短歌10
よしなさいなんでも口に入れるのはレモングラスはレモンじゃないよ
どこまでもただ透明である君のどこにも僕の影は映らず
炎天に兼ねてより殺したい人のまぼろし見かけゴーヤを握る
香らない花ばかり咲く 私(わたくし)を責めんばかりに首俯けて
いつ・誰が・どのようにして・どれくらい・どうして死んで行ったのですか?
さらわれて強張る素足 浜辺には海に赦されたいものばかり
忘れられないまま笑って生きてよい遠い街からブレーキの音
今はまだ柔いかなしみの輪郭もいずれは君に似つかわしくなる
甲高く笑い興じる夜ぼくはぼくであることを失念している
全てとは全てを知らぬ私から衝いて出る言葉 火曜日ですね