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【虹の彼方に】

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2020年9月25日 最愛の妻が空へ旅立ちました。 出逢って4年弱、入籍して1年と3ヶ月、結婚式を挙げて10ヶ月目のことでした。 一緒に過ごせた時間はとても短いものだったけ…
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2021年5月の記事一覧

#5. 驚愕 【虹の彼方に】

#5. 驚愕 【虹の彼方に】

 彼女は「食べる」のが何よりも誰よりも好きなひとだった。

冬に出逢ってからすぐに春がやってきて、初めて二人で花見に行った時のこと・・・

昔ボクが通っていた専門学校の近くにある大きな川沿いの公園に、桜の木がずっと並んでいる有名な花見のスポットがあって、そこはボクの好きな場所でもあった。

そんな桜並木が綺麗な公園を、手を繋ぎながら二人で散歩していたのだが、彼女は桜よりもたくさん出ている露店に夢中

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#4. 仕事 【虹の彼方に】

#4. 仕事 【虹の彼方に】

 ボクと彼女は、出逢ってしばらくしてから付き合いはじめた。

よく食べ、よく笑い、よく仕事をするひとだった。

彼女はハワイアン式『ロミロミマッサージ』のサロンを経営していた。

それ以外にも、彼女からもらった名刺には、株式会社の代表取締役であり、その他にもたくさんの肩書きがズラリと並んでいた。

コンサル業や人材育成関連、過去には飲食業界にも携わっていたようで、仕事に関してはいくつも顔を持ってい

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#3. 転落 【虹の彼方に】

#3. 転落 【虹の彼方に】

 彼女との「出逢い」そして後にやってくる「別れ」も、それはボクの人生を大きく左右するものだった。

所謂世間でいう「底辺」と呼ばれるような生活を送っていたボクにとって彼女は、一筋の「希望」の光であり、汚れたボクを優しく導いてくれた大切なひとだ。

彼女がいかにボクを掬い上げてくれたかを語る上で、ほとんど人に語った事のないボクの闇の部分、「クズ人間」たる過去にも触れなくてはいけないと思っている。

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#2. 出逢い 【虹の彼方に】

#2. 出逢い 【虹の彼方に】

 彼女と初めて出逢った当時、ボクは43歳で建築関係の中間管理職をしていた。

当時の職務内容は、中間管理職と言いつつも、元請や職人との折衝に加え、慢性的な職人不足を補うため、そして現場の工期に間に合わせるために、自ら現場にも出て肉体労働をしながら事務作業もしつつ、受け持ちの現場のトラブルシュートに走り回ったりといった、とてもハードで何でも屋のような要領の悪い生活を続けていた。

若い頃にそれなりに

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#1. 最愛 【虹の彼方に】

#1. 最愛 【虹の彼方に】

 2020年9月25日 午後15時06分

 最愛の妻が懸命の闘病の末、空に旅立ってしまった。

癌だと発覚してから、たったの3ヶ月だった。

出逢ってから約4年、入籍をして1年と3ヶ月弱、結婚式を挙げてからわずか10ヶ月目のことだった。

妻の最期のその瞬間まで、ボクは彼女の手をずっとずっと握り続けていた。

世間一般的にいえばあまりにも短すぎる彼女の人生だった。

彼女はいつも強く想い描いてい

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