青い海と空の境界線とたなびく雲。 大きな弧を描いて飛ぶカモメ。 「カモメは海を渡るんだ。 海を渡っていろんな国の景色を見て、 またここに戻ってくるんだ。」 幼い頃に父が教えてくれた。 父の瞳は深い青色だった 広い空を自由に飛んで、 いろんな国の景色を見てみたい。 この思いは年々強くなった。 僕はよく空を眺めて父さんの言葉を思い出していた。 僕の瞳は青さは深まっていった。 「空ばかり見てるからだわ」 母さんは呆れていた。 15歳の頃、リリエンタールの カモメ型グライダー
花はない 言うならば土色 雪は役目を果たし 後はヨロシクと去った 一年ぶりの出番が来た 淡いピンクの花を待って 木と空とを見上げている人 気づいてくれないかなぁ 気づいてほしいなぁ 足元も見てみて ここにいるよ がんばったね 春ですよ #ツクシノコトバ #つくし #294 #がんばったね #春ですよ #雪もありがとう
カラカラン カラカラン キミに「今しか見ていない」 なんて怒られたっけ。 今しか見ていないじゃなくて キミしか見えていなかったんだ。 本当は月に興味なんかなくて、 たしかなキミといたかっただけなんだ。 僕たちのことを 可哀想と言う人もいるけど、 夏蜜柑のように淡く輝く日々。 月を見上げれば キミの音色が聴こえる。 それだけで十分なんだ。 カラカラン カラカラン word by Tsukushi🍀
どこから来たのかって? この道の向こうの向こうから歩いて来たんだ。 どこに行くのかって? お城が見えるだろう? 僕たち、お城のトンガリ屋根を目指して来たんだ。 大砲が窓から覗いているあの場所だよ。 僕たち、お菓子と本とトランプを持ってきたんだ。それから音楽も。 楽しいことがあれば争いなんて面倒なことはどうでもよくなると思うんだ。 彼らは知らないのかもしれないけど、トンガリ屋根の窓からは僕らの町の海が見えるはずなんだ。 大砲が邪魔して見えないのかな? この道の向こうの向こうには
パインぱん、な夏⑤ 「フルーツサンド、どうだった?パインはオレがメニューに入れてもらったんだ」 「そうなんだ、おいしいね」 「良かった〜!」 「あ、ごめん、残り食べないと、お皿下げられないね」 本当は食べ終わった後に来てほしかったけど…。 「いや、そうじゃなくて…ちょっと話したいなぁって」 話したい?アイツと別れたわけでも聞こうとか?そういうの勘弁してほしいなぁ。 「パインぱんは…覚えてない?」 ちょうど思い出したところですが、何か? 「あー、パインぱん、流行ってたね」 「
パインぱん、な夏④ 残るはパインサンド。桃とキウイでかなり満足してきたし、泉がニヤついたワケもわかったからさっさと食べて帰ろう。 パクっ。はいはい、これはヨーグルトクリームですね。夏らしくて美味しいですよ。 パインかぁ。 中学の頃、やたらパインぱんというのが流行っていたなぁ。 昨日近くのスーパーで見つけて食べた、とか、コンビニで買ってきて食べたとか騒いでいた。 私はなかなか出会えず、運の無さを嘆いていた。 そんな時、 「松田にやるよ」 パインパンをくれたのはアイツだった。
パインぱん、な夏③ まずはアイスコーヒーを一口。氷少なめがちょうど飲みやすい。 フルーツサンドは白いパンに一種類ずつのフルーツがサンドしてあった。桃の薄いピンク、キウイのグリーン、パインの黄色がカラフル。クリームは少し真っ白ではなくクリーム色っぽい。 「いただきます」 小さく手を合わせて、桃サンドからかぶりついた。 あーそうか、クリーム色っぽいのは少しカスタードが混ぜてあるのか。 自然な桃の甘さとバランスいい。 気をつけないと桃がこぼれ落ちそう。 失態を泉くんに見られたら恥
パインぱん、な夏② 昔のアメリカのポップみたいな曲がかかっている。 スマホを取り出す。 「そろそろ着いたかな?迎えに行けなくてごめんね🙏冷蔵庫に昨日の残りあるよ」 ママからLINEが来ていた。バイトしてるイタリアンレストランの時給が100円アップする土日には戻りたくて、月曜日に実家に帰ってきたのは私なのに。 「駅の近くにできたカフェで食べてるよ」 LINEを返す。帰ったら、フルーツサンドがあったことを報告しよう。 「フルーツサンドとブラックコーヒー、お待たせしました、松田さ
