はる

はると申します。 育児休業中です。 主役が子どもになりがちの日々、自身の半生を記録に…

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はると申します。 育児休業中です。 主役が子どもになりがちの日々、自身の半生を記録に残したいと思い、noteを始めました。 私の人生が、どなたかにとっての、笑いや暇つぶしとなれば幸いです。

最近の記事

高校3年生

あわよくば、これさいわい ぼんちゃんとの出会いから約1年、高校3年生になった私は、おおよそ誰もがいつかはぶつかる「進路」という名の分岐点に立ちました。 高校入学と同時に右肩下がりとなっていった成績は、ほぼ地面に着地したと豪語しても良いくらい酷いものとなっており、それでも先生や周りの友人達の手を借りて、何とか進級だけはしてきました。 3年生になり、乗り込んでいた「高校」という電車の終着地がいざ近づくと、私は選択の自由に対する危機感と恐怖を覚え、ようやく勉強しようという気にな

    • ぼんちゃん ❹

      時の旅 鮮やかな夏男ぼんちゃんとのお付き合いは、順調を代表して挙手したいほどに順調でした。 冒頭で少し書かせて頂いた、のちの親友となる派手なグループの一員「きいちゃん」と面識ができたのも、高校2年生です。たまたま同じクラスになり登校時間が早めだった私たちは、毎朝おはようと挨拶を交わし授業開始までの30分ほど、雑談をするようになっていました。 ぼんちゃんに惚れぬき地蔵状態だった私は、きいちゃんと過ごす毎朝、前日のぼんちゃんがいかに魅力的でキュートだったか、俗にいう惚気です

      • ぼんちゃん ❸

        多幸の至高 初めての電話から2週間後、「すでに付き合い始めたけど初対面」というミッションを遂行した私たちは、これからもよろしくねと関係を再確認し、本来のスタートラインに立ちました。 柔らかなピストルの音とともに始まったぼんちゃんとの日々は、心底幸せでした。 毎日2〜3時間ほど続く電話に他愛のないメール、少ない時間でも会いに来てくれること、同じ柔道部の友人を紹介してくれること、知らない場所に連れて行ってくれること、好きな曲だけまとめたCDを時折プレゼントしてくれること。

        • ぼんちゃん ❷

          溶け出すコンプレックスと、優しいスポンジ 初めての電話から約2週間、ついに私とぼんちゃんは、初対面となる約束の当日を迎えます。 舞台は私の最寄駅、ぼんちゃんが電車を乗り継ぎ、会いにきてくれることとなりました。 約束の14時よりも15分ほど早く到着した私は、2階建の駅構内を出て少し歩いたところにある、歩道へと繋がる橋の中程でぼんちゃんを待つことにしました。 下面にある道路を見下ろすことができ、少しは緊張がほぐれるかと期待しましたがそんなはずもなく、汗をかかないよう必死にな

        高校3年生

          【よもやま話】ネイルを変えました

          こんばんは、はるです。 ここ数日、子の機嫌が絶好調だったり私の要領がいつになく悪かったりと、なかなか本筋(と、勝手に思っています)の自伝エッセイを書き進めることが出来ず、モヤモヤっとしながら過ごしております。 なりたい自分になる、というのは、人生何年目だろうが難しいものですね。私にとっては難題です。それでもなりたいものはなりたいですから、精進いたします。 突然ですが、先日、ネイルを変えました。 手のひらがシワシワで、まるで生命線を探せ!状態ですね。お目汚し、申し訳ありま

          【よもやま話】ネイルを変えました

          ぼんちゃん ❶

          緊張を寝かしつけた恐怖心 高校2年生6月、人生2度目の経験、私は「誰かの彼女」になりました。 お相手は2つ歳上の大学生ぼんちゃん、前略プロフィールに載っていた横顔と、そして数時間の電話から始まった、マッチングアプリも驚きのスピードゴールインでした。 そして私たちは、初めての電話から対面を果たすまでに、2週間ほどを要します。 私はどこにでもいる、ヤングコーンよろしいウブで暇な高校生でしたが、ぼんちゃんは柔道のスポーツ推薦で大学へ進んだ男。 毎日過酷な練習と、ほぼ毎週末に行

          ぼんちゃん ❶

          新たな出会いと、今生の未練と

          残らず残した、気持ちと後悔 高校2年生、6月、出会いと別れの季節を越え、新たに「ぼんちゃん」という彼氏が出来ました。 時系列が少し前後してしまうのですが、どうしても書き残しておきたい「ひとくん」との出来事が、7月頃に起こるため、そちらについて先に失礼いたします。 ぼんちゃんと付き合い始めて1ヶ月ほど経った頃、私が通っていた高校で、文化祭が開かれました。 特に文化祭自体に特筆するような出来事は起こりませんでしたが、その日の夜、久しぶりにひとくんから連絡がありました。 「

          新たな出会いと、今生の未練と

          【よもやま話】フォロー、スキ、ありがとうございます。

          こんばんは、はるです。 早いもので、noteを始めてから、1週間以上が経ちました。 実は、普段更新させて頂いているお話ですが、子どもを寝かしつけながら、かなりゆっくりと文章を紡いでおります。(寝かしつけ、ひどい時は2時間かかります) 拙い、そして読みにくい部分もあるかとは思いますが、私の人生が、どなたかにとっての暇つぶしやほんの少しの楽しみとなれば、幸いです。 そして、何より、フォローをしてくださった方に、スキを押してくださった方に、心より感謝申し上げます。 素敵なご縁

