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【体験談】二次障害を防ぐために〜WISC検査後に変えたこと。

こんにちは! ツナです。
先日2回に渡って発達検査(WISC)を受けた時のことを綴りました。

今回は発達検査の結果から見えること、検査結果をふまえて意識的に変えたことについて書きたいと思います。
(以下は2023年3月に書いたLEE100人隊ブログを加筆修正したものです。)

発達検査の結果から見えること

前回の記事では、発達検査を受けてみて私なりに感じたメリットについて書きました。
わが家の場合、特性=凸凹具合を数値化することで息子の(一見理解しがたい)言動に納得できる点が少しずつ増えたように思います。

“WISC検査”はIQおよび言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度の4つの指標を数値化するもの。これによって子どもの発達状況、得意/苦手な分野を把握することができます。
結果は折れ線グラフで示されるため、凸凹具合は一目瞭然です。

息子はASD(自閉スペクトラム症)との診断を受けています。ASDといっても方向性はさまざまで、息子は以前ならアスペルガー症候群と呼ばれたタイプです。
双方向コミュニケーションが苦手でマイペース。興味関心のあることにはものすごい集中力を発揮しますが、そうでないことには見向きもしません。

過集中になり活動が止められないことも…。

WISC検査の結果、凸凹具合も強めなことが分かりました。
知的能力は平均より高く、特に言語理解力については2~3学年分上回っているとのこと。視覚優位なタイプで、目から入る情報を処理するのが得意なのだそうです。
確かに、年長の頃から(常用のものなら)普通に漢字が読めていました。おそらくフリガナのついた本を読む中で自然に覚えていったのかと。

一方、耳から入る情報の処理については結果にばらつきが。同じことを何度話しても忘れてしまう…という日々の困り事はここに起因するようです。

さらに息子は感情コントロール能力が2~3学年分未熟だそう。現在小4の息子、ここ数年でかなり落ち着いてきたものの、感情が高ぶった時のふるまいは小1~2の子たちと同等な印象…。
普段の行動も同学年の子と比べて幼いと感じる部分が多いです。語彙力が高く話すことが達者な分、余計にアンバランスさが目立ちます。

あっちは高くてこっちは低い。
この能力の差が ”発達凸凹” というわけです。

得意/不得意が分かれば
改善策が見つけやすくなる!

息子の場合、発達検査を受ける前から「おそらくASD」と言われており、聴覚より視覚優位なことも担当医から伝えられていました。それを数値として証明したのがWISC検査です。

この情報を保育園の先生方にシェアしたところ、さっそく息子の特性を考慮した対応をしてくださいました。その最たるものは加配の先生をつけていただいたことです。

保育園や幼稚園での集団生活に困難がある子どもに対し、通常の職員数に加えて先生を配置しサポートするのが「加配制度」です。

集団活動に入れない時に付き添っていただいたり、荒れた時に落ち着くまで個別対応していただいたり、教室外に逃亡するたび探しに行ってくださったり…。
加配制度なしでは息子の園生活はままならなかったと思います。今でも感謝が止まりません。



聴覚より視覚優位と分かったのも大きかったです。
みんなには口頭で説明するところを、息子には文字で伝えていただくのが日常となりました。
「何度言っても忘れてしまう(そもそも耳に入らない)」という困り事も少なからず減ったようです。これは家でもすぐに取り入れました。

対応を考慮していただいて改善したこともあれば、「この活動には参加しない」と息子自身(もしくは親)が前もって意思を示すことでトラブルが減ったことも。
ほんの少しずつではありますが、得意/不得意が明確になったことでいい変化が見られたように思います。

いずれにせよ、園の先生方に「○○くんには△△な特性がある」と周知いただいたメリットは本当に大きかった!
一時期は教室外に出て行ってしまうことが多く、担任以外にも多くの先生方が目を配ってくださる安心感は何ものにも代えがたいと感じました。
(それでも避けられなかったトラブルもありましたが、その話はまたいつか。)

「二次障害」を防ぐことが大事!

息子は未就園の頃からおしゃべりが達者で、どちらかというと手先も器用でした。
相手をしてくれる大人がいれば(←ここ大事)同年代の子が集まる場でも楽しく過ごしていたし、だからこそ発達凸凹に気づきにくかったと言えます。

今現在も本人にとって落ち着ける環境にいれば穏やかに過ごせるし、お友達と楽しく遊ぶ姿も見られる。第三者に息子の特性のことを話すと「えっ、全然わからないよ?」と言われることがほとんどです。

とにかく待つことが苦手…。なので外出時は必ず本を持参します。

でもここには危険が隠れています。
検査結果を受けて、担当医からこう言われました。

「息子さんのタイプは一見発達凸凹があるとは分かりづらく、周りからもただの ”変わった子、ルールを守れない子” とみなされることが多い。いちばん損をするタイプです」

得意=好きな分野での理解力は高いのに、見て学ぶたぐいの社会的ルールが身につきにくかったり、周りの人と足並みをそろえるのが難しかったり。
第三者から「どうしてこんな簡単なことができない/分からないの?」と(本人にしてみれば理不尽なことで)批判されやすいタイプだそうです。

これは私も思い当たる節がありすぎてまくり!息子に「考えれば分かるでしょ」と言った直後に「あぁ…言わないと分からないんだった…」と反省することは今でも多いです。

発達凸凹ゆえに生じる日々の困り事は、積もり積もって自己肯定感の低下やメンタルの不調(=二次障害)につながる可能性が高いのだそう。場合によっては二次障害から発達凸凹が判明するパターンも多いようです。

実は息子も年長時に危険な状態になったことがあり、これは今でも私のトラウマです。その後の意識改革につながったので、ある意味貴重な経験ではありましたが…二度と繰り返したくない!涙

息子は今も病院を定期受診していますが、いちばんの課題は一貫して「二次障害の発症を防ぐこと」。不登校や引きこもりになる可能性が平均より高いため、特に注意が必要だと言われています。
息子が成長するにつれて、私自身もその重要性をより痛感するようになっています。

“分かりにくい発達障害”に
気づける土台作りを!

一見分かりにくい発達凸凹については特に、何らかの困り事が重なってから気づくことが多いのかもしれません。
子どものうちは支障がなかったのに、成長して社会に出た後でトラブルになることもあるのかなと想像しています。

息子の場合、ある時期を境にとても分かりやすく特性が出てきました。本当に地獄のような日々だったけれど、あの時期がなかったら今でも息子の発達凸凹を認識できていなかったかも…。二次障害に陥る恐ろしさを考えるとぞっとします。

子どもの言動に違和感を覚えても、「発達障害なんて大げさな!」と捉える方は少なからずいらっしゃると思います。わが夫もまさしくこのタイプだったので…。
でも一見分かりにくい発達凸凹もあるということは頭の片隅に留めておくとベターではないかなと感じています。「もしかしたら…」と気づける土台があるのとないのとでは、いざという時の対応に差が出るのではないかと。

といってもこれは私個人の考えです。あくまでも参考として捉えていただければと思います。
お子さんの発達に不安を感じている方、発達検査を受けようか迷っている方にとって、少しでも参考となればうれしいです◎

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