短歌6
生ハムを四つに畳んで食むことが君の世界のルールその三
猥雑な夜だけを往くあの子らはあたしの知らない言葉で喋る
図書館に中島らもが一冊も置いてないような街に住んでる
「どうか今すぐ死んでね」と言えないで頬の内側をつよくつよく噛む
偏食も不貞も粗野も完治してもう君ではない君に似た人
全部元に戻してください さもなくば成城石井に連れてってください
去る季節憂う瞳の奥行きにその気にさせられてばかりいる
君の手を滑り落ちたもの一箇所に集めてせーので踏みつける秋
首筋に四角いなにかが埋まってて時々しゃべるの「ウォッチング・ユー」って
人のゆく倫さえゆけぬおれたちは気高き地獄で会おう おやすみ
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