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短歌2


もぎ取った桃の実一つ僕らには過ぎた持ち物それ一つさえ


飼い犬に愛されなかった人たちが行けないところそれが天国


文学のようなツラした青年に群がる少女たちという茶番


自撮りにも鮮度ってあるの賞味期限切れたらただの生ゴミよ棄てて


亡くなった人の肉声を聴く時の気持ちだよあれを愛惜と呼ぶ


自意識の処理なら甘くしておいた誰でもいいから見破ってよ、ほら


もし仮に嘘であったとしても尚、柔らかな肌の素直さを想う


八歳の頃からの付き合いになる悪い奴じゃない名前はタナトス


取り込まれたい食物や水なんかよりも深くに君の深くへ


今、夏が階段くだる僕の傍(わき)不本意そうに転げ落ちてった


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