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mhr
2023年7月24日 18:22
「君は少しどうかしてるね」ときみがいう 私をどうかさせてるきみがああ月よ 人恋しさから見る月よ 素知らぬ顔をしていておくれ甘さばかり覚えた十代、溶け残り続ける苦さに喘ぐ廿代早く早く早く大人になりたくてピンクの絵の具をぶち撒いていただからちゃんと押さえてなさいと言ったでしょう 吹けばどこまでも飛んでく幸いひとしきり終わりのふりをやり終えて次は始まりのふりを始める星、眠る瞬間を
2022年11月19日 17:35
清潔な朝を迎えるそのために葬り去るべく命、私(わたくし)生活がわからないので家事ばかりしている 汚すために洗う皿君のつく信じた方が得な嘘 煙と鬱は春の季語らしい白骨化死体(前世の僕である)河川敷にてやっと見つかる「趣味・特技に呪いと書いてありますが」「かけるかけられる、どっちもいけます」溶岩流にも似た怒りを丁寧に濾過した液だ味わって飲め息絶えて今世に見た四季はみな彼女の夢で
2022年9月10日 07:56
往来で私が死んでみんなにはそれが砕けた硝子に見えてる泣かないと決めたから今日みたいな日は淋しい音を鳴らして過ごすよ風は一つしかないいつもおなじ風ぼくを蹴飛ばせあの子を撫でろ百年後も君の立つ場所に窓はあり覗けば僕が微笑むだろう君となり二日後気づく意外にも耳の大きさを気にしていること溜め込んだ二箇年分の薬餌以て己が命を人質に取るすみずみに不浄なる血の駆け巡る憎き女体を有し生きを
2022年7月29日 13:32
よしなさいなんでも口に入れるのはレモングラスはレモンじゃないよどこまでもただ透明である君のどこにも僕の影は映らず炎天に兼ねてより殺したい人のまぼろし見かけゴーヤを握る香らない花ばかり咲く 私(わたくし)を責めんばかりに首俯けていつ・誰が・どのようにして・どれくらい・どうして死んで行ったのですか?さらわれて強張る素足 浜辺には海に赦されたいものばかり忘れられないまま笑って生き
2022年5月20日 19:33
「ボールペン ウェットティッシュ しにてー」と書かれたメモが置いてあるデスク街が終わるらしいと聞いてそこを出たエンドロールに載りたくなかったこのファイルは壊れていますとじるひらく壊れているって言ってんでしょうが8点の答案丸め思うのは「この席あんまり好きじゃないもん」誰にでも故郷がある馬小屋に、産婦人科に、公衆トイレにきっともうどこにも閉じ込められないで済むよう君は光になった
2022年4月23日 15:19
退屈な君はあとがき読み流し倦み疲れても花うつくしく夕凪に紛れ切らない死の匂い わかれわかれになる海と空明日からの滅亡のこと報されず三角関数解いていました僕だけがたいへん怯えて危ながる君の秘密を皆知っている「冷えやすい指はパティシエ向きだって」語りし友がパン屋を開くしんとして立方の槽に収まりき かつては自由だった水たち春陽がやさしさならば夏空の光は兵器(ウェポン)逃げ遅れるな
2022年3月16日 11:02
眼裏に西日は染みつきこすってもこすっても強く赤く光るだけここにいるみんなときょうだいだった日が確かにあったような気がするやさしくて淡いものからいなくなる遠くの船の灯りみたいに星屑が私めがけて落ちてくる斯くして命を加速させよと(最短で死に向かうだけになりますが)不要なパートをスキップしますか?その日から君の胎にはおびただしい孤独が宿り産まれては死に人々が平和を祈る今日ですらま
2022年2月5日 12:43
いくつもの水平線を見たそれがひと繋がりになるとも知らずいっせいに幸福の意味が書き変わる彼女の生まれた水曜日の朝掬い上げられる期待は高まれば高まるほどにこの身を沈める来世では南アルプスの山脈で磨かれて君の喉を通りたい徐に花瓶の水を捨てる時誰のためでもない僕がいる
2022年1月6日 23:27
生ハムを四つに畳んで食むことが君の世界のルールその三猥雑な夜だけを往くあの子らはあたしの知らない言葉で喋る図書館に中島らもが一冊も置いてないような街に住んでる「どうか今すぐ死んでね」と言えないで頬の内側をつよくつよく噛む偏食も不貞も粗野も完治してもう君ではない君に似た人全部元に戻してください さもなくば成城石井に連れてってください去る季節憂う瞳の奥行きにその気にさせられてば
2021年9月14日 12:41
もう意味を失った嘘を放り込んで煮えない鍋は静かに焦げるはにかんだ口元の傍の窪みから天使が睨んでいるようで怖い「すみません、命に価値はありますか」「そこにないならないですね多分」水と熱とを淀みなく流すための通り道でしかない 人などは銀色の脳浮き上がり六月のカレンダーにもやさしくなれる今日だけは薬をやめて僕たちの歴史を変えるようなキスをしよう修飾はいらないすぐに取り去って露わに
2021年5月27日 01:31
霧雨が濡らす藤棚の内に居て守られていたきっと誰かに陰影を宿せとばかり急き立てる理不尽なペン先はいつも黒薬剤は夜を短くしてくれたのか或いは奪っていったのか主体的避妊ができるようになるまでは犬など飼ってはいけないヤクルトの蓋ひとつ上手く開けられずどうして生きてゆかれるだろう持ち物をくださいどうか温かく壊れることのない持ち物を見せてくれ磨いた君の感性とそれに至った経緯をすべて
2021年4月12日 10:20
遠目には視えていたんだそう確かにまばゆく淡い愛のようなものいつかこの皮膚が透明になったなら日の暮れるまで心臓を見る気取りだと言われた僕の悲哀には絶望感が足りないらしい現実を抜け出たところでどこへゆく四次元にあてがあるわけもなし性交を伴う愛しか知らぬまま私はそういう闇の中で死ぬ正常に機能させられているうちは僕らは何も大丈夫でない逆立ちをしてもaikoにはなれぬよう誰も私にはな
2021年3月13日 11:18
もぎ取った桃の実一つ僕らには過ぎた持ち物それ一つさえ飼い犬に愛されなかった人たちが行けないところそれが天国文学のようなツラした青年に群がる少女たちという茶番自撮りにも鮮度ってあるの賞味期限切れたらただの生ゴミよ棄てて亡くなった人の肉声を聴く時の気持ちだよあれを愛惜と呼ぶ自意識の処理なら甘くしておいた誰でもいいから見破ってよ、ほらもし仮に嘘であったとしても尚、柔らかな肌の素直
2021年3月11日 12:14
総レースに編まれた君の心臓を纏って僕は完全になりたい「あなたには分からなくていい苦しみよ」と静かに言った 柔らかな拒絶土星にも六月があればよいのだけど 式場予約入れておくから初めから何もなかった あったことにしていただけだ なかった、何もバイト帰り天使のようなものを見た過労も悪くないなと思った花を見る美しさから花を見る君への憎悪から花を見る午睡から目覚めた夕の窓辺には生き物