家族の記録(わたしの言語化と備忘録)
いくつも未完の記事があるのに、書きたい出来事はあるのに伝えたい内容がないことに気づいて、かけるだけ書いて下書きに突っ込んでしまう。
それは多分、私自身の備忘録で、思い出の写真の代わりで、もっと素直に思ったことなのだろうとはわかっているのだけれど、それをまるで裸になるように開けっぴろげに綴ることにまだ抵抗感があるのかもしれない。
私は外向的な性格だと長年思い込んでいたけれど、それは社交性であって、実は半分は外向的であり、残り半分はとても内向的であることを大人になってMBTIや心療内科での診察で初めて知った。
外に外に発信して自分のことを知り、言葉をまとめて、考え直してと繰り返したり、他人からの言葉を聞いてなるほどと考え方を改めることもあるが(これが謂わゆる、外向的な部分である)私は元来とても頑固でこうだと思ったものを正直曲げることが少ない。何度も自分の頭の中で言語化して、エッセイのように声にも文字にも起こさず文章化することで考えを石膏を重ねるように何度も塗り固める。何度も自分に問いかけ、自分の中に一つの仮説や意見(statement)として持つように思う。
その行為は何度も何度も繰り返されて、凝り固まるようになる。かれこれ気づいた時からそうやって考えるようになり、ずっと文章が頭の中で渦巻いてるみたいなのだ。
なので、正直な話、自由論文というのは1番やりにくい。何かのお題を与えられて、それについて肯定か否定かを論じた方が早い。でも人生はそんなに楽じゃない。生活にいろんなことを考え、肯定も否定もひっくるめて悩みながら生きている。
なので、それにストレスを感じるくらいなら記事の起承転結など丸無視で、自分の思い出を少しだけ書こうと思う。
本当の備忘録である。
私の仲良しな家族についての備忘録をいくつか書いて、起承、小話、小話、小話みたいな作りにしてしまおうという魂胆である。
この先は転も結もない自由だ。
祖父の庭は古い家屋と蔵にぐるりと囲まれた内側にある中庭のような造りで、昔から立派だと家の人以外からも褒められるものだった。和庭園の雑誌に載ったこともあるらしい。私が幼い頃も、祖父はその庭の手入れをよくしていたが、風呂や洗濯などの水場の近くにはスズランが植えてあった。母の出産が基本的に夏近かったことや、北陸の雪の地域なため冬には赴き辛く、お盆によくお邪魔していたこともあり、私はその庭にある夏の花しかよく知らないという前提もあるだろう。けれど、私は小さな白い花を鈴なりにつけるそのスズランが大好きだった。
好きな花はいくつもあるが、1番と名をつけるなら、多分そのうちのひとつにスズランが入ると思う。
スズランが好きだと言うと、母も「お母さんも好き」と言っていた。「お母さんがお嫁に行く時は、おじいちゃんの家のスズランをブーケにして持たせてもらったよ」と教えられて、私は一層この花が好きになった。
私には2人の妹がいて、上の妹だけが国内に残って地元の中学に行き、普通の高校に通って普通の大学を卒業した。割と真面目でドライな性格だと思っていたが、よく考えたら映る写真は昔からちょけていたし、ムービーを撮ると歩き方もなんだか面白い風に近寄ってきたりと、意外にもお調子者であることを思い出した。思春期を経てかっこつけているだけで、今だって割と人のことをおちょくるのが好きなお調子ものな気がする。
私は12歳で家を出て寮生活をしたり家に戻ったりしているので、思春期の彼女と過ごした時間は一年でも多くて2ヶ月程度、妹の部活や授業時間を考えれば正直、年にそう多くの時間を共にしなかったけど、割といい奴であることは知っている。
そして、私があんまりよく知らない理由の一つが、妹2人が年子で仲良しだからということもある。いまだに実家で風呂は一緒に入るし、同県に住んでるのでよくあっている。私が知らないことでもお互いが知っていることがある。なんだかんだ2人は姉妹思いだ。
上の妹は、下の妹が生まれた頃一才を過ぎて1ヶ月ほどの年だった。その頃から上の妹は既に下の妹が可愛くて、ベビーベッドの上から自分のおもちゃを貸してあげていたらしい。突如降ってくる障害物のせいで、下の妹は随分早く寝返りを覚えたというのは、母が何度も私たちにするお得意の思い出話でもある。
昔、最近はLINEに移行してしまったけれど、両親の誕生日や同居の祖母の誕生日に手紙を書いていた。1人一通ずつが、たまにみんなで一通にはなりながらも、プレゼントに一筆添えるのが通例だった。
小さかった次女(上の妹)は、父の誕生日の手紙に「大きくなったらコレになりたいです」と矢印を足して、メモの下に描かれたカエルが跳び箱を跳んでいる姿を示した。父が「次女はカエルになりたいんか?」と聞いて、次女を泣かした。
その時次女は、体育の先生になりたかったらしい。体育の先生にはならなかったが、父のデリカシーのなさは受け継がれて次女にある。
おわり
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