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渡辺 杜太朗
2021年12月12日 12:10
私の心が大波に揺られて溺れて水浸し鬱の魔物は水面で滑っとどろんと顔をだし大きく開口した魔物は私を夕飯として丸飲み鵜呑みそれでも言うのあなたは言うの魔物なんざいないのいないの気の迷いそういって私の靴を磨きシャツにアイロンをかけては微笑みと神妙の丁度真ん中の顔をして豊かな箪笥の引き出しをそっと開けては色とりどりの召し物を用意した私が今溺れているのは私の冷や汗からでき
2023年6月15日 20:25
戸惑う朝に絡みつく蛇の頭外に出れない私にとって朝は苦行の圧縮か時折り見せる蛇の笑みは私をどれだけ馬鹿にしたことか動き出す朝留まる私歯車の一部分になれないもんでごめんなさいと布団で隠すこれほどまでに絡まった蛇は私の心臓にも這ってくる動けない様に虐めてくるならばいっそここで詩を書き蛇に朝日の眩しさを教えよう朝日は眩しいさんさんと蛇さんご覧さんさん
2023年6月1日 08:48
心臓に穴が空いてそこにおもりを詰め込まれただから今日も動けないですごめんね 母さん黒い人間が突然僕の目の前に現れたそいつがどんどん増殖しては邪魔なんだよ 降参でもさ前向きに生きるなんてこととても難しいってことだってわかってよつまらない街の喧騒が爆音でうるさいなぁって怒ってるんだどんなニュースも暗く受け止めるメンタルがあやかしの様にうなっていく友達は言う頑
2023年3月23日 19:16
新しい太陽は月の死と共に産まれた沸々と燃えたぎり出したばかりなもんでまだ少し暗い地球月の亡骸は優しく最後に想いの丈を朝露に残した古い太陽の詩がまだ耳に残っている今は私はまだ昨日の人間なのだろう砂漠のもぐらは眩しそうに私に語りかけてきた月の想い残しはどこかねあいにくここには朝露はなくもぐらは肩を落とした私は新しい太陽の声に耳を傾けては静かに今を通り越したまだ詩なんかな
2023年3月18日 19:55
手繰り寄せた手冷たい手苦労をした手がさがさで氷の様な指先明るい岬でゆっくりおやすみなさいませあなたの身体に植えた種綺麗な花が咲くまで氷の花弁の一枚がここにいると光っているあなたはいないもういない手繰り寄せた腕氷の腕先岬に春が来る頃に共に溶けいる花弁の兆し
2023年3月5日 19:01
私はこの朝に幾つの期待をしたでしょう振りかえって考える特になにも出てこないでしょつまらない朝ですね明日の朝までには同じ様なことにならぬ様考えておきます
2023年2月13日 14:34
時折り見せる晴れ間徐々に振り払う雲跨いだ景色を横目に私を呼ぶのはどちらさま嘘で飾ったビル群の風は冷たく痛いこと蛍光色にもどかしく故に彼の地を思い出す太陽の神の神話おどおどしい怪どちらも私のなかのこと手放したなら誰かのもとへ田んぼの先の神様は五穀豊穣願うべく冷たい風も雨も耐え私のもとに来るのですだからといって絶え間なく拝んでなんかはいられない私は新しい朝に
2023年2月8日 22:41
争いのなかに身を置いて黄昏るから撃たれて倒れる辛く苦い人生なんて終わりが来なきゃわからない発明的な感情論で鬱を晴らしてみたならば未来永劫豊かに過ごして雨降りだって詩になる硬い窓をゆっくり開けて風の言葉を聴きましょう時代を喋ってくれるから今を教えてくれるから何年寝たって構わない身体が痛くていつかは起きるあの頃感じた希望の先で私はあなたを舞っている思考は
2023年1月29日 19:41
悲しみは時として詩になり他人の心を癒すだろうそれまで耐えたあなたの心臓は私の心臓よりもとても毛深いだから私は思うのだいい加減になんて生きてはいられない時に俯いた時にだけいい加減に踊ればいいのだ稲穂が揺れる風が吹く夕暮れ終わる帰り道刻の速さに負けないように徒然歩けばいいのであると自然に教わるそれが業であるそんな生き方に寄り添いたいものだ語り癖の多い私は煙たがら
2023年1月26日 23:12
悲しみのリズム心中鳴らす朝なのに鈍い音はどんどんと鼓動を揺らす哀愁のリズム心中鳴らす夜なら嘘と笑ってほしいが本当の音なの切ないねこのリズムも芸術と問いただされたら頷こうそしたらバレない私の心臓は動いてる私の身体は生きている喜びのリズム心中鳴らす昼なら暖まる声を出そう心音揺らす風が吹く
2023年1月19日 13:28
沼底を歩く魚はひとりゆっくりと刻の調べを感じ瞑ったままの目で進路を行く怖いものなんてみあたらないなぜなら視界を遮っているから見えなければ怖くない魚は歩くひとりで歩くうちなる恐怖はなにもない魚は知らない恐怖を知らない魚は歩く沼地の底を
2023年1月15日 16:24
箪笥に悲哀開けたら泪古い引き出しなかなか開かん取手が錆びて朽ち果てたのか木材軋んで開かぬのか開けても埃で咽せるだけ中身はなんでかすっからかん哀しみのしまい処はなぜだか勝手に決まってるいつも心と脳の間そこの箪笥にしまってるいつしか埃と煙になるまで
2023年1月12日 14:12
昼なのに夜更けのような顔をして空気の流れのない部屋の抜け殻久方振りに陽を浴びたら泪が滲んで街が霞んだ陽を少々いただいて帰りたかったが歴史がそれを許さないだから私は陽のかがり火をひとつ胸に宿してぽっぽ ぽっぽと生きていく魂が火傷しないようにぬるいくらいの大きさで摘んだ枝先昼松明できれば私は孤独ではなくできれば私は貧相でもないもう少しだけ笑いの中でもう少しだけ風を
2023年1月10日 15:00
消えた彗星朧げな思考頼もしい星ロボットの月水の惑星暗い空間明るいのはただ水の惑星欲しい願いはずっとある消えた願いもずっとあるどっちも好きでどちらも無限に忘れない