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パインぱん、な夏②
パインぱん、な夏②
昔のアメリカのポップみたいな曲がかかっている。
スマホを取り出す。
「そろそろ着いたかな?迎えに行けなくてごめんね🙏冷蔵庫に昨日の残りあるよ」
ママからLINEが来ていた。バイトしてるイタリアンレストランの時給が100円アップする土日には戻りたくて、月曜日に実家に帰ってきたのは私なのに。
「駅の近くにできたカフェで食べてるよ」
LINEを返す。帰ったら、フルーツサンドがあったことを報告しよう。
「フルーツサンドとブラックコーヒー、お待たせしました、松田さん」
ちょいちょいちょい。
「名前言わないでもらっていいですか、泉くん」
「松田さんにちょっとアピールしてみたくなって。名前覚えてくれてたんだ」
なんだなんだ、急にフレンドリーじゃん。
「だって、たしか3年生同じクラスだった…」
「1年もね」
「あれ?そうだったっけ?1年とかよく覚えてるね」
「逆に覚えてないんだ」
「んー」
「そっかー。あ、フルーツサンドとコーヒー、食べて。戻らないと」
食べてって。
「あ、ごめん。いただきます」
なんで私がごめんって謝ってんだろ。
気を取り直して、再度フルーツサンドに全集中しよう。
まだ つづきます
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