栄太郎

「本は読むだけじゃだめだぞ、文章を書かなきゃ」 とは、いつも父の口癖だった。 漢字を書けたら覚えて、 英会話は口に出して話せればなんだか聞き取れて、 文章も書いていたら、いつのまにかじぶん自身の思考も技量も育っているだろう。 「工夫は詩の外に在り」(南宋の陸游)

栄太郎

「本は読むだけじゃだめだぞ、文章を書かなきゃ」 とは、いつも父の口癖だった。 漢字を書けたら覚えて、 英会話は口に出して話せればなんだか聞き取れて、 文章も書いていたら、いつのまにかじぶん自身の思考も技量も育っているだろう。 「工夫は詩の外に在り」(南宋の陸游)

マガジン

  • Writing is my business.(売文屋稼業)

    売文屋稼業について。小説。かつて映画がそうであったように、テレビ局がタレントを育てるのに不可能な媒体が出てきて、やがて出版社も作家を育て左右する時代は終焉するだろう。もちつ持たれつ。どこもかしこも国民総タレント、国民みな作家。名のりさえすればなれる、そんな状態。でもどんな媒体にしても、いつの時代も作家は読者のまなざしにゆだねられている。

  • エッセイ

    おこったぞう。

  • 短編・コント

    コントをやりながら、自然と社会を感じていきます。わかりやすく会話を中心にしているので、気楽な気分で読んでください。

  • 短編小説

  • つぶやき地蔵

    つぶやけば鐘が鳴るなり法隆寺 つぶやき地蔵です、ヨロシクお願いします 「こちらこそ、よろしくお願いします」 こっそり「つぶやき」しています  

最近の記事

長編『君の住む町で』 Ⅳ-10 オートバイがすざましい爆音をたてて

 ( 隔離され、長らく続いていた密閉の中でも、やがて新しい展開がやってくるようだった )  10  なんだこれは蜘蛛の糸だったのか。どうりで顔にべとっとからまって、まいったな、なんでこんなものが私の顔なんかに、あっ頭の髪に本物の蜘蛛が。  私はすばやく起きあがって蜘蛛をつかみ目の前の川に放り投げた、ああ気持ちわるい、手もなんだかべとべと、どうしてこんなところに蜘蛛がいるんだ、うん、こんなところ。  おおっ、ここはどこなんだ。  室内にしてはすずしい、いつの間にか屋外に

    • 断片 『君の住む町で』の抜粋、「Ⅲ」

       笑顔を振りまいても、職員に理不尽な都庁の西太后、小池さん、都知事選挙も終わって、ゆっくりのんびり。 じつは、外見と内はかなり違って、 都議会での横柄さと、太鼓持ちや茶坊主ばかりの都庁記者クラブにはびっくり、 都職員も勝手に人事移動されて、泣き寝入りしている噂ばかり流れても、 都民に知られるわけもなく、関心もなかった。  我慢して退職して晴れて批判しようかな、そう考えるのが組織の中で生きる分別ある大人の対応です。 やめたきゃやめてみなさいよ、と小池さん、そんな小市民の気持ち

      • 長編『君の住む町で』 -9

         9 「皆さん、落ちついてください」  落ちついていられるわけがないじゃないか、こんなことして私たちまで殺してしまうんじゃないだろうな。市長はうつ伏せに倒れていた、頭の後ろ、首の少し上を撃たれたらしい。銃弾の痕が残っている、頭は破れていない、撃たれた痕だけが生々しかった。初めての死体、死体となった人間、犬や猫の死骸が通りでころがっている生々しさはなかったものの、やっぱり時間がたってくるとおぞましく、ただきれいに体が損傷されていないことだけが慰めだった。  そんな慰めなんか

        • 長編『君の住む町で』 -8

           8  窓の外の赤い花、なにも知らず俯きかげんに咲いていた。  花は考えることがあるのかな、どんなこと、ただ無意識に俯いて、じぶんは考えないで私たちに考えさせる即物的存在、動物や人間を介して生きていても私たちが植物に生かされている、脳あるものだけが考えているなんて大間違いだぞ。  指揮官と市長はこちらを見て笑っていた、なにかとても楽しそう、スムーズに事が運んでいるらしい、ゆとりもあった、市長は愉快そうに指揮官に話しかけてもこちらには少しもとどかない、日常生活のことかな。

        マガジン

        • Writing is my business.(売文屋稼業)
          26本
        • エッセイ
          101本
        • 短編・コント
          88本
        • 短編小説
          1本
        • つぶやき地蔵
          4本
        • オレらの親分
          9本

