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俳句や短歌

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2022年10月の記事一覧

続・「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い

続・「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い

【スキ御礼】「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」

前記事の「「ゆりかごのうた」を生んだ白秋の想い」を書いたあと、妻にこの歌は「カナリヤ」も「枇杷の実」も月の色と同じ黄色で揃えられていることを話した。
そしたら妻からは、
「私もそう思っていたわよ。キネズミもそうでしょ。」
と言い返された。
「キネズミ?・・・・・・黄ネズミ!」
どうやら妻は、木ねずみ(リス)のことを、ピカチュウみたいに黄色いネ

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歳時記を旅する 6 〔曼珠沙華〕後*曼珠沙華かつて一揆の果てし丘

歳時記を旅する 6 〔曼珠沙華〕後*曼珠沙華かつて一揆の果てし丘

磯村 光生
                      (平成十年作、『花扇』)

「彼岸花の花はどんなに咲こうがどれ一つとして実を結ぶものはない。球根の分球によってのみ増殖する。(略)畦道という畦道を埋め尽くすように咲くその花は、わざわざ人が植えたからであり、必ずしもねずみなどの害を防ぐ為ばかりではなかったであろう。」(『鎌倉 花の四季』磯村光生) 

句の丘は、たとえ人里離れていても、かつてそ

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鑑賞*秋澄むや波は地球の音を立て

鑑賞*秋澄むや波は地球の音を立て

 石塚 光子

地球そのものの音には何があるだろう。

火、電気、風、そして水だろう。

太古、生命は海の中の単細胞の生物から始まったという。

秋の浜辺に立てば、空と大地と海、そして自分がいる。

波音は、自分と地球とをつなぐ音。

(岡田 耕)

(俳句雑誌『風友』令和四年一月号)