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【詩】実存の彼方へ

反実存の新境地に立つことを
いつからか夢見ていた詩人は
住み慣れた廃墟に背を向けて
旅に出た
転調の嵐の中
実存の彼方へと

旅の途中で
詩人は立ち止まり
その手のひらを見つめる

ああ 生きていた
ああ 生きている
―それが存在だと信じて―

だが詩人は複雑な性格の風を
不覚にも彼自身と同一視する

詩人は再び
生死の巧みな罠に誘引される

―生きているのだろうか
自然に死んでいるのだろうか―

ただいびつな季節は流れていった

終わりの見えなかった嵐がようやく去っても
青空を映す廃墟は
廃墟でありつづけた
悲しいほどに正確に
廃墟でありつづけた



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