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とある管理栄養士の夢の話 3
「花火が始まるわよ!」
お姉さんが言った。
胸が高鳴る。
ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!!
「ええぇ〜!!!!!」
なにこれ〜!赤く開いた花火は、丸い形ではなく、なんと、りんごの形をしている。
「わぁ!りんごの花火だ〜!!かわいい!!!」
ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!!
ひゅ〜〜〜〜〜パーン!!!!!
りんご花火が次々に夜空を飾る。
グリーン、黄色、赤、オレンジ、水色
様々な色のりんごのカタチの花火が次々と打ち上げられる。
頭の片隅でスマホがあったら写真撮ってインスタに挙げるのにと思いながら、ぽっかり口を開けてりんご花火の饗宴に見ほれていた。
あ!しまった!口を開けすぎた!
花火のカケラが口に入ってきた。
ん?この花火のカケラ…
「あまい?え?アメ?ん?もしかしてりんご飴〜⁉️??」
口の中でパリパリと音を立ててるのは間違いなく飴だ。1センチくらいの小さくまるいりんご飴!パリパリの中はシャキッと食感もあるのにジューシー!!!
なんだか熱の時に母の作ってくれたすりおろしりんごに似ている。
「おいし〜い!!!」
こんな美味しい物、はじめて食べた…!
りんごが進化してる!
「お姉さんも食べてみて!」
私はお姉さんを見た。
「伝えたことを伝えてくれてるお礼よ。
ありがとう」
お母さんは優しく微笑んだ。
やっぱり、やっぱり、お姉さんはお母さんだったんだ!!
「おかあ、さ…」
私の方こそ、ありがとう、そう言おうとした。
「母さん、おはよー!」
この声は…?あぁ、息子の声だ。
「早く起きて!母の日のプレゼントにアップルパイ焼いたよー!」
現実世界では私は母親になっていた。
やっぱり夢だったなぁ。そう思って目をこすった。
息子が少し大きめの声で言う。
「ちゃんと母さんが作るみたいにシナモンきかせておいたからね。」
おわり
※これはフィクションです。
しょくみさんの初Kindle本
「りんごは進化する」
5月21日出版
〜アップルパイがすりおろしりんごだった頃の話〜
ノンフィクションの忘れられない味の想い出エピソードです。
Story by Tsukushi🍀
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