        記事

          長編『君の住む町で』 Ⅲ-7 赤い花が一輪、室の外の庭に

           ( ふと知り合った少年さとしと女子プロレスラーの姉と私は、郊外のプロレス会場で事件に巻きこまれて大混乱。たばこ廃絶を願う、禁酒法ならぬ禁煙法間近のこの町で、挑戦するかのように、たばこの煙みたいな煙幕がリング上に放りこまれ戸惑うばかり )  7  赤い花が一輪、室の外の庭に咲いていた。他の花とちがって赤く鮮やかに咲いて、何の花だろう、まるで昔読んだ小説のなかの赤い花みたい。たしかうろ覚えで刑務所かなにかの場所だった、男が送りこまれた室の外にぽつんとそんな赤い花、じぶん自身

          長編『君の住む町で』 Ⅲ-7 赤い花が一輪、室の外の庭に

          《後日談》 奴らを高く吊るせ Hang 'Em High

            衆議院選挙の後日談 木原誠二、現代版『金瓶梅』か、サドの『悪徳の栄え』  おめでとう、木原誠二さん、逆風の中、東京20区の自民党で当選しました。 なぜか政敵の立憲民主党も立候補しないで、不道徳の女性問題に厳しい公明党内創価学会婦人部の応援も受けて、メディアに取り上げられなくてこっそり、でもらくらくでした。 また国会議員でわれわれのために活躍してくれそうです、ワハハハ、高笑いが聞こえてきそうです。 これは、善人は勝つドラマでなく、現実の世の中ですのでリアルでした。 それ

          《後日談》 奴らを高く吊るせ Hang 'Em High

          奴らを高く吊るせ Hang 'Em High 「祝、木原誠二、衆院選候補、東京20区」 現代版『金瓶梅』か、サドの『悪徳の栄え』

           Hang them high.  未解決事件ファイル、元・官房副長官の木原事件  「追記」あり ( 連日報道されている裏金議員や、都の記者会見でほくそ笑んでいる小池さんを見て、何気なくそばの画集を眺めていたら、思わずしみじみ。 「絵画っていいな、人間みたいにウソをつかないから」  最近、元•官房副長官の木原誠二事件は風化しつつあります、いまも当時もテレビ局や新聞社は何かといい訳してソンタクし、ジャニーズ問題や小池百合子カイロ大学卒業詐称事件以上に腰くだけで、チン黙して報

          奴らを高く吊るせ Hang 'Em High 「祝、木原誠二、衆院選候補、東京20区」 現代版『金瓶梅』か、サドの『悪徳の栄え』

          新プロポ 《不合理なるもの》 「甘い生活」と世襲のみなさん

           温暖化のために、南極の氷が溶けたら水が溢れ出ちゃうよ、  血圧値130過ぎたら危ない、高血圧です * いくら楽だからといって、 安易でオートメーションなファーストフードばかり食べていたら人は家畜化され、AI化され合理的な文章を書いてばかりいたら人はロボットになり、人間が作ったものなのに、いつしか主従関係が逆転してしまう。 たとえば、あるとき旅行に行った人に、どうだったと感想を聞いたらこんなふうでした。 「写真を見ないと、わかんない」 カメラができてカメラの信頼から、

          新プロポ 《不合理なるもの》 「甘い生活」と世襲のみなさん

          新プロポ 好きよ、チュッ

           優れて偉大なものは身近にあり、無くなって初めて気づく  自然は調和して生きている、 少数の人が力を独占して、パワーを持っていたら他の人はパワーを削がれ、 少数の人がお金を独占していたら、他の人にお金がまわってこない。 少数に権力が集中すれば、他の多数は虐げられるのはあたりまえで、 少数のひとにお金が集中すれば、多数の貧乏人ができ上がります。 いくら国民を導いている北朝鮮の金将軍でも悲惨な人が多くいて、 いくら日常生活に貢献しているビル・ゲイツや、米国のプロ野球で国民を

          新プロポ 好きよ、チュッ

          新プロポ 「日本の基礎知識」 日本の言葉、ごじゅうおん

           文字は歴史の始まり、  国語は国家の始まりで、王朝や政治体制をつくった偉人たちの最初の仕事は、国民をまとめ統一するためのお仕事、それが国語国文学です。責任は重い、なので国語教師は高校まで校長の席が待っています。 首都の言葉の東京弁、東京の人、東京大学を頂点に子供たちが目指していくように教育して、学者も作家もこの三拍子揃った人をなるべく優先的に、ハンディを与えて教室活動していきます。 政治為政者の考えることは時代と処を問わず、多少政治体制が違っても似たようなもんです、 でも

