ショートショート『プレゼント」
この前、自分宛にあるものが届いた。
パフスリーブが可愛い、バックにはリボンも着いている、淡い空色のドレスだった。
こんな年にもなって、だとか
まだそんな夢みたいなことを考えているのね
と言われるのかもしれないけれど
わたしの中の童心はまだ色褪せることなく
燦々と輝いている。
翌0:00になるまで、私はいろいろ考える。
いつか一生側に居続けてくれるひとのことも
それを繋ぐ糸や、紡ぐ言葉のことも
冬に咲く花も美しいことも。
自分の中の本音は歳を重ねるごとに、ミルフィーユのようになっていく。
それはさておき
この空色のドレスを着られる季節になったらどこにいこうか。
お花畑に、古い喫茶店でのアフタヌーンティーに、密かにやっている舞踏会にも行けたらいいな
なんて、全てひとりで欲は満たされないかもしれないけれども
わたしはそのドレスの裾の揺れを見たら
恋心のように心臓がきゅんとなった。
はやく、はやく、お化粧という魔法をかけたくなった夜の事だった。