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書評、感想文ではありません… 「本」からの連想と言いましょうか…
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2023年2月の記事一覧

『海馬を求めて潜水を』

『海馬を求めて潜水を』

2023年2月5日加筆修正

いくつかは変わってしまったけど
生涯思い出す場所がある
ずっと変わらないものもあれば、そうでないものも
姿を消した場所もあれば、残っているものも
そんな場所で恋人たちや友人たちと過ごした
ひとときを今でも思い出す
亡くなった人も入れば、生きている人もいる
僕の人生で出会った愛しい人たち

「記憶」という言葉からは「天才的な記憶力が有りさえすれば、僕の人生はもっと素晴ら

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読書は脳をどのように変えるのか?     『プルーストとイカ』

読書は脳をどのように変えるのか?     『プルーストとイカ』

僕は本を読む事は好きだが、得意では無いと思っている。難しい文章だと眠たくもなる。
普段生活していて「分かっているつもり」でも、「気づきににくい事」は結構あるようだ。
「読書は苦手」「漢字は読めるけど書くのは苦手」と思っている人は結構多いと思う。(僕も含め)

子どもの頃を思い出すと…
先ずは声を出して読む音読から始まる。読み方を覚えた文字を目で追い(意味を考えながら)声を出して読み上げていく。

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なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない

2023年3月1日 加筆修正

現代の僕たちは、万葉集で高市連黒人が詠んだ“棚なし小舟”に乗り込んでしまったようです。

積読していた東畑開人氏の『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』を開くと、前書きに「小舟」の一節を目にした。

気づいたら大海原に…ひとり小舟でぷかぷか浮かぶ僕たち、そんな僕たちを補助船が案内してくれる。

最近、高市連黒人の歌と見事に重なって、読み進めています。

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『千年の読書』 人生を変える本との出会い  三砂慶明

『千年の読書』 人生を変える本との出会い  三砂慶明

三砂慶明さんの『千年の読書』が四刷になったそうです。
おめでとう御座います。

「おめでとう御座います」と言う言葉で良いのかな?
本当に凄いと思うのと同時に、いい本なので納得しています。

この本と出会ったのは昨年、時々立ち寄る大阪梅田ルクアの蔦屋書店梅田店で平積みしてある真っ白な表紙に目が止まり、手に取った、、と記憶している。
「タイトルだけで面白そうやん…買うか買うまいか…」

もともとのお目

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『フラジャイル』弱さからの出発 松岡正剛 Ⅰ-2

『フラジャイル』弱さからの出発 松岡正剛 Ⅰ-2

Ⅰ ウイーク・ソートで?

僕が初めて「フラジャイル」という言葉を意識に留めたのは、ステイングの『フラジャイル』だろう。

ステイングは人間の愚かさを嘆き『フラジャイル』として伝えた。

松岡正剛が記す“フラジャイル”は多様な“フラジャイル”だ。

 おおむね「弱さ」は「強さ」の設定によって派生する。
「強さ」の相対として「弱さ」は浮かび上がり、そして深淵さを帯びる。

松岡はここでは単純な二項対

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『フラジャイル』 弱さからの出発  松岡正剛 Ⅱ-1

『フラジャイル』 弱さからの出発  松岡正剛 Ⅱ-1


Ⅱ 忘れられた感覚1 全体から断片へ
2 フラジリティの記憶
3 はかない消息

フラグメント(fragment):破片、断片、断章
フラジリティ(fragility):壊れやすさ、虚弱 《病理》脆弱症

ここでは、“断片”や“部分”に見え隠れするフラジャイルをあぶりだそうとしている。

珠光の部分の侘び茶。

不完全なピノキオ。

自分の“全体”を隠そうと努める自然界の生きものたち。

「以上

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聞く技術 聞いてもらう技術 東畑開人

聞く技術 聞いてもらう技術 東畑開人

『聞く技術 聞いてもらう技術』を手にしたのは昨年、2022年10月。
前々から、「話す」「きく」には問題意識を持っている。
ここ数年「傾聴」という言葉が持てはやされ、人の話をいかに耳を傾けて「聴く」か、「聴く」とは…と言う本が沢山出ている。

だいたい、人と会話していても、人の話しなんか半分ぐらいしか聞いてないもんで、相手が発したキーワードをもとに、自分が何を喋るかで頭いっぱいになる人がほとんどで

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