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個を生かす教育を実現するための一手『松下村塾』に学ぶ和の教育観(前編)~令和の日本型学校教育の目指す学びとは?~ー『日本人のこころ』6ー
こんばんは。高杉です。
日本人に「和の心」を取り戻すというスローガンのもと
『和だちプロジェクト』の代表として活動しています。
令和6年は、
アメリカやロシア、台湾など
各地でリーダーや議会の構成を決める選挙が予定されていて、
世界情勢に大きな影響を与える国や地域で選挙が相次ぐ、
世界的な「選挙の年」と言われています。
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1月は、台湾での総選挙が行われ、
13日に投票が行われた台湾の総統選挙で、
与党・民進党の頼清徳氏が550万票を超える票を獲得し、
野党の2人の候補者を破って当選しました。
台湾で1996年に総統の直接選挙が始まってから初めて、
同じ政党が3期続けて政権を担うことになります。
民進党の頼清徳氏 558万6019票、
国民党の侯友宜氏 467万1021票、
民衆党の柯文哲氏 369万466票。
今回の争点は、
「中国との付き合い方」であると私は考えています。
台湾有事が現実味を増していく中、
我が国においても他人事ではありません。
辛くも、
野党が分裂したおかげで
中華民国として独立した構えでいる民進党が当選しましたが、
野党が統一していたらと考えるとたいへんなことになっていたかもしれません。
戦争を起こさせないためには、
自国を学び、国際情勢を読み解くこと。
これに尽きると思います。
これからも注視しつつ、
我が国を立て直すために、今回も
教育的な視点で一緒に学んでいきましょう!
最後までお付き合いいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
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1)我が国の教育はどのような仕組みになっているのか?
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皆さんは、『教育基本法』というものを知っていますか?
学校での教育は、この『教育基本法』をもとにして行われています。
『教育基本法』とは、
我が国の教育に関する基本的な考えや教育制度に関する
基本事項を定めた法律です。
教育に関するさまざまな法令の運用や解釈の基準となる
性格を持つことから、
いわゆる「教育界の憲法」として位置づけられています。
1947(昭和22)年に制定され、2006(平成18)年に改正しました。
これは、第一次安倍政権下で改正され、
『教育の目標』にはじめて、
「伝統と文化を尊重し、我が国と郷土を愛するとともに」
という条文が盛り込まれました。
『教育基本法』は、
前文と第1章から第4章までで構成されており、全部で18条まであります。
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義務教育とは、「国家戦略」です。
わが国をどのような方向にかじ取りしていくか、
その方向に向かって必要な人材を育てていくことが使命です。
しかし、
人を育てることは、簡単なことではありません。
教育者は人間であり、子供も人間です。
国が決めたことを、決まった教え方をして
わが国の将来を担う人材が育成されるかというわけではありません。
そこで、我が国では、
教育の「内容」と「方法」を分けて考えることにしました。
目指すべき「目標」と教えるべき「内容」については国が定め、
どうやってそれを実現するのかといった「方法」については
現場の教員が担っているのです。
つまり、役割分担をしているのです。
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そして、
『教育基本法』の理念の実現に向けて、
目指すべき「目標」と教えるべき「内容」を示し、
必要となる教育課程の基準を大綱的に定めたものを
『学習指導要領』と言います。
『学習指導要領』が果たす役割の一つは,
公の性質を有する 学校における教育水準を全国的に確保することです。
教育の指針(カリキュラムや教科書など)であり、
10年ごとに社会の変化に即したように改訂されます。
戦後から現在に至るまで、8回の改訂を経てきました。
子供たちの教科書や時間割は、これをもとに作られています。
2)現在の教育はどのようなことを大切にしているのか?
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そして、2017年に、小学校の学習指導要領が改訂されました。
現在は、この指導要領をもとに、教育が行われています。
今回の改訂は、僕はかなり画期的だと感じています。
「学力」の捉え方が改められたのです。
『学校教育法』の、
第30条第2項の「小学校教育の目標」には、
「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、
基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、
これらを活用して課題を解決するために必要な
思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、
主体的に学習に取り組む態度を養うことに、
特に意を用いなければならない」としています。
これは、学力の三要素と呼ばれ、
①何ができるようになるか
②どのように学ぶか
③何を学ぶか
が資質・能力の3つの柱として示されました。
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資質・能力の3つの柱は、社会と連携・共同しながら、
未来の創り手となるための重点とされています。
『学習指導要領』が次に改訂されるであろう2030年の社会は、
AIの台頭や国際情勢が目まぐるしく変動し、
社会的変化が加速度的に人間の予測を超えて進展する社会になる
と考えられ、
そのような予測困難な社会が展開する時代に、
一人一人が未来の創り手となるためには、
基礎的・基本的な知識や技能の習得によって、
「主体的・対話的で深い学び」が実現され、
その過程で「学び方」も身につけ、
臨機応変に対応することができる能力を育てることの必要性が
高まっているのです。
3)『令和の日本型学校教育』が目指すものとは?
