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短歌3
遠目には視えていたんだそう確かにまばゆく淡い愛のようなもの
いつかこの皮膚が透明になったなら日の暮れるまで心臓を見る
気取りだと言われた僕の悲哀には絶望感が足りないらしい
現実を抜け出たところでどこへゆく四次元にあてがあるわけもなし
性交を伴う愛しか知らぬまま私はそういう闇の中で死ぬ
正常に機能させられているうちは僕らは何も大丈夫でない
逆立ちをしてもaikoにはなれぬよう誰も私にはなれないんだよな
引きずっているのは影ではありませんこれは捨て切れなかった思い出
目を閉じて開けてを二十四年間繰り返しただけ神様、どうして
いつだって透明な湯気立ちのぼる僕らのからだ ひた走ってゆけ