廣野 友一
月
note備忘
書評、感想文ではありません… 「本」からの連想と言いましょうか…
それは30年ほど昔の話し…
秋月湖上を照らす
心は水中の月の如し 『宗鏡録』(すぎょうろく)
昨夜は忙しかった… 本屋で集団万引きを捕まえたし… 地震でその本屋の隣りの櫓は崩れ、自分の住居も崩れてしまった… 部屋に入るとGHOSTが鎮座している、何故か何者かは直ぐに理解できた… 座卓の上には灰皿、煙草、湯呑み…毛氈に書きかけの原稿用紙… 座卓を前に背中を丸め気味にVコーンを手に持ち、真黒な表紙の本をんでいる… 本のタイトルはよくわからないが、どうやら「花」「匂い」と書いてあるようだ… 声もかけられないまま後ろにまわりこむ、彼は真黒な上下で本を…読み…書き込む…
月落ちて天を離れず
明恵上人
あめの海に雲の波立ち月の船 星の林にこぎかくるみゆ
今日は久しぶりに、大阪梅田茶屋町のMARUZENジュンク堂梅田店へ出向いた。 自宅の最寄駅からおおさか東線に乗り、いつものコースだ。 おおさか東線は平日はスカスカで田舎のローカル線みたいに何時でも座れる…と言うのはもう過去の事となった様で、そこそこの混雑だった。グランフロントへ抜け、ヨドバシカメラの横をすり抜け、三番街もとっとと通り抜け目指すは茶屋町。 MARUZENジュンク堂に着いたら一目散に6階の理工系の書架に向かう。 今日のお目当ては『窮理 第26号』 他の候補は
月が昇って 何を待つでもなく 山頭火
此の世のなごり。夜もなごり。 死に行く身をたとふれば あだしが原の道の霜。 一足づつ、に消えて行く。夢の夢こそ あはれなれ。 あれ数よれば暁の。 七つの時が六つ鳴りて残る一つが今生の。 鐘のひびきの聞きをさめ。 寂滅為楽と ひびくなり。
部屋は一面、月の光にさえざえと照らされている。ここは何もかももとのままだった。 椅子、鏡、黄色い長椅子、額入りの画。大きな丸い銅紅色をした月が、まともに窓からの ぞいている。 「これは月のせいでこんなに静かなんだ」とラスコーリニコフは考えた。「月はいま、きっと謎をかけているんだ」。彼は立って待っていた。 ドストエフスキー『罪と罰』
月のことならイルカが知っている。 かれらは月の出を待ちかまえて みんな一緒に海の淵から顔を出す。 ジョン・リリー
君らにはまだわかるまいが、あれでいて月だってけっこうやりくりしているんだ。 もう少し、月のおかげってもんを知らなきゃいけないね。 ―レイ・ブラッドベリ― #ルナティックス
今日、梅田へ出かけた。 梅田へ出かける事はそんなに大層なことでは無い。 電車を使って1時間足らずで到着する、今日梅田に行くことになったのは遡れば、あの日僕は梅田を彷徨っていた… 茶屋町辺りの書店を2軒梯子して「力が出ない状態」になり、いつもは行かない阪急三番街で食事をしながら、Xを観ていた… するとタイムラインに松永K三蔵氏のポストが… 正直な話し『バリ山行』は「読みたい本」としてペンディングリストにリストアップしていたが、この日に購入するつもりは無かった。 芥川賞受賞
このシーンで「塩」に少しひっかかった…卵かけご飯は僕にとっては「醤油」がスタンダードである。主人公の波多はたまごかけご飯を喰らう前に卵粥を食べている、昭和の頃は御膳の上には醤油差し、ソース、食卓塩が三種の神器の様に並んでいたが、今時はテーブルの上には調味料の指定席は無い。 妻が卵粥の微調整用に置いていてくれた「食卓塩」を卵かけご飯に流用したのかと思ったが、いや待てよ…波多家は卵かけご飯は「塩」と言う可能性も゙あるのでは…とも考えたのである。 「玉子料理における調味料問題」と
久しぶりにnoteを書きたくなってきた… 大した事はかけないが… そろそろ… 書けるかな…
むかしむかし、時鳥には大へん親切な善い弟があったのだそうです。 毎年五月にな ると山に行って沢山の山の薯を掘って来て、煮て一番おいしいところを兄さんに食べ させました。 それを兄の方ではまだ疑って、弟がもっと旨い山の薯を、自分では食べ ているのだろうと思って、しまいには憎んで庖丁を持って来て、その優しい弟を殺し たのだそうです。 そうして弟の腹を裂いて見ると、中からあわたという筋ばかり多い 薯が出て来ました。これは悪い事をしてしまったと、後悔して悲しんでいるうちに、 と