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平成最後の「CDJ」を、僕はこう観た

【12/28(金)〜31(月) 「COUNTDOWN JAPAN 18/19」 @ 幕張メッセ】

《12/28(金)》

・欅坂46

絶対的エース・平手友梨奈の不在という危機を、各メンバーがセンターをリレーしながら乗り越えていく流れは感動的だった。特に、土生瑞穂の"エキセントリック"、小池美波の"二人セゾン"、小林由依の"風に吹かれても"は、グループのパフォーマンスに新たな輝きと彩りを与えていたように思う。

・東京スカパラダイスオーケストラ

彼らが今回のステージでコラボレーションの相手に指名したのは、エレファントカシマシ・宮本浩次。同じ時代を闘ってきた彼らだが、両者の邂逅が実現したのは今回が初めて。熱きロックの闘志を剥き出しにした"明日以外全て燃やせ"に心が震えた。

・BUMP OF CHICKEN

絶対的王者、3年ぶりの出演。"スノースマイル"、"ギルド"、そしてアンコールの"メーデー"。年代を超えた名曲たちが惜しみなく放たれる圧巻のステージ。王座に君臨し続ける期間があまりにも長すぎるバンドだが、だからこそのファン層の厚さと、確固たる信頼関係を証明するアクトとなった。ラストには"ガラスのブルース"も披露。


《12/29(土)》

・HYDE

日本が世界に誇るロック・ボーカリスト、ついにCDJ初参戦。L'Arc〜en〜Cielのフロントマンとして、長年にわたり日本の音楽シーンを牽引し続けてきた彼の実力は、やはり本物だった。"GLAMOROUS SKY"、"HONEY"で巻き起こった怒涛の大合唱は、平成最後のCDJのハイライトとなった。

・the HIATUS

新しい作品を重ねるごとに、アート・ロック/ポスト・ロックの方向へと大胆に舵を切ってきたthe HIATUS。その先鋭的な表現は、年末のツアー「Monochrome Film Tour 2018」にて一つの完成形に達したとも言える。その延長線に連なる今回のステージは、これまでの孤高な闘争史を見事に凝縮したものだった。ELLEGARDENの呪縛から完全に解き放たれた彼らは、2019年、ついにデビュー10周年を迎える。

・[ALEXANDROS]


貫禄と余裕。もはや王者の風格さえ感じさせるほどの完全無欠のアクト。代表曲連打のセットリストの中で異彩を放っていたのは、やはり『Sleepless in Brooklyn』の楽曲たち。完全世界水準において、見事にアレキ流の美メロを昇華させてみせた"Mosquito Bite"は、本当に素晴らしかった。


《12/30(日)》

・amazarashi

11月の武道館公演「新言語秩序」の世界観を引き継いだアクト。ステージを覆うスクリーンに投射されるおびただしい数の言葉たち。その鋭さ、その冷徹さ、そしてその正しさに、ただただ圧倒された。amazarashiは、やはりどこまでも「言葉」のバンドだ。

・石崎ひゅーい

中盤、盟友の菅田将暉がゲストとして登場。ついに実現した"さよならエレジー"のデュエットにASTRO ARENAが沸いた。続けて披露された"僕だけの楽園"では、2人は肩を寄せ合いながらしわくちゃの笑顔を輝かせてみせた。

・赤い公園

新ボーカル・石野理子(元 アイドルネッサンス)を迎えた新体制でのライブ。「はじめまして、赤い公園です。」という、決意表明にも似た彼女の力強い言葉が忘れられない。赤い公園が本来兼ね備えていた「歪さ」と「ポップさ」に加え、彼女たちは新たに「可憐さ」を手にした。これから更に化けていくと思う。


《12/31(日)》

・MONOEYES

今までもこれからも、完璧な年なんてない。絶対に悲しいことは起こるけれど、それを乗り越えた時、僕たちはもっともっと遠くへ行ける。MCの最後に、細美武士は「今年の俺にはよく分かるぜ。」と付け加えた。2018年、細美は、ELLEGARDEN、the HIATUS、MONOEYESの3つのバンドでステージに立ったが、それぞれの表現のチャンネルが確立され、正しく機能し始めた今、彼は音楽家として何度目かの覚醒を迎えているのかもしれない。今回も最高のライブだった。

・yonige

10-FEET裏のGALAXY STAGEで大健闘。数々の若手ガールズバンドが台頭した2018年だったが、やはりその先頭を駆け抜け続けたのは彼女たちだった。《君が行きたがらない街と/君が聴くことはないバンド/君が知ることのないプライド/で日々は色づいた》("リボルバー")牛丸ありさの紡ぐ言葉には、毎回ゾッとさせられてしまう。

・ポルカドットスティングレイ


一切の隙を見せない、究極のエンターテイメント・ショー。高い演奏力を含め、これほどまでに完成された若手バンドのライブは稀だ。そして今更言うまでもないが、雫のカリスマ性は本当に凄まじすぎる。年越し時は、お笑い芸人・流れ星を招き、歓喜と興奮の絶頂の中で新年の到来を迎え撃ってみせた。2019年、彼女たちの次の「企み」に期待したい。


※本記事は、2019年1月4日に「tsuyopongram」に掲載された記事を転載したものです。

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