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ブリストウ&マニング『姿なき招待主』、川出正樹『ミステリ・ライブラリ・インヴェスティゲーション』…紙魚の手帖vol.15(2024年2月号)書評 村上貴史[翻訳ミステリ]その2
【編集部から:この記事は東京創元社の文芸誌〈紙魚の手帖〉vol.15(2024年2月号)掲載の記事を転載したものです】 グウェン・ブリストウ&ブルース・マニングという夫婦作家の第一作『姿なき招待主』(中井京子訳 扶桑社ミステリー 一二〇〇円+税)はさらに古い一冊。一九三〇年一一月刊行である。 その夜、ニューオリンズにそびえる二十二階建てのビルのペントハウスに街の名士達が集まった。政治家、弁護士、銀行家、教授、等等。必ずしも関係が良好ではないその八人が集ったのは、電報に