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2022年12月の記事一覧
【詩】港の見える階段で
港の見える階段で
ふたりでりんご味のワッフル
半分にして食べた
その少し前に
わたしは大したことない
理由で泣きだして
そのことで少し口論になったので
甘いはずのワッフルが甘くなくて
それもせつなくてまた泣きそうになった
もう、あの日の出来事は
思い出と呼べるくらいの年月が経ち
現在はおたがい他の恋人がいるので
あの林檎味のワッフルを食べることも
港の見える階段に座ることもないでしょう
【詩】今夜、優しく抱きしめて。
あたたかな温もり
剃り残した髭のじょりじょりとした感触
寝起きのハスキーな声
もう終わった恋愛だけど
あなたとの沢山のことが記憶の中にのこっている
記憶はあいまいになってゆくけれど
だけどふとした瞬間に
あなたを思いだすよ
ふたりで行った場所
あなたと同じ香水のかおり
一緒に撮った写真も
今夜、わたしとあの夜と同じように
優しく抱きしめて。
【24歳の葛藤】
【詩】SkyFish
何が良くて
何が悪いのか
本当のことなんて
わたしもあなたも
知らないことだから
自分のやりたいと思うことを
全力でやるべきだ
本当のことなんて
わたしもあなたも
世界中のだれだって
解らないことだから
これからやることに対して
誰にも批判を言わせたりはしない
【16歳の光と影】
【詩】あるいは現実と呼ばれる過去
私たちはあの日
妙に機嫌がよくて
意味もなく笑いころげていたね
世界が自分たちを中心に
まわっているんじゃないかと
ばかげたことを本気で考えながら
だけど
この恋愛に未来はないと
感じたのはいつからだろう
手のひらの指の隙間から
こぼれ落ちる現実
あるいは現実と呼ばれる過去
こぼれ落ちてしまったものを
拾ってはいけない
それらは思い出にするべきであり
後ろをふり返ることも禁止だ
【23
【詩】こどく・その後
幼いころから
集団行動がにがてだった
協調性を要求されると
ひとりの方が気楽だとも思っていた
愛想笑いと
お世辞を上手に使いこなせば
世渡りはかんたんに出来るとさえ考えていた
だけど、酷くこどくだった。
家に帰ればひとりだったし
友人もそれぞれの時間があった
それだけがこどくだと思う
原因ではないけれど
ただ、淋しくて仕方なかった
彼に出逢うまで
ひとりで何かに没頭している時間が
いちば
【詩】ラッシュアワー
私たちの関係って
まるでアレだね
朝の通勤ラッシュの
満員でんしゃのなか
人混みに紛れるように
感情がながされて
見失って押しつぶされて
散りばめられてゆく
それでも
私っていう存在を
きちんと見つけてくれる
同じ場所から乗って
同じ場所で降りる
それでいいんだよね?
22歳の記憶