          新プロポ 「日本の基礎知識」 日本の言葉、ごじゅうおん

          「家の馬鹿息子」のつづき 首相をたらい回して、世襲っ子 

           おめでとう自民党総裁選、立候補者の世襲っ子は、9人中たったの5人だけ。  貴族武家市民の関係、上下制  現代に生きている者にとって、平安時代の貴族制とか江戸時代の武士の地位は想像できなくて、江戸時代は武士の階級身分だけで社会存在や人間の価値が定められていた。 農民はもちろん、商人でさえ多額の金を寄贈して晴れて武士の称号をもらったときの喜びが文章に載っていた。 ましては剣に励んでいた幕末の新選組の近藤勇にとって、武士の称号は憧れを超えていた、 幕府方について心を尽くし身

          「家の馬鹿息子」のつづき 首相をたらい回して、世襲っ子 

          『家の馬鹿息子』 政治家は伝統家業です、おかげさまで国会議員の四割 

          「看板倒れ」  選挙は『地盤』『看板』『カバン』」、 地盤の後援会と、親の名前という看板を引き継いで、政治資金というカバンがあれば鬼に金棒。 じっさい日本経済新聞によれば、 小選挙区制の導入後、利権に群がる組織票と無関心無気力な浮動票で、世襲議員の当選率は8割近く、議員はとても若い。  カメラワークは正面じゃなく、できるなら左手横斜め下から少しワイドによろしく、政治屋家業の世襲殿さま( 四世!)、小泉進次郎です。  出自に関係なく自由に誰にでも政治家になれるけど、他の選挙

          『家の馬鹿息子』 政治家は伝統家業です、おかげさまで国会議員の四割 

          新プロポ 「日本の基礎知識」 天皇の存在と意味 昨日の日よ、さようなら

           昨日までの幼い日よ、さようなら 大人の日々よ、こんにちは 食べて生活していく政治経済と心のあり処について  明治天皇 睦仁(むつひと)  大正天皇 嘉仁(よしひと)  昭和天皇 裕仁(ひろひと)  平成天皇 明仁(あきひと)  令和天皇 徳仁(なるひと)  ボクが小学生のころ、父親に問いました。 「天皇の姓はなんて言うの」 「ないよ、そんなもの」 「江戸時代じゃあるまいし、身分が高いのになぜないの」 さすが子供の親、子供にもわかる明解な答えでした。 「誰でも知ってい

          新プロポ 「日本の基礎知識」 天皇の存在と意味 昨日の日よ、さようなら

           Nの思い出のために 2

           愁ひつつ岡にのぼれば花いばら 蕪村  Nは都会から離れて、生まれ故郷に近いある湖畔に滞在していた 朝早く起きて歩く道のなかで、自然の空気や森林の緑、天然の水の流れは、彼の精神を和らげ、意識をさわやかにさせてくれる その日はなぜか日和もよく久しぶりの感傷だった 散歩するには絶好の装い いつものように散歩に出て、しばらくするとふたつ分かれる交差点のところを通りかかった いつもは右側の道を歩いているのが習慣だった でもなぜか今日は左手の道を歩きたい衝動にかられていた 歩くほ

           Nの思い出のために 2

          新プロポ 煽られて捨てられて、ポイッ

           PROPOS プロポ   フランス語で談話とか話題の意味あいがある、propos de table ( 座談 )など  むかし、 ある映画スターが公開映画の映画館の舞台に立つことがあった、 アクションスターよろしく、「仕込んだ」観客が無礼に舞台に上がりこんふうで、スターにやられるスタントをよくやったらしい。 そこに間違って、一般の観客がつられて舞台に上がったこともあったそうです。 そんな感じでいまでも テレビの偏向報道で、煽られて対象の人を暴言攻撃したり、熱情で戦場に私

          新プロポ 煽られて捨てられて、ポイッ

          作家残酷物語 「私のお店は一流のお方ばかり」

           しわがよるほくろはできる腰まがる頭は禿げる髪白くなる  手はふるふ足はよろめく歯はぬける耳は聞えず目はうとくなる  身に添ふは頭巾襟巻杖眼鏡タン ポ温石手便孫の手  くどくなる気短かになる愚痴になる出しゃばりたがる世話やきたがる  聞きたがる死にともながる淋しがる心がひがむ欲深くなる  又たしても同じ話に孫ほめる達者自慢に人はいやがる         仙厓和尚、六つの歌  江戸時代後期の禅僧である仙涯和尚でなくても、おなじみの老人の愚痴っぽさも菩薩の慈悲心があるとす

          作家残酷物語 「私のお店は一流のお方ばかり」