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アイデアのつくり方 アイデアを生み出しやすい環境 #41 アイデア
あらゆる場面において、規制路線ではない新しい価値とも言えるイノベーションの創造が期待されます。
イノベーションを創造した代表的な存在が発明王 トーマス・エジソン氏なのかと思います。
エジソン氏といえば、生涯におよそ1,300もの発明をしたとされています。
特に偉大な発明として知られているのが、蓄音器、白熱電球、活動写真などです。
もう、これだけで、一般の人たちでは、イノベーションに対して、尻ごみしてしまうかもしれません。
確かにイノベーションに対しては様々な捉え方はあります。
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「アイデアのつくり方」の著者で有名なジェームス・W・ヤング氏は、「アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ」だと定義づけております。
アイデアと言うと、何もないところから生み出さなければないと勘違いしている人が少なくありません。
例えば、現代の画期的なアイテムと言われるスマートフォンは、パソコンに電話機能を組み合わせたものだと言われています。
これは、アナロジー思考あるいは、類推思考とも呼ばれます。
2つ以上の物事の間にある共通点に着目し、課題に応用する思考法のことです。
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また、マーケティングの父と呼ばれるフィリップ・コトラー氏は、「イノベーションとは基本的に失敗のマネジメントであり、少数のすぐれたアイデアを得るためには、たくさんの劣ったアイデアを生み出す必要がある」としています。
これを考えたら、イノベーションとは、「下手な鉄砲、数打ちゃ、当たる」で、既存の要素を組み合わせ続けていたら良いのかもしれません。
コトラー氏のメッセージからも、優れた意見やアイデアにこだわり過ぎる必要など全くありません。
アイデアを出すことで批判されるのではないかと委縮したり、せっかく出したアイデアが却下されて気落ちする必要もないと思います。
むしろ、却下されるくらいが、あたりまえとして、失敗を恐れずに何度でも、手を変え品を変えて、意見を出すことが何よりも大切です。
実際、食品メーカーや飲料水メーカーが、突拍子もないテイストの製品を発表されるケースが少なくありません。
しかし、ふざけているのかと思えば、開発者は至って真剣だったりします。
そして、実際に、ここから、思いがけない大ヒット商品が生み出されたりします。
そこで、どのような環境がアイデアを生み出し易いのかです。
まず、前提となるのが、常に考え続けることです。
アイデアを考えようとして机の前に着いたからと言って簡単に生まれるものではありません。
そもそも、アイデアとは、インスピレーション(ひらめき)とも取れます。
インスピレーションが湧き易い環境を4Bと表現したりもします。
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4Bとは、Bar(バー:お酒を飲んだり食事している時)、Bath(バス:お風呂やトイレに入っている時)、Bus(バス:車を運転したり、乗っている時)、Bed(ベッド:就寝の前後・休息の時)の環境を意味します。
もうお分かりかと思いますが、共通するのがリラックスした環境です。
つまり、「アイデア!アイデア!」とストレスを感じて考えるよりも、リラックスしていた状態で考えた時に、ポッと生み出されることが少なくありません。
萎縮することなく、100本ノックのように、とにかく、考えて、考えて、考えて、たくさんのアイデアを出すことが大切です。
また、確かにアイデアの量が大切なのは分かりましたが、だからと言って、先行きが見えないまま闇雲に続ける訳にも行きません。
そこで、優れたアイデアを導き出す確率を高めるための手法もあります。
まず、1人だけでは、アイデアが行き詰ってしまうことになります。
そこで、複数の人たちで集まって、アイデアを発散し合いまず。
次に発散させたアイデアに対して、互いにインパクトを掛け合って、短時間で、より深いアイデアを絞り出す、ブレインストーミング法(ワイガヤ)などを活用するのも良いかと思います。
また、そもそもの優れたアイデアとは何かです。
優れたアイデアとは、USPと表現したりしています。
USP(Unique Selling Proposition)とは、独自性の高い価値であって、市場性の高い価値のことです。
独自性の高いアイデアとは、競合には提供できない価値ですので、付加価値が高いことになります。
しかし、どんなに独自性が高くても、そのアイデアに対してニーズがなければ意味がありません。
よって、市場性の高さが求められることになります。
つまり、優れたアイデアとは、独自性と市場性が両立されたものであると言えます。