もじゅ

フィクションとノンフィクションと妄想の間。上向きな時と俯きな時を繰り返しながら、誰かに聞いてほしいことと、誰かに頷いてほしいことを書いてこうかいしてます。アホみたいに暗い時も何かを好きな時も自分なので。

もじゅ

フィクションとノンフィクションと妄想の間。上向きな時と俯きな時を繰り返しながら、誰かに聞いてほしいことと、誰かに頷いてほしいことを書いてこうかいしてます。アホみたいに暗い時も何かを好きな時も自分なので。

最近の記事

家族の記録(わたしの言語化と備忘録)

いくつも未完の記事があるのに、書きたい出来事はあるのに伝えたい内容がないことに気づいて、かけるだけ書いて下書きに突っ込んでしまう。 それは多分、私自身の備忘録で、思い出の写真の代わりで、もっと素直に思ったことなのだろうとはわかっているのだけれど、それをまるで裸になるように開けっぴろげに綴ることにまだ抵抗感があるのかもしれない。 私は外向的な性格だと長年思い込んでいたけれど、それは社交性であって、実は半分は外向的であり、残り半分はとても内向的であることを大人になってMBTIや

    • 夏の景色

      夏は夕暮れ、 冬のマジックアワーは濃く深く、強い夜の印象があるのに比べて、夏は穏やかに鮮やかに薄暗くなっていく 大きく吸い込むとなんだか肺にたくさん空気が入る気がした。

      • 彼女からの手紙

        高校生の頃まで、毎月のように日本の友人と手紙のやり取りをしていた。大したことはない。普段の愚痴を聞いてそれに返信して、こっちの状況を書いたら、関ジャニ∞はきっと八人になると言う話と新曲の話を書き、3ドル前後の切手を郵便局で買い「AIR MAIL」と書いて出した。 高校最後の手紙には「関ジャニ∞はもう8人には戻らないと思う」と書かれていたことだけ覚えている。 大学の時もやりとりは続いたが、私が鬱を患ってしまった。文字を書くどころか、メールへの返信もできなかった。両親とのやりと

        • morning glory

          夏の朝の匂いがする。 6月下旬の土曜日の午前4時のこと。 宅配ボックスに入れたままの荷物の引き上げと、ゴミ捨てに薄明るくなり始めた外へ出た。 夏至が3日ほど前に過ぎたところだ。4時になるともう明るい。ここから先は日が短くなるばかりだ。 虫の声も聞こえない時間帯、外に出て、まだ陽のあがらない薄明の空を見ると夏の朝の匂いがした。 匂いの種類で言うならば、朝露の匂いだ。土草アスファルト、地面に近いところが湿り気を帯びている匂い。肌寒いとは言わないけど風がなくともひやりと涼しい気

          物を持つということ、捨てるということ

          物を捨てるのが苦手だ。昔からずっとだ。 小学生の頃、バレンタインや誕生日に友人からもらったプレゼントの包み紙が捨てられなかった。可愛かったというのもあるけれど、それも込みでプレゼントだと思っていたので、もらったものを一部でも捨てるのに罪悪感があった。 使わなくなった教科書やプリントを捨てるのも苦手だった。いつかまた開きたいと思う日が来るかもしれないと思っていたし、それは正しく今思うことだ。 小学校の頃読んだ「ずうっとずっと大すきだよ」も「あの坂をのぼれば」も「つりばしわたれ」

          物を持つということ、捨てるということ

          「煙たい話」紹介感想文

          懇意にしている人を紹介する時に、いつもその関係性の名前を気にしてしまう。 親友というと厚かましい気がするし、悪友とは表立って呼ぶもんじゃない。友人と呼ぶと薄さと軽さが気になるし、同僚と呼ぶと難しい。 大人になるまではよかった。同期とか同じクラスの、とか何が共通点かで表すことが沢山できたのに。友達だ知人だと、深度が違う相手を全部ひっくるめて同じカテゴリーに入れるのに今でも少し違和感がある。 そもそも、私の人間関係なんて大きなグループで一括りにする以外はその人は私に取って唯一無

          「煙たい話」紹介感想文

          第101回目天皇杯決勝戦-敗戦備忘録

          ※試合後に書いていますのでできるだけリプレイや速報を確認しながら書いていますが情報に齟齬があったら申し訳ありません。私の気持ちの備忘録です。 我々は皆勝ちに飢えていた。 ヴァンフォーレ甲府、現在J2で18位。J2残留を争い一戦一戦に緊張感がある。降格を控える21位とは勝ち点8の差という降格争いをしているチーム。 かたや、サンフレッチェ広島。過去天皇杯を決勝で5度逃している。1月1日に何度も辛酸を舐め、6度目のチャンスをやっと手にした。 とはいえ、私が応援するサンフレッチ