パインぱん、な夏① 4月から他県の大学に通いだして、3か月ぶりに地元に帰って来た。 たった3ヶ月だけど、私にとっては3年ぶりくらいの感覚だ。一人暮らしというのはなかなか大変だった。高校1年から付き合っていた彼氏と別れたことも大きい。 実家は最寄駅から徒歩10分。大きめのかばんを抱えて少し歩きだしたところで、新しいカフェができていることに気がついた。前はおにぎり屋さんだったところだ。 この時間に家に帰っても誰もいないし、小腹も空いてるし、寄ってみようかな。窓越しに見る限り混み
「宇宙向上会」 作:ツクシ ここは宇宙ギャングの事務所 ツキ ボス!チタマの状況は深刻です! 人生を楽しもうとしていない者が、ついに40億人を超えました。 ボス 調査ご苦労様だったなぁ、ツキ。 まず言っておくがチタマではなく地球な。 そうか…。もったいないなぁ。 でもなツキ。そういうお前さんもずっと人生楽しめてきたわけじゃないだろ? 3年前には、シケた面して「オレって、何のために生まれてきたんすかね…」って体操座りしてただろ? ツキ そーっすね。 確かに、体操座りの時
こんな寒さで「寒い寒い」なんて言ったら もっと寒い地方の人には怒られてしまうかな。 それでも、2月の午後はとても寒い。 凍えたココロがパリンパリンと割れて壊れてしまいそうだから、あのカフェに行こう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お待たせしました」 金色の縁取りの白いカップに琥珀色が静かに揺れる ベルガモットとオレンジと蜂蜜の香りが、時間を彩る。 「おいしい〜」 「甘ければ何飲んでも美味しいっていうんじゃないの、女子は」 「いやいや、この絶妙に素直なよ
子どもの頃は苦手だった。 ねちこい甘さ。 古臭いような香り。 口に残る妙なつぶつぶ。 逆転したのはいつの頃だっけ。 献身的な温かさ。 時を重ねたような風味。 愉快な口触り。 もしかして、味覚も捉え方ひとつだったり? 思い込みなんて壊しちゃお! Have a あまざけBreak!
「街に行こうよ」 君を誘って出掛けよう アクリルのネコ姫もあるし 外国のバッジもあるよ お気に入りを見つけに行こう 翼の傷はまだ痛む? 折れた翼で飛ぶなんて 「笑われるかな?」 心配ご無用 翼が見える人なんてそうそういない ゆっくりなら歩けるかな? 掘り出し物を見つけるには ちょうどいいね 君と食べたかったんだ カリンカリンのぶどうあめ パリンパリンと口いっぱい 甘い君がほろっと笑顔になりました。 (๑´︶`๑) world by,Tsukushi🍀
いつかは古になる私たちの今。 「季節を感じ、語らい、笑い、ともにこの場を歩めることを歓びました」 と伝えたい。 個人的な話しですが、私の両親は今年の春に長野県に引っ越しました。 おかげで、頻繁に長野県に出向くようになりました。自然のみならず様々な見どころがあるということを感じています。 先日は短い時間でしたが、奈良井宿という宿場町を訪れました。 宿場町というと、馬籠・妻籠が有名かと思いますが、奈良井宿も同じように古い町並みが残っています。広い範囲にわたって昔の面影を残し
こういうのって愛って言えるのかしら? あなたとは16光年も離れてしまった。 もう、あなたの顔も声も薄らぼんやり。 今、笑っているのかな? 今、誰とお喋りしてるのかな? もう、あなたのことを1番知ってるのは私じゃない。 こういうのって愛って言えるのかしら? あなたと見上げた夏蜜柑のような月。 はじめて会った時の不躾な眼差し。 いつまでもいつまでも心をくすぐられて 笑ってるよ、今も。 私の音色は聴こえますか? word by Tsukushi🍀
「花火が始まるわよ!」 お姉さんが言った。 胸が高鳴る。 ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!! 「ええぇ〜!!!!!」 なにこれ〜!赤く開いた花火は、丸い形ではなく、なんと、りんごの形をしている。 「わぁ!りんごの花火だ〜!!かわいい!!!」 ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!! ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!! りんご花火が次々に夜空を飾る。 グリーン、黄色、赤、オレンジ、水色 様々な色のりんごのカタチの花火が次々と打ち上げられる。 頭の片隅でスマホがあったら写真撮ってインスタに挙げ