をかけると、女性が振り向き、のっぺらぼうの顔を見せる。
・驚いた男は駆け出し、近くの店に逃げ込んで「のっぺらぼうを見た！」と主人に助けを求める。
・すると、店の主人が「こんな顔だったのかい？」と言いながら、自らの顔をなで、同じくのっぺらぼうになってしまう。
・男は恐怖のあまり逃げ出すが、気を失うか、精神を病んでしまう。

この話が後に童話として子供向けに語られるようになった際、多少のアレンジが加えられ、子供でも楽しめるように調整されました。

  1. のっぺらぼうの特徴と表現

・基本的に害を及ぼすことはなく、驚かすだけの妖怪として描かれる。
・顔がのっぺりとしており、目や鼻、口がない。
・通常は普通の人間のように振る舞い、驚かせた後は何もせずに立ち去る。
・話のオチとして、「最後の人物も実はのっぺらぼうだった」というパターンが多い。

  1. 童話としてのアレンジ

童話版では、恐怖要素を抑え、コミカルな結末や教訓的な要素が加えられることがある。例えば、次のような展開が考えられる。

・主人公が勇気を出してのっぺらぼうと向き合い、「怖がらないよ」と言うと、のっぺらぼうが驚いて逃げ出す。

・のっぺらぼうは実はいたずら好きな妖怪で、人を怖がらせるのが趣味だったが、最後は仲良くなる。

・のっぺらぼうの正体が、人間の心の中の「偏見」や「恐怖」によるもので、恐怖を克服することがテーマになる。

  1. 類似の怪談・童話

「のっぺらぼう」と似たような童話や怪談には以下のようなものがあります。

・「むじな」（小泉八雲）
　- のっぺらぼうの話として有名。むじな（アナグマ）が化けて人を驚かせる話。
・「さらやしき（番町皿屋敷）」
　- お菊の幽霊が井戸から出てくる怪談で、同じく「恐怖を与えるが害を及ぼさない」話の一例。
・「件（くだん）」
　- 未来を予言する顔のない妖怪。のっぺらぼうとは異なるが、顔に特徴がない点で類似。

  1. のっぺらぼうが持つテーマ

童話版「のっぺらぼう」は、単なる怪談ではなく、以下のようなテーマを含むことがあります。

・恐怖とは何か？
　- 人間が恐怖を感じるのは、見慣れたものと違う存在に対してであり、それは偏見や先入観によるものではないか？
・他者との違いを受け入れる
　- のっぺらぼうは異質な存在だが、害を及ぼすわけではない。違いを受け入れることの大切さを学ぶ物語になることも。
・人間の心理の弱点を突く話
　- 見た目に頼ることの危険性、恐怖が増幅される過程を描くことで、人間の心理の脆さを表現している。

  1. 現代のメディアでの扱い

のっぺらぼうは、童話だけでなく、アニメや映画、小説にも登場します。

・ジブリ映画『千と千尋の神隠し』のカオナシ
　- のっぺらぼうのイメージに近く、口がない不気味な存在。
・妖怪ウォッチの「のっぺらぼう」
　- コミカルな妖怪として登場。子供向けにアレンジされている。
・ゲームや漫画での登場
　- 『妖怪ウォッチ』『ゲゲゲの鬼太郎』『ぬらりひょんの孫』など、妖怪作品では定番のキャラクター。

  1. 結論

童話「のっぺらぼう」は、日本の伝統的な怪談を元にした物語であり、恐怖を感じさせるだけでなく、心理的なテーマや教訓も含まれています。子供向けのアレンジでは恐怖を和らげ、時にユーモラスな結末を迎えることもあり、時代と共に形を変えてきた物語の一つと言えるでしょう。
 

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▼「のっぺらぼう」のような顔のない妖怪が登場する話は、日本独自のものではなく、海外にも類似した伝承や童話が存在します。

海外の類似伝承・童話

  1. 中国：「画皮（がひ）」

清代の怪談集『聊斎志異（りょうさいしい）』に登場する話で、美しい女性が実は妖怪であり、皮を剥ぐと正体が現れるという内容。

のっぺらぼうと異なり、顔の変化が主題ですが、「偽りの顔を持つ者」という点で共通しています。

  1. イギリス：「フェアリーフォークの幻術」

ケルト系の妖精伝承では、人間が妖精の幻術で騙される話が多く、あるはずの顔が突然消えるという表現がされることがあります。

例えば、アイルランドの伝承には「バンシー」や「フェアリードクター」が関与し、人の顔がぼやけたり消えたりする話があります。

  1. アメリカ：「スマイリングマン」

近年の都市伝説として、「スマイリングマン（The Smiling Man）」という不気味な男の話があります。

彼は笑顔を浮かべたまま異常な動きをする存在で、顔が異形になることもあるとされ、のっぺらぼうの変種とも考えられます。

海外の創作作品での影響

H.P.ラヴクラフトの「ナイアーラトテップ」

変幻自在の姿を持つ邪神で、「顔のない化身」などの姿をとることがある。

スレンダーマン（Slender Man）

インターネット発祥の怪異で、顔がない長身の男という特徴がある。

グリム童話の「なぞなぞ伯爵」

直接のっぺらぼうではないが、正体を隠す者が登場し、恐怖の要素がある。

日本の「のっぺらぼう」のように、顔がないこと自体が主題の物語は珍しいものの、世界各地で「顔が消える」「偽りの顔を持つ者」「顔のない存在」といったモチーフは見られます。

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▼English - Japanese story "Faceless Ghost (Noppera-bō)"


「のっぺらぼう（Japanese - Noppera-bō）」

A long time ago, in a small village in Japan, there was a man who lived a rather lazy and dishonest life. One evening, he decided to take a shortcut through a dark, quiet path near a river on his way home.

As he walked, he saw a woman sitting alone by the river, her back turned toward him. Curious, he approached her and asked, "Miss, what are you doing here so late at night?"

The woman remained silent. Annoyed, the man walked closer and tapped her on the shoulder. Slowly, the woman turned around—and to his horror, she had no face! No eyes, no nose, no mouth—just smooth, featureless skin.

Terrified, the man screamed and ran as fast as he could, straight to a nearby soba shop, hoping to find safety. Gasping for breath, he told the shop owner about the faceless woman.

The owner listened quietly, then slowly turned toward him. "Like this?" he said—his own face now completely smooth and featureless.

The man let out one final scream before collapsing in terror.

This is one of the classic tales of the Noppera-bō, a ghostly creature that tricks and terrifies humans by revealing its faceless appearance.

 
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