          第101回目天皇杯決勝戦-敗戦備忘録

          幼馴染が結婚するらしい

          幼馴染が結婚する。   アラサーの私が小学校入学して出会った数少ない男友達で、20年来悪友を続けてくれた幼馴染が結婚する、らしい。   出会いは語れるほど鮮明ではなく、まったくといっていいほど覚えていない。入学式の日、教室で彼が自分の斜め後ろに座っていたことは覚えている。ただ、会話した記憶もない。覚えているのは仲良くなってからの記憶ばかりだ。でも、私の人格形成を行なったのは限りなく彼の存在のおかげに等しい。   彼と出会った小学一年生の時生まれた末の弟以外、姉妹ばかりの家庭

          幼馴染が結婚するらしい

          『恋だろ』という楽曲

          数年前、wacciの「別の人の彼女になったよ」にハマったところ、友人に「男の理想だけで語ってる『元カノにこう思っててほしい』という欲が詰まってて嫌だ」と言われて、確かにな、と思った。 元彼に宛てた歌で、今の彼氏はこんなに大人で素敵なのよというマウントで今カレ「あげ」をしつつ、最終的にちょっと感情的で同じ目線な元カレのそういう子供っぽいとこがまだちょっと好きで未練たらたらみたいな歌詞である。 結局、肯定されたい元彼の歌を元彼女目線で歌わせている。 あなたも早く恋人作りなって言い

          『恋だろ』という楽曲

          人生で大事な瞬間

          春。女子ばかりの大学の寮、4月の頭。ちょうど毎年新入生が入ってくる時期になると、いつからあるのかってくらい黒く古びた木の窓枠にハマる窓のレースカーテン越しに桜が満開になっていた。 その桜を友人たちと屋上のへりに腰掛けながら、ただただのんびりと「きれいだねえ」とだけ言って、眺めていた。淡い桃色に咲き誇る視界いっぱいの桜の中でいつもと変わらぬ部屋着の友人たちが笑う。いつもある日々と、期間限定の光景が織りなす思い出。春になると何度も思い出すその景色が好きだ。陽が高く暖かくなってくる

          人生で大事な瞬間

          錦戸亮くんが好きだった

          2019-09-13に書いた記事です よし、錦戸亮くんについて書こう、と思い立った。   彼の脱退の話題が出た先週の木曜日、私は衝撃のニュースに打ちひしがられていた。業務どころではなかったが、仕事は山積みだった。学生時代に少し好きだったことを知っていた友人が「忙しくなければ、今の気持ちを教えて。」と連絡をくれたので「今めちゃくちゃ忙しい」と書いて、1週間待たせて長いメッセージを送った。あまりの長さに、「はてなブログにでも載せたら読んでくれる人がいるんじゃない?」と言ったのだ

          錦戸亮くんが好きだった

          心裂くような悲しみもいつかは消える

          タイトルの「心を裂くような悲しみもいつか消える」は、「風化する」のか、「治る」なのか、悲しみではなく「痛み」なのか、どれがしっくりくるかわからなかった。書き始めた今ですら悩むような文章だ。   平成の最後に、ヒトリエのVo. wowaka が亡くなった。ボーカロイドの作詞作曲時代に好きな曲を何度か聞いたことのある程度の俄かに覚えのある程度の人だった。ヒトリエというバンド名は耳にしたことがあるが、曲は聴いたことなかった。   最後のアルバムに収録された“SLEEPWALK”は随

          心裂くような悲しみもいつかは消える

          飯が不味くて生きていけるか

          明け方眠りについた土曜日の正午過ぎ、午後一の便の配達か、インターホンが鳴った。リモートワークのおかげで自分で頼んだ宅配便は平日に受け取りきったと思っていたはずだったが、昨晩買い物した覚えのない「配達予定日」のメールを確認したところだった。 インターホン越しに軽く返事をして寝巻きのまま玄関口に立つ。受け取った荷物の依頼人はあまり見慣れぬ名前だった。親友の旦那だ。付き合って数年、結婚してもう1年以上になる。友人の彼氏に似た響きの名前が多く今までちゃんと字面まで覚えられなかったが、

          飯が不味くて生きていけるか

          私はきっと死なない

          西日の中、洗濯物をハンガーにかけながら死ぬ算段をしているのがあまりにも滑稽で悲しくて、嗚咽をこぼして泣いた。‬ 世界が終わるような夏がきた。蔓延るウイルスの脅威に怯える用心な人とそうでない呑気な人の境目がエンボス調くらいはっきりする世の中だ。心に薄く闇を落とし、「そこまで神経質にならなくても」という嘲りと、「何て無神経な」という蔑視が入り混じる世の中だ。いい加減なテレビ番組と政治家のホラを信じて、スーパーマーケットから衛生用品がなくなる。何を信じても信じなくても、心がすり切

          私はきっと死なない