短歌13
「君は少しどうかしてるね」ときみがいう 私をどうかさせてるきみが
ああ月よ 人恋しさから見る月よ 素知らぬ顔をしていておくれ
甘さばかり覚えた十代、溶け残り続ける苦さに喘ぐ廿代
早く早く早く大人になりたくてピンクの絵の具をぶち撒いていた
だからちゃんと押さえてなさいと言ったでしょう 吹けばどこまでも飛んでく幸い
ひとしきり終わりのふりをやり終えて次は始まりのふりを始める
星、眠る瞬間を視た、僕だけはおまえをきっと忘れないだろう
傷つけてぐちゃぐちゃのそこを覗き見てなんにもなくて、なんにもないんだ
感受する機能をここで永遠に手放す 精薄のみが持つ希望
たまらなく喧嘩がしたい その後でうんと優しくするからお願い