人事の原理原則をまなぶ - パフォーマンス マネジメントと評価
こんにちは! メルカリのHR部門でマネージャーをしている@_tweeeety_です。
ぼくは、Software Engineer / Engineering Managerがキャリアの大半だったところから、人事へ興味をもちHRへジョブチェンジをしました。そのため人事経験が浅いです。(「なぜ人事へ興味を持ったの?」という話しはここでは割愛します。気になったら直接きいてください)
そこで、人事の原理原則を学ぶために「Every HR Academy」という講座を受講しました。このnoteでは、今年のふりかえりも兼ねて本講座を通しての人事領域に対する自分なりの学びや備忘録をまとめます。
このnoteのテーマは「パフォーマンス マネジメントと評価」です。
また、本記事はジンジニア アドベントカレンダー 20日目の記事になります。
前回は「人事の原理原則をまなぶ - 採用と選抜」でした。
(参考: 2023年 ジンジニア アドベントカレンダー)
はじめに
Every HR Academyは全8回の講座で、内6回がテーマのあるInput & Discussionの形式になっています。
このnoteは各dayごとに連載予定です。1dayごとに「内容」「学び」「学びを活かすには?」を書いて自分への備忘録noteにしていきます。講座が気になる方への参考にもなれば幸いです。また、文末には各回のリンクも貼る予定です。
では本題へ。
内容サマリ
3回目の講座は「パフォーマンスマネジメントと評価」でした。
セクションは以下の3つ。
「PMの構造」は、PM(Performance Management)とPA(Performance Assessment)の違いやHRMとしてみたときの「パフォーマンス」の位置づけについてのセクションでした。「PMの原則」では、評価の「測定」や「合意」についてやパフォーマンス・マネジメントのゴールについて学びました。最後の「PM・MBO・OKR」では、パフォーマンスマネジメントの種類としてのMBOやOKR、また関連するものとしてCFRを学びました。
学び
講義内で個人的に気になった学びと備忘録です。(講義の3セクションから気になった点だけ抜き出してるので順不同です)
学び1. パフォーマンス マネジメントとは?
「評価」という言葉は、IT業界のみならず日本国内であればどの企業、どの職種でも使われている言葉かと思います。「評価」のイメージは、評価者であるレポートライン長が、一定の期間毎に被評価者で従業員の結果や行動に対して評価を行い何をどう与えるかを決めるプロセス、という感じでしょうか。
では、「パフォーマンス マネジメント」はどんなもので、評価と何が違うのでしょうか。
つまり、パフォーマンス マネジメントは「目標を設定する」「目標に向かって育成する」「結果を評価する」というような「評価」を含むもう少し広い概念だということです。
パフォーマンスマネジメントとHR機能としての「評価」との関連は後述しますが、ここではパフォーマンスマネジメント、従業員/ビジネスの成果との関係を図示してみます。(あくまでも自分の脳内イメージです)
図の左側ですが、前回のnoteでも触れた「成果」の人的要因である 「能力」 x 「モチベーション」 をベースに、その人が「行動」することで「達成」した結果が「成果」であり、「成果」の集合体が「成功」であるということを表しています。その一連に対して、従業員が能力を最大限に発揮して仕事を遂行 = 成果を上げられるようにする一連のプロセスがPerformance Managementという感じです。また、Performance Assessement (appraisal) は、おもに過去のアウトプットに対して評価するプロセスを指しているという関係性です。
これまでの評価者 / 被評価者 経験から「評価」単体についての理解はしているつもりでしたが、本質的に「成果を最大化するには?」という視点でパフォーマンス マネジメントとして全体像を捉えていなかったなーというのが反省点でもあり気づきになりました。
個人的には、「Performance Management」と「Performance Assessement (appraisal) 」の違いについては以下の図が参考になりました。
