ショートショート「あの香り」
喫茶店に行って、パフェを食べていると
マダムが2人窓際で目を閉じ眠っているようだった。
この辺りは、栄えていてはありながら人通りが少なく心地よい、簡単に言えばお気に入りで、難しく言えば宝物であった。
作家としての人生を歩み始めてからというもの、普段と変わらず私は家で集中することに対して無頓着すぎる故、こうして外で読者からの便りを眺めたり、創作のテーマなどを考えたりなど、このお店の固めのプリンを嗜みながら行うのが世間的な休日という日の私の過ごし方であった。
ある時から、同じ封