菅原和右衛門(ノーティスト)

柳宗悦翁が「民藝」を確立したことに寄せて、一国民の民芸としての文章道に邁進することで、己れを淘哉したいと考えています。点滴穿石(点滴石をも穿つ」ごとく、「詩」の紡ぎと「論」の掘削は続けられなければなりません。マガジンのレーベル名は「SungerBook」。noteで奏でています。

菅原和右衛門(ノーティスト)

柳宗悦翁が「民藝」を確立したことに寄せて、一国民の民芸としての文章道に邁進することで、己れを淘哉したいと考えています。点滴穿石(点滴石をも穿つ」ごとく、「詩」の紡ぎと「論」の掘削は続けられなければなりません。マガジンのレーベル名は「SungerBook」。noteで奏でています。

マガジン

最近の記事

昭和100年の「主権」考

〈SungerBook-キャッツアイ7〉 ヘッド画像はペリー提督 最近、8月末から9月にかけて、また10月半ばにかけて、2回続けてすばらしい絵画に邂逅する機会がありました。せっかく芸術の秋のマイブームがはじまりつつあったのですが、そんな気分を台無しにしてくれる情報が飛び込んできています。幸い、韓流ドラマのようにふてくされて、机上の本や文具や書類等を、両手で一気に横に払いのけるアクションを行なうほどではありません。そんな瞬発力の方向ではなく、気持ちが一気にダークサイドのトー

    • 藪の外へ-伊藤詩織氏の可能性

      〈SungerBook-カラーグラス999〉 このお名前は一躍知られるところとなりました。彼女を著名人として取り扱うことについて、ご本人も異論のないところと思われます。今や、彼女は世界的ジャーナリストであり、女性の性的暴力問題について最も高い意識を持った日本女性と言っていいのではないでしょうか。私がそう思うというより、世間が、世界が、そう仕立てているように見えます。 昨年(2019)12月伊藤氏の民事訴訟での勝利判決以来、この事件に関する夥しい報道が為されています。伊藤氏

      • 佐久間宣行∞福留光帆

        〈SungerBook-舌鼓14〉 「佐久間宣行のNOBROCK TV」で、「福留光帆のイライラ20」が配信されています。この企画では、ラランドのニシダを福留嬢が20回イライラさせる応酬が展開されます。実際には30回を軽く超えて結末に至るのですが、福留嬢が出演する、前の2回の企画とは趣きが違っています。「前の2回」とは下記①②のことであり、今回主に取り上げるのが③のことになります。 NOBROCK TVより ①アルコ&ピース VS 福留光帆 (大喜利) ②トンツカタン 森

        • ポケモンGOの集客力を問う

          〈SungerBook-カラーグラス999〉 私が初めてポケモンGOに触れたのは2018年のことかと思っています。特に、横須賀で仕事をしていた当時、ポケモンGOイベントが来るということで、その企画書が回付されてきて、当然ながら市がその受入れを決めた結果と想像されるに及び、私の中で軽い疑問が湧き上がってくるのを感じていたことが、思い出されます。 ウェルカム!ポケモンGO·····??? 横須賀は、ジャズをはじめ音楽イベントが盛んな街というだけでなく、日本遺産に認定されたそ

        マガジン

        • SungerBook キャッツアイ
          7本
        • SungerBook カラーグラス
          17本
        • SungerBook 舌鼓(したつづみ)
          14本
        • SungerBook 燕返し
          3本
        • SungerBook 萌え町紀行
          10本
        • SungerBook 男とスコーン
          8本

        記事

          私自身のための広告

          〈SungerBook-男とスコーン8〉    このタイトルを目にして、ノーマン・メイラーの「ぼく自身のための広告」を想起する人は多いのではないでしょうか。とはいえ、若い人で知る方は多くはないのかもしれません。私自身、確か十代の終り頃にメイラーを知ったと記憶します。三島由紀夫と同時代のアメリカの作家というような印象です。特にアメリカ文学に傾倒するようなことはなかったので、作品を知ることもなく、ただある種の濃厚さとともに、「ぼく自身のための広告」とは人を喰っているような節があ

          ノーティストの見た夢

          〈SungerBook―男とスコーン7〉 私が前々回(4/15)投稿した記事「こんな肩書き嫌だ。どんな肩書き?」で、それまで使っていた自分のブロガーという肩書きをノーティストに改めたことを述べました。その頃たまたまnote記事でnoterという表現を見たことが契機となったしだいです。 ノ―ティストに憧れて この「ノーティスト」が、思いがけず私を刺激してきて、予定外に本稿を書かせています。 アーティストのような芸術家的な語感と、表記はnoteとの繋がりを想起しやすくして、

          進撃のおじいちゃん

          〈SungerBook―男とスコーン6〉 「男とスコーン」とは、連作エッセイのタイトルとして考案しているものです。その意味合いは、説明的に紹介することによってではなく、何作か積み重なったところで、なんとなく感じられるものになればと構想しています。とはいえ、スタートラインにつくにあたり、向かうべき方向を確認しておきたい気持ちがあります。 シリーズタイトルについて「解説」のように語り始めたら、それだけで際限なく話が展開しだすような気もします。ここはストイックに抑制すべきところ

          こんな肩書き嫌だ。どんな肩書き?

