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精神疾患の話、父の話

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「精神疾患の話、父の話」をまとめてここに格納しています(いつ全部書き終わるのか自分でもさっぱりわかりません)
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#メンタル

精神疾患の話、父の話(5/n)

精神疾患の話、父の話(5/n)

(承前)

勉強は得意で体育が苦手という、まあ時々見かけるどんくさいタイプの少年ではあったけれど、小学校の時はそれなりにクラスメイトともコミュニケーションができていたような気がする
でもやっぱり男子はさっぱりだ
女子とはまぁまぁ話はできる、そんな感じだった
感じのいいクラスメイトが多かったから、特に冷たくされたとかいじめられたとか無視されたとか、「女ったらし」みたいないじられ方をすることもなくわり

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精神疾患の話、父の話(4/n)

精神疾患の話、父の話(4/n)

(承前)

札幌の小学校では生まれ育った田舎とは違って同級生がたくさんいた
1学年3クラス
そんなにたくさんの同じ世代の子どもを見るのは初めてのことだったから入学式ではずいぶんびっくりしたな

自分でもとても驚いたのだけれど、僕は学校の勉強というものがとても得意だということに気付いた
小学校ではテストはほとんど100点だったし、80点を下回ると担任の教師が「今回は調子が悪かったのかな」と僕に声をか

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精神疾患の話、父の話(3/n)

精神疾患の話、父の話(3/n)

(承前)

僕には親友と呼べるような人がいない
親友どころか、友達と呼べるような人すらほとんどいない
今現在もそうだし、これまでもずっとそうだった
記憶をたどる限り、幼少期から現在におけるまで友達と呼べるような気の置けない友人はいなかった
恋愛は普通にできる(と思う)
それなりに付き合ってきた人は学生時代から何人かいるし、離婚したとはいえ結婚もした
どうなんだろうな、どうやら僕には同性と仲良くなる

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精神疾患の話、父の話(2/n)

精神疾患の話、父の話(2/n)

(承前)

実を言えば在宅療養というのは初めての経験だ
入院後の在宅療養というのはあるのだけれど

今までにいわゆる精神科の病院には3度入院したことがある
最初は20代のころだ
それと30代の時に2回
精神科でつけられる病名というのは実はよくわからないことが多くて、医師から告げられる病名と診断書に書かれている病名が相違しているということはよくある
きっと、本人にあまりショックを与えないように「軽い

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精神疾患の話、父の話(1/n)

精神疾患の話、父の話(1/n)

近所の小学校の向かいの二階建ての戸建て住宅の前で小学生が花火をしていて、それを父親らしき人物が無言でスマホに収めている
特に会話もなければさほど楽しそうにも見えない
だいたい、もう花火をする季節ではないのだ
9月の末の土曜の夜
北海道のこの季節はもう肌寒い
パーカーでも着ないとじっとしていられない

僕は近くのファミリーマートまで行って煙草とミックスナッツとジャスミン茶を買って、歩きたばこでスマホ

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