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Night Bird Flying

2億の詐欺事件でジミヘン君達は執行猶予の判決が下っていた.
「なにもしてないよ」
よく,ジミヘン君が言ってた言葉だった.

「Jelly君,元気してんの?」
ジミヘン君は笑っていた.
「大丈夫だったんですか?」
「まぁ,大変よねぇ〜,これからさ.それよりJelly君最近なにしてんの?」
「なにもしてませんよ」
「あははは」
ジミヘン君はホントにあはははと笑う.
「あのさ,ちょっと家具運ぶの手伝ってくれない?」

言われた場所は,どこか静謐な雰囲気があるマンションだった.
部屋にあがるとコンクリートの打ちっぱなしに20畳ぐらいのリビングキッチンと10畳ぐらいの寝室がある部屋だった.
部屋はある程度片付けてあった.

壁にジミヘンのイカした絵が飾ってあった.

とりあえずWEEDを吸ってやるのだけど,グダグダで,家具運びなんてぜんぜん進まなかった.
たしか,ベットを1つだけクルマに積んだぐらいだった.
「このくらいでいいや」
「えっー,コレでいいんですか?」

あはははと笑ってジミヘン君はありがとうと言った.そして,キーホルダーからガボールのライオンのカタチをしたペンダントヘッドを取って,オレにくれた.

数ヶ月が過ぎてジミヘン君から連絡があった.
「Jelly君さ,すこし東京に行ってくるから,少しの間連絡できない.またこっちから連絡するね.あははは」
「東京でなにするですか?」
「なにもしないよ」
「んなことないでしょう」
流石にコレはつっこんだ…
「まぁ,また連絡するよ」
そう言って電話は切れた.

数日後知らない番号で電話が鳴った.
ジミヘン君だった.
「Jelly君さ,最近何してんの?」
いつもの会話だった
「なにもしてませんよ」
「それじゃさ,東京に来る?」
「いいんですか?」
オレは次のシノギを探していた.

少し沈黙があった.

「いいよ」

その時の紫煙はカネの匂いがした.

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