          「notest」はどうでしょう。 たまたまあるnoteの記事を読んでいたら、noteを書く人の呼び方、肩書きを扱っていました。私も興味のあるネタだったので思わず引き込まれたわけです。 私は、今までこのnoteのプロフィールに自分のことを「ブロガー」としています。上記の記事に接して少し考えさせるものがありました。そこでは、noterとかブログライターとか、何案か検討する記事で、結論は出していませんでした。私はnoteもブログも媒体としてしか考えていないのですが、noteがブ

          こんな肩書き嫌だ。どんな肩書き?

          傑作が企画を超えるとき

          〈SungerBook-舌鼓13〉 ─ 新星、福留光帆との遭遇 「E.T.としての福留光帆」を投稿してから7日過ぎましたが、記事の題材とした二つの配信動画の視聴回数は、 ①前回投稿日現在 177万回→     今回投稿日現在 196万回 ②前回投稿日現在 298万回→     今回投稿日現在 344万回 と、驚くような回数の伸びとなっています。私自身いまだに飽きもせずアクセスしていますし、寄せられているコメントを読むと、この現象は私だけではないことがわかっています。一

          E.T.としての福留光帆

          〈SungerBook-舌鼓12〉 ─ 大喜利ファンタジーの新世界 いま、日本じゅう福留光帆に罹患している人は大勢いることと思います。私も、こんなことは初めてなので、なぜだろう、なぜだろうと考えているうちに、やっと見えてきたものがあります。それを、以下にレポートしたいと思っています。 2024年春、降臨 私の感覚では2010年代後半ぐらいから動画配信が活況を呈してきて、まずは個人がユーチューバーとして出てき、そのうちその成行を見てYouTubeの世界に既存のTV界から

          創造の小径へ

          〈SungerBook-キャッツアイ6〉 「文章を書いて生きています」というと「著述業で生活しているのですね」や、「生活のまにまに文章を書く趣味をお持ちなんですね」などという解釈の誤解は起きやすいところでしょう。いずれも「否」と申し上げます。そこをテーマとして叙述することが、この記事の目的であり、表現として完成させることが目標となります。 作家とは誰か 作家と言えば、もっとも典型的なものは小説家というところでしょうか。作家の近所には エッセイストもいれば、コラムニストも

          尊敬の思想

          〈SungerBook-キャッツアイ5〉 ー芸人は松本人志を尊敬できるか 前回のnoto記事で、路傍の掲示板「今月の聖語」から「蒼蠅驥尾に附して万里を渡り」(そうようきびにふしてばんりをわたり)を援用しました。日蓮聖人によるお言葉で、いろいろ考えさせるものがあります。 若いうちから自分の驥尾を見つけ、そこをしっかりとらまえて道を歩めば、もう少しましな人生にたどり着けたかもしれないと思うと自らの不明を恥じるばかり、と言い捨てられるほど簡単に決着をつけるわけにもいかず、過ぎ去

          インテリの品格

          ─ 宮台教授VS正木教授 宮台真司教授の不倫報道に接した時、「またか」と思ったものです。このかたは、かつて 援助交際に絡んでの話題にも上ったことが思い出されたわけです。社会学の専門家として論陣を張る大学教授の不倫を、世間はおもしろがっているようです。 特に、学識と抽象度のある論理展開、しかも強面で、ドスの効いた声で、ほとんど人を押し倒すような語りで煙に巻くその風采は、一例で言えば長く続いたTBSラジオ「デイキャッチ」や、最近ではAbemaTVでの出演などを通じて、よく知ら

          ポストメルヘン

          世界のメルヘンや日本の昔話は、一体どれだけあるのでしょう。いつ読んだり聞いたりしたのか覚えていませんが、心の奥にしっかり刻まれています。しかし、ここでは「ポストメルヘン」として、元々のメルヘンのセカンドストーリーを創作してみました。元ネタを前提にしているという意味では、それを知っている大人たち向けと言えるかもしれません。イソップさんや、アンデルセンさんへのリスペクトはそのままに、新たな世界が拓けないものでしょうか。 ① 月と太陽 「北風と太陽」で、太陽は北風との勝負におい

          聖なる明治神宮

          〈SungerBook-4〉 先般、秋のよく晴れた日に、明治神宮へ行こうと思い立ちました。原宿に行くのは何年振りになることでしょうか。考えてみれば都内にあって、こんなに身近で山深い場所があったと気づけば、無性に心惹かれるのでした。 明治神宮鎮座百年大祭ということで、令和二年は格別の年にあたるようです。邦楽や邦舞など、日によってさまざまな演目が企画されていたとは、後で知りました。大祭の情報がきっかけになったことは間違いありませんが、イベントではなく、明治神宮そのものに吸引さ

          鬼越えの裏窓

          〈SungerBook-舌鼓11〉 鬼越トマホークといえば、いま、お笑い界の「台風の目」的存在になっているのではないか、そんな風に思うことがあります。このコンビ自身の漫才、コントを見たことはほとんどないのですが、坂井くんと金ちゃんによる動画の企画は、新しい領域を拓きつつあるように感じています。特にお笑いが好きということはないのですが、笑わせつつ、微妙に爪痕が残ります。容貌魁偉の坂井くんと戦国野武士の金ちゃんとの二人が繰り広げる世界は、ちょっとまとめてみようかと思わせてくれま