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2021年1月26日に
中央教育審議会から」
「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して―すべての子供の可能性を引き出す、個別最適な学びと、共同的な学びの実現」
という答申が出されました。
『新学習指導要領』による教育活動が
小学校では、2020年4月に施行
中学校では、2021年4月に施行
高等学校では、2022年4月に施行された時期に
新学習指導要領を着実に実施するために出されたものでした。
このいわゆる『令和答申』では、
ICTの活用と少人数によるきめ細かな指導体制の整備により、
「個に応じた指導」を学習者視点から整理された概念である「個別最適な学び」と、
これまでも「日本型学校教育」において重視されてきた「協同的な学び」とを一体的に充実することを目指すことが示されていました。
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『令和答申』において、
子供たちの知・徳・体を一体ではぐくむ『日本型学校教育』の成果として、
・全ての子供たちに一定水準の教育を保障する平等面
・全人教育という面などについて諸外国から高く評価されている
ことを挙げています。
さらに、
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う長期休業を通して、
学校は、学習機会と学力を保障するという役割のみならず、
全人的な発達・成長を保障する役割や、
人と安全・安心につながることができる居場所・セーフティネットとして
身体的、精神的な健康を保障するという福祉的な役割を担っていることが
再認識されました。
特に、
全人格的な発達・成長の保障、居場所・セーフティネットとしての
福祉的役割は、
日本型学校教育の強みであると書かれています。
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その一方、
『日本型学校教育』の課題として、
・我が国の経済発展を支えるために、
『みんなと同じことができる』
『言われたことを言われたとおりにできる』上質で均等な労働者の育成が
高度経済成長期までの社会の要請として学校教育に求められてきた中で、
『正解(知識)の暗記』の比重が大きくなり、
『自ら課題を見つけ、それを解決する力』を育成するために、
他者と協働し、自ら考え抜く学びが十分なされていないのではないか。
・学校では、『みんなで同じことを、同じように』を過度に要求する面が
見られ、学校生活においても『同町圧力』を感じる子供が増えていった。
・社会の多様化が進み、画一的・同調的な学校文化が顕在化しやすくなった
面もあるが、このことが結果としていじめなどの問題や生きづらさを
もたらし、非合理的な精神論や努力主義、詰め込み教育などとの間で
負の循環が生じかねない。
・コロナショックによる学校の臨時休業中、子供たちは、
学校や教師からの指示・発信がないと、『何をしてよいかが分からず』
学びを止めてしまうという実態が見られた。これまでの学校教育は
自立した学習者を十分育てられていなかったのではないか。
などのことが挙げられています。
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このような現状を踏まえて、
「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実による
『日本型学校教育』をさらに進めていく必要があります。
この『令和答申』の中で、
僕が注目している考え方が「個別最適な学び」というものです。
「個別最適な学び」とは、
子供一人一人の特性や学習進度、学習到達度等に応じ、
指導方法・教材や学習時間等の柔軟な提供・設定を行うことなどの
『指導の個別化』
と
子供一人一人に応じた学習活動や学習課題に取り組む機会を
提供することで、子供自身が学習が最適となるように調整する
『学習の個性化』
を学習者視点から整理したものです。
この言葉を聞いた時に、
一番最初に想起したことが江戸時代まで行われていた
「寺子屋教育」や「私塾での教育」でした。
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学びって
もともと「なんか気になる」「なんか面白そう」という
知的好奇心を満たしたり
知る楽しさを得るものだと思います。
学校教育の役割は、
みんな同じように能力を高め、平均点を上げることではない。
それぞれに個としての能力を高め
自分の持ち味を自覚し
社会の中で自分をうまく活かせる場所を見つける能力を養うこと。
そんな体験を学校でできるようにしたい。
僕はこのように考えています。
![](https://assets.st-note.com/img/1706420559726-MGwIv4Y7JE.jpg?width=1200)
わが国では、古来より
「子は国の宝である」とされてきました。
一人一人の子供が
自分小よさや可能性を認識するとともに、
他者を価値のあるぞんざいとして尊重し、
多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、
豊かな人生を切り拓き、
持続可能な社会の創り手となることができるように、
今回は、
子を活かす教育を実現するための一手
『松下村塾』に学ぶ和の教育観という主題で
お話をさせていただきます
次回以降、
順番にお話をしていきます。
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国民一人一人が良心を持ち、
それを道標に自らが正直に、勤勉に、
かつお互いに思いやりをもって励めば、文化も経済も大いに発展し、
豊かで幸福な生活を実現できる。
極東の一小国が、明治・大正を通じて、
わずか半世紀で世界五大国の一角を担うという奇跡が実現したのは
この底力の結果です。
昭和の大東亜戦争では、
数十倍の経済力をもつ列強に対して何年も戦い抜きました。
その底力を恐れた列強は、
占領下において、教育勅語と修身教育を廃止させたのです。
戦前の修身教育で育った世代は、
その底力をもって戦後の経済復興を実現してくれました。
しかし、
その世代が引退し、戦後教育で育った世代が社会の中核になると、
経済もバブルから「失われた30年」という迷走を続けました。
道徳力が落ちれば、底力を失い、国力が衰え、政治も混迷します。
![](https://assets.st-note.com/img/1706420632321-0fMMm9s6Ag.jpg?width=1200)
「国家百年の計は教育にあり」
という言葉があります。
教育とは、
家庭や学校、地域、職場など
あらゆる場であらゆる立場の国民が何らかのかたちで貢献することができる分野です。
教育を学校や文科省に丸投げするのではなく、
国民一人一人の取り組むべき責任があると考えるべきだと思います。
教育とは国家戦略。
『国民の修身』に代表されるように、
今の時代だからこそ、道徳教育の再興が日本復活の一手になる。
「戦前の教育は軍国主義だった」
などという批判がありますが、
実情を知っている人はどれほどいるのでしょうか。
江戸時代以前からの家庭や寺子屋、地域などによる教育伝統に根ざし、
明治以降の近代化努力を注いで形成してきた
我が国固有の教育伝統を見つめなおすことにより、
令和時代の我が国に
『日本人のこころ(和の精神)』を取り戻すための教育の在り方について
皆様と一緒に考えていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。