          【よもやま話】フォロー、スキ、ありがとうございます。

          高校2年生

          季節と、別れ道と、分かれ道 3月下旬、ひとくんとの別れを境に、私は「春は出会いと別れの季節」と、よく耳にするそのフレーズを体感すべく出会いを探し求めるようになりました。 当時は、前略プロフィールというSNSのようなものが流行っており、私も例に漏れず利用していたのですが、そこに付属する「メルボ」と呼ばれる機能がありました。 プロフィールを見た他のユーザーが、メッセージを送信することが出来るといった類のもので、これまでは彼氏がいる旨を記載していたため滅多に稼働することはなか

          高校2年生

          初めての彼氏 ❺

          臆病が生んだ、臆病な結末 鋭利な眉毛のひとくんと、恋人同士になってから、4ヶ月ほど経った頃。 ひとくんが、通っていた高校を中退することになりました。 事の発端は、ひとくんの制服から出てきた1本のライターでした。 ひとくんは、眉毛の鋭利なライオンよろしい田舎のヤンキーですが、煙草は吸っておらず、そのライターは友人から渡され預かっていたものでした。しかし、素行が良くないこと等を理由に、他何名かの友人とともに退学処分になったとのことでした。 ひとくんは、怒りや落胆というよりは

          初めての彼氏 ❺

          高揚と、紅潮と(若干の艶笑話を含みます)

          淡く不器用な階段昇降 花の揺れるネックレスを貰った日からの私たちは、相も変わらずクリーンでフレッシュなお付き合いを続けておりました。 恒例となった立川公園での逢瀬以外にも、共通の友人を含め私の実家で遊んだり、2人で遊びに出かけたり。 それでもやっぱり、クリーンでフレッシュなお付き合いも、日の経過とともに大人びた雰囲気を滲ませるようになってきました。 私自身も、特に性的な事象に対して嫌悪を感じているようなことはなく、友人と「どこまで進んだ?」等、恥じらいながら盛り上がっ

          ¥300

          高揚と、紅潮と(若干の艶笑話を含みます)

          ¥300

          初めての彼氏 ❹

          花より華やかなネックレス 門限の20時を30分ほど過ぎて帰宅した私は、母の叱責から逃れるよう、足早に自室へ入りました。 その時の気持ちは、なんとも形容し難いもので、勿論ひとくんとの関係が変わったことへの純粋な喜びもあったのですが、「誰かの彼女」になったことで、初めて、自分が何者かになれたような気がしたんです。 どんな日々が待っているのかは、まだ想像することも出来なかった、初めての経験。ただ、嬉しく、幸せに思いながら過ごした夜でした。 それからの私たちは、挨拶程度だったメ

          初めての彼氏 ❹

          初めての彼氏 ❸

          木製のシーソーが傾いたとき 渾身の顔面工事を遂行した私は、 当時の自分にとっては完全無欠、一張羅のブカブカカーディガンを羽織って、ひとくんとの待ち合わせ場所である公園へ向かいました。 余談ですが、当時私の母は色々な面において厳しい人(私にとっては)で、私が単独で外出するとなると、どこで誰と会い何をするのか、何時に帰ってくるのか報告するよう言われておりました。 これについては、いずれ別の機会でnoteに綴りたいと考えているのですが、当時の私は少しずつ溜まった不満が爆発しか

          初めての彼氏 ❸

          初めての彼氏 ❷

          鋭利でウブな出会い 俗に言う田舎のヤンキー、眉毛が鋭利なひとくんは、見た目に反し柔らかでウブな人でした。 季節は秋に差し掛かろうかという9月の終わり、初めての対面を果たした私たちは、幾度かのメールのやり取りを重ね「付き合いましょう」「そうしましょう」と、関係をステップアップさせます。 「明日、学校が終わったら、立川公園に集合しよう」 初めて実家の前で対面し、あっという間に恋に落ちたあの日から、おおよそ1週間後の夜。 関係のステップアップに向けた最初のステップとなったの

          初めての彼氏 ❷

          初めての彼氏

          高校1年生 化粧という手段を手に入れた私は、なんの技術もないままに、足し算だらけの顔面工事に勤しんでおりました。 施工から1ヶ月経った頃、中学生時代の友人15名ほどで催されたBBQに参加した際、「はるちゃんの眉毛、かっぱえびせんみたいだね」と言われたことは、鮮明に記憶しております。 今なら、それはどうもありがとうと眉を上げる余裕がありますが、当時は、しっかりショックを受けました。恥ずかしかったんです。 そんな羞恥心をバネに、試行錯誤を重ね、人並みの顔面制作技術を手に入

          初めての彼氏

          人生が始まったような気がした、高校入学時

          高校入学 時をさかのぼる事、17年前。 学校名を伝えると、当時住んでいた地域では「おお、良いところに入ったね」と言われる程度の、進学校カーストでいえば中間くらいの高校に入学を果たしました。 人並みに友人も出来、クラスの雰囲気も特筆するようなものはなく、いたって普通の高校生活が始まります。強いて書き留めておくとすれば、後に親友と呼べるような存在になる女の子が、隣の隣のクラスにおりました。入学当初は面識がなく、ただ、その女の子を含めた5人くらいのグループが派手で目立っていた

          人生が始まったような気がした、高校入学時