また「パフォーマンス マネジメント」の理解を深めるには以下のwebも参考になります。
学び2. パフォーマンス マネジメントとHR機能の関係
こんどは人事機能という観点で見方を変えてみます。人事機能というと「採用」「評価」「報酬」「育成」などがあります。パフォーマンスマネジメントとHR機能としての「評価」との関連ですが、これは前々回のnote 「人事の原理原則をまなぶ - これからのHR」 にて触れた「Dynamic HRM」で表せます。
HRとして忘れがちですが最も大事な観点として、「HR機能はビジネスのPerformance(パフォーマンス)を中心に考える」ということです。HRがなんのために存在しているかといえば会社の成功のためであり、それはつまりビジネスの成功のためであるといえます。なので、上記の図をめっちゃざっくりで説明すれば、ビジネス戦略からパフォーマンスを定義しそれをもとに目標設定するところから始まり、それを評価する、というプロセスの循環ということになります。
HRは直接的に現場にいないために各施策を考えるときに「ビジネス」を忘れがちですが、直接現場にいないからこそ意識的にビジネスに繋げて考える思考が大事だと思いました。
学び3. パフォーマンス マネジメントの原則・ゴール
最後にパフォーマンス マネジメントを実施するうえでの原理原則やゴールについて、自分なりに定期的にふりかえりたいキーポイントを備忘録的に書いておわりにします。
まずパフォーマンス マネジメントを実施するうえでの原理原則ですが、「情報収集」と「測定」が大事ということです。そのため、評価者は情報収集する能力と行動が必要であり時間と労力がかかる(というかかける)。また、そのときに「何を測定する前提だったのか」の合意も重要になります。
つぎにパフォーマンス マネジメントを実施するうえでのゴールですが、ひとことでいえば「行動評価がどう成果につながるのかの相互理解を前提に、成功への行動を促す」ということかと思います。そのためには「現状把握(従業員は行動を報告しており、評価者はそれを知っている状態)」や「パフォーマンス評価の結果と基準へ納得感」というあたりまえを地道で着実に積み重ねる必要があるという感じです。「納得感」についてはわかってはいてもこれがなかなか難しいですよね...。
再掲ですが、パフォーマンスマネジメントの原理原則、ゴールの詳細は以下のnoteも参考になるのでご参照ください。
学びを活かすには?
HRパーソンとしてだけでなく、評価者としての学びも多い講義でした。また、HRパーソンとしてみると、評価者 <> 被評価者がパフォーマンス マネジメントを行うための仕組みづくりを担うことになると思うので「評価者」「被評価者」両方の経験がないとなかなか難しい領域であると思いました。
なので、まずは「評価者」「被評価者」として、パフォーマンスマネジメントの観点で自社のHR機能がどう相互作用しているのかをじっくり観察して考えることが重要だと思います。基本的な構造や原則と照らし合わせることで仕組みへの理解が進んだり、改善提案ができるかもしれません。
いずれにしても、パフォーマンス マネジメントと評価は、コア人事機能の1つであることは間違いないので今後も理解を深めていきたいと思います。
おわりに
余談ですが、自分はEngineering Manager Meetupなどエンジニアリングマネージャーの情報交換もいまだに定期的にしています。そういった会においても、「評価」というのはやっぱり難しい永遠のテーマとして必ず何回もでてきます。人事やエンジニアという枠を超え、こういった本来あるべき人と組織の考え方として捉えることで「なにを目指すべきか」「何ができていて/何ができていないか」「だからどうすべきか」といったことへの解像度があがりそうだなぁと思いました。
■ 連載について
このnoteは連載です。12/18から数日にかけて一連をリンクしていきますので良かったら読んでみてくださいませ。
■ 謝辞
このnoteを書くにあたり、内容や画像の引用については事前にEvery HR Academyさまの許可を頂いております。快く許可をくださった主催の松澤さん、ありがとうございます。人事の原理原則が体系的に学べる数少ない講座です。気になる方は、受講を検討してみてはいかがでしょうか!
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