文体練習 その4
アーシュラ・K・ル=グウィン『文体の舵をとれ』を読んで、文章の練習。
昨日と同じ題材(内容)で、書き方を変えてみる課題。数えてみると、700字を軽くオーバーしている。。。
簡潔にあっさりの昨日と、今日はダラダラと思うがままに「意識の流れ」を意識して挑戦した。
【700字で1文を作る】
ふと目が覚めると、カーテンの外は明るく、朝の鳥がひよひよと鳴いていて、時折カラスががあがあと、その朝鳥を殺してしまわんばかりに鳴き喚くのが聞こえ、ぽっかりと起きた今の正確な時間を求め、枕元の目覚まし時計を手探るも空振りで、今朝に限ってまたスマホもなく、自分は一体何時に起きたのかと、すうっと胃袋が冷えて、慌ててベッドから飛び降りて、パジャマのまま部屋中を目覚まし時計とスマホを求めて歩き回りながら、なぜ時計なんてスマホと目覚まし時計ひとつすつあれば十分と思ったのか、予備の時計を持たなかった過去の自分に地団駄を踏み、私のアホ! と何度となく心の中で罵って、なのに未だに目覚まし時計もスマホも見つからず、時間の分からない焦燥感だけがもくもくと入道雲のように大きく育っていくのをただ胸の中で感じて、焦りはだんだんイライラに変わり、私は頭を掻き毟り、とうにやめたはずの指を鳴らす癖がまたやってきて、ぼきぼきと指を鳴らし、イライラで指をへし折りたくなって、呑気な朝鳥やカラス鳴き声に殺意さえ覚えて、ついに、やかましいわ! とワンルームの静かな誰もいない朝に怒鳴りつけ、もちろん誰も鳥たちの鳴き声をとめる人はおらず、鳥たちは好き勝手鳴き、そして起きてから確実に数十分は経っているのにも関わらず、パジャマ姿でうろうろと時計とスマホを探し求めている滑稽さに、情けないやら、虚しいやら、朝の忙しい時間に時計探しなんてしている場合ではないのにと歯噛みをし、小さな汚部屋をぐるりと見渡し、掃除の行き届いていないこと、整理整頓のいい加減さ、ここにホコリがとか、なくなったと思っていたキーホルダーがとかと、新たな発見をする度に打ちのめされと、だんだん憂鬱な気分になって疲れてきた頃、リーンと微かな目覚まし時計の音が聞こえてき、私は顔を上げて憂鬱や緊張から、安堵に変わっていく自分の頬の緩みを感じ、心の中で喜びにはねおどる自分を、待て待てまだ時計は見つかっていないと鎮めながらも、もう安心だと一定程度の余裕を感じて、時計探しを再開しつつ、音の出処を宝探しでもするかのように、こちらの本をどけ、あちらの雑誌をどけ、化粧ポーチをどけ、コードの絡まったアイロンたちをズルズルと引っ張りと、しかしながら、リーンと音はするのに未だ現れない時計に、先程の余裕も目減りしていき、焦りがぶり返してくるのを感じて、いよいよ疲れてしまい、1回水でも飲んで一息入れようと、冷蔵庫を開けると、けたたましい時計の音が部屋中に鳴り響くので、私は目を瞬かせ、ああ、昨日の夜酔っぱらって、腐らないようにとここにしまったのらしいとようやく思い出して、時計のスイッチを切った。
ふたつを書いてみて、簡潔(1文15文字)は、明らかに書き慣れず、とても辛い。
かと言って、700字(オーバーしているけど)の1文もかなり大変。
中途半端な、冗長で、だらだら文は好きらしい。加減が難しいけど、私の場合は文体をもっとスリムにさせた方がよさそう、と学んだ。やってみるって大事。
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