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人生があるように製品にも生き様がある #80 プロダクトライフサイクル

企業として社会や個人に価値を提供する上で、そのメイン媒体となるのが、製品やサービスとなります。

しかしながら、その価値は、様々な環境やニーズの変化から、無限に続くものではありません。

それを必ず寿命のある人間の人生に例えた考えが、プロダクトライフサイクル(Product Life Cycle)です。

プロダクトライフサイクルは、一般的に、(1)導入期 → (2)成長期 → (3)成熟期 → (4)衰退期 という4段階に分けられます。
更に細分化する考えとなれば、成長期を前期と後期に分けたり、成熟期と衰退期の間に飽和期を加える場合もあります。
これらを表現する上で、縦軸を売上高、横軸を時間(タイムライン)とします。

また、プロダクトライフサイクルですが、イノベーター理論と合わせて活用すると理解が深まります。

(1) 導入期

導入期は、これは新しい製品を市場に投入した直後です。
人間で言えば生まれたばかりですの乳児期です。
購入してもらえるのは、イノベーターと呼ばれる新しい製品やサービスが実用的であるかに関わらず多少のリスクも顧みず購入する普及率2.5%と言われる消費者層です。
多くの新製品は、この段階で消滅するとも言われています。
よって、成長する上で、ここから、本格的な初期採用の消費者層である普及率13.5%アーリーアダプターにつなげるかが重要となります。

(2) 成長期
イノベーター理論と関連してキャズム理論(普及率16%論理)という考え方があります。
つまり、製品やサービスが普及するには、導入期のアーリーアダプターから高評価を得て、慎重派でありながらも、最も安定した消費者層であるアーリーマジョリティー(普及率34%)に普及できるかが重要となります。

(3) 成熟期
アーリーマジョリティーから新製品に対して比較的懐疑的な消費者層であるレイトマジョリティ(普及率34%)に普及することで、需要はピークとなります。
反面、市場への新規参入する競合他社も増加し始め市場規模は完全に頭打ちとなります。

(4) 衰退期
プロダクト ライフ サイクルで最後に迎えるのが衰退期です。
そもそもが、導入期から成熟期が長いと、製品やサービスを取り巻く環境も大きく変わっている可能性があります。
環境に合わせて改良することことも必要ですが、それも限界となると市場規模が縮小し出します。

プロダクト・ライフ・サイクルの段階分けチャートにすると概ね次のようになります。

企業が事業規模を維持、拡大するためには、複数の製品やサービスを持つ必要性があるとプロダクトライフサイクルを通して理解できます。
しかしながら、各製品やサービスの開発や育成に投じる資金などの経営資源は限られています。
そのために各製品やサービスが、プロダクトライフサイクルのどのフェイズにあるかを把握して、どの様な投資を行うべきかを、市場成長率と市場シェアなどを加味したプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントなどの取り組みが重要となります。

何事も同様ですが、理論は、過去の傾向から導き出されたものであり決して万能ではありません。
このプロダクトライフサイクルとて同様で、例えば製品によって、10年のものもあれば、50年、100年のものもあります。
また、それぞれの期の長さも製品によって異なります。
大切なのは、この過去の理論を利用して、対峙する実際の環境分析により、最適なマーケティングミックスを講じることなのだと考えます。

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