見出し画像

パインぱん、な夏⑤

パインぱん、な夏⑤

「フルーツサンド、どうだった?パインはオレがメニューに入れてもらったんだ」
「そうなんだ、おいしいね」
「良かった〜!」
「あ、ごめん、残り食べないと、お皿下げられないね」
本当は食べ終わった後に来てほしかったけど…。
「いや、そうじゃなくて…ちょっと話したいなぁって」
話したい?アイツと別れたわけでも聞こうとか?そういうの勘弁してほしいなぁ。
「パインぱんは…覚えてない?」
ちょうど思い出したところですが、何か?
「あー、パインぱん、流行ってたね」
「あ、あのさ、佐々木からパインぱんもらったの覚えてる?」
アイツの名前出したな。
「なんとなく覚えてるよ」
先ほどハッキリ思い出しましたが、何か?
「実はさ、オレも、松田さんにパインぱん渡そうとしてたんだ。でも佐々木に先越されちゃってさ」
え!?それは記憶にございませんよ?く
「あー!!?、そーなの?やさし!ありがとね」
いや、これどういう展開?
「それもさ、今だから言えるけど6回も渡そうとしたんだけど…。中学生って繊細じゃん?勇気がなくて」
6回も買えたの?!まさか、時を超えてパインぱんマウント??
「ずっと心残りだったんだよね。言いたいこと言えなかったのが」
言いたいこと?
「『これあげるから元気だしなよ』って言いたかったんだ。」
泉、いや、泉くん、いいヤツ?
「知らなかった…。ありがとう」
「あー言えて良かった。松田さんが店に入ってきた時、ビックリし過ぎて水こぼしそうだった。佐々木のこと聞いてたから心配してたけど、元気そうでよかった。」
「やっぱり知ってるんだ、ハハハ💧」
「もし…まだ元気ないならさ、今度こそオレがパインぱん探してくるよ」
泉くん、今後の株の上昇に期待。
残りのコーヒーを飲み干した。

「パインぱん、七つ だね!」

     おしまい

   word by Tsukushi🍀

オチつきました(o´▽`o)ゞ
ここに持ってくるまで意外と長かったー。
お付き合い戴きありがとうございました
(˘︶˘)

優しい世界に近づけるように これからもコトバをお届けしていきます!