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牛肉の赤ワイン煮込み

牛肉の調理法も色々ありますが、やっぱり一番人気は“焼く”でしょうか。

ステーキに焼肉。お肉を焼いているときの漂う香り、たまらなく美味しそうですよね。シンプルですが、その分お肉の味がストレートに楽しめるのも魅力です。焼きかたにこだわりはじめると、これまた楽しくて、うまく焼けたときの充実感もたまらないものがあります。

もちろん揚げても蒸しても茹でても美味しいお肉ですが、冬といえば温かな煮物は忘れてはなりません。

🥩和の煮物と洋の煮込み

ところで和食でお肉を煮るというと、肉じゃが、肉豆腐のほかにすき焼きやしゃぶしゃぶの鍋料理が浮かびます。そんなメニューのお肉って共通点がありませんか。そう、薄切りなんです。和食のお肉って薄切りが多いですよね。

そこでふと思い出しのが、海外に住んでいる友人の言葉。
「薄いお肉って買うの大変なんだよね」

たしかにフランス料理やイタリア料理をイメージしてみると、お肉って焼くときは厚みがあって、煮込むときはブロックのままのように思います。和食に使うほどに薄切りにしたお肉で作る料理ってなかなか思い浮かびません。

それって推察ですが、なんとなく古くからお肉を食べてきた民族と、野菜や魚中心の食事にあとからお肉を食べる食文化を取り入れた民族の違いなのかも…と思います。食べなれないお肉を少しでも食べやすくするために薄く切ったのか、それとも高価だったから薄く切ったのか。いずれにしても和食のお肉が薄切りなのは、お肉が特別なものだったところからスタートした名残があるような気がしています。

さて、今回はそんなお肉を煮ていきますが、和食でいう煮物ではなく洋食の煮込み。それも家庭でも親しみのあるビーフシチューというより、フレンチの牛肉の赤ワイン煮込み―いわゆるブフ・ブルギニヨン的な感じに仕上げていきます。

塊のままじっくり煮込むと、お肉って繊維に沿ってほぐれるようになりますよね。あの食感がけっこう好きなんですよ。ただちょっとぱさぱさとした感じにもなるのですが、そこに旨味がたっぷり染みだした赤ワインベースの濃厚なソースを添えるとよくからんで、これがまた美味しいんですよね。

🥩塊のままいきますよ

お肉はもものブロックを使います。一緒に煮込むのはにんにく、玉ねぎ、にんじん、セロリ。いわゆる香味野菜です。

まず薄切りにしたにんにくを炒めます。

角切りにした玉ねぎ、にんじん、セロリも加えます。

香味野菜は、ひんぱんにかき回して炒めるのではなく、しばらくそのままにしてじっくりと焼き、鍋肌に触れている面に焼き色がついたら底から一気にひっくり返してまた焼き色を付けていくという感じ。そうすることで加熱した野菜の甘味に、香ばしさとほんのりとした苦みが付いていいアクセントになります。

煮込みの味付けのカギはこちら。フォンドボー、トマトペースト、赤ワインです。

煮込みの準備ができたら、メインのお肉。

フライパンで表面にしっかり焼き色を付けていきます。

側面もこんな感じでトングを使って全面焼きます。

焼き上がったら香味野菜のお鍋に入れます。

🥩お肉の旨味は逃さずに

お肉を焼いたフライパンには旨味がたっぷり残っています。

そこに赤ワインを注いで火にかけて、ヘらで旨味をこそぎ落とします。

フォンドボー、トマトペーストを足したお鍋にフライパンの赤ワインを注ぎ入れます。

さあ、ここから煮込みです。

セロリの葉を足して、強火にかけます。

沸騰したら弱火に落としてあとはことこと。

そのままじっくり3時間ほど煮込んで火からおろします。

煮込んでいる途中、水分が減りすぎるようであれば、水を足して火を強めて沸騰したら弱火にしてを繰り返して煮込みます。

お肉を取り出して竹串を刺してみて、すっと抵抗なく通ればOK。きゅっと引きしまって、繊維がほぐれるようになっています。

残った煮汁を濾していきます。

ボウルにザルを重ねて、残った野菜をへらでつぶして吸い込んだ煮汁をしっかりと抽出します。

この濾した野菜はお肉に香味野菜、フォンドボーなどたっぷり旨味を吸っているので捨てるのなんてもったない。

そこでこんなメニューに利用したりしています。

今回はフードプロセッサにかけました。こうしてペースト状にしておくと、普通のカレーやミートソースを煮込むときに少し加えて旨味をプラスするのにも使えて便利です。もちろん、このペーストに赤ワインやコンソメを足してバターでコクを出せば、デミグラスソース的にも使えます。

保存は密閉できるフリーザーバッグに入れて平らにして冷凍するのがおすすめ。薄く延ばして冷凍しておくと、そこから使いたい分量だけパキっと折って使えて便利です。

さあ、いよいよ牛肉の赤ワイン煮込みの仕上げです。

お鍋に濾したソースと四角く切り分けたお肉を合わせます。

強火にかけて、ソースをしっかりお肉にまとわせていきます。

🥕付け合わせは3色で

今回の付け合わせを紹介します。

コールスローサラダ、ブロッコリー、にんじんのグラッセの3品です。ちょうど白、緑、赤の3色で彩りもいいですよね。

緑のブロッコリーはさっと茹でただけ。食べるときに煮込みのソースをからめていただけるのでシンプルに仕上げました。

🥕にんじんのグラッセ

続いて赤のにんじんは電子レンジでさっと加熱して竹串を刺して、すこし手ごたえが残るくらいにしておきます。

バターと砂糖、水を入れたお鍋を火にかけて、沸いてきたらにんじんを入れてさっとからめて、つやが出てきたら火を止めて塩こしょうを振って、そのまま煮汁の中で冷まします。

白のコールスローサラダのレシピはこちらで紹介しています。ちなみに今回はにんじんはグラッセにして添えるので、コールスローはキャベツだけで作っています。

3色盛り合わせてメインの登場を待ちます。

今回の組み合わせ以外にも、緑はほうれん草やいんげん豆のバターソテー、赤はミニトマトのピクルスなどが彩りよくておすすめ。白は粉ふきにしたじゃがいもや、茹でてバターをからめたパスタなんかも、お肉のソースにからめると美味しいです。

🥩いよいよ仕上げ

ソースが半量くらいまで煮詰まってとろりとしてきたら、お肉にもしっかり絡んでいい具合です。

まずはお肉本体をお皿にオン。

そしてソースの仕上げです。

熱いうちにバターを1片。溶かしながらこしょうも合わせます。有塩バターを使っているので塩はしません。

最後にお肉の上からソースをたっぷりかけて完成です。

これは絶対赤ワイン…。間違いなく最高のおつまみです。といいつつ、黒ビールとか芋焼酎もけっこうおすすめ。お酒を合わせるとしたら、味のしっかりしたものがいいと思います。

冷える冬。日曜のお昼からことこと煮込んで、夜にゆっくり煮込みを楽しむなんていかがでしょうか。

詳しい分量とちょっとしたアレンジはこのあとの有料記事部分で紹介します。よかったらご覧いただけると嬉しいです。

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