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書評のたぐい

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本や小説や文芸について語った回
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2023年4月の記事一覧

自己紹介代わりに好きな本を羅列する

自己紹介代わりに好きな本を羅列する

けっこう本読んできたけど、中でも生涯読み続けたい本だけ厳選して紹介します。

・ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』
→哲学書。私の専門。バイブル。冒頭一行で世界の画素が上がる。色彩が豊かになる。世界中の痛みをじかに感じる。最後の無についての話を読み終わった時、不思議と爽やかな気持ちになっている。

・ショーペンハウアー『読書について』
→哲学者のエッセイ集。結論だけ言うと「悪書をできるだ

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村上春樹『ノルウェイの森』解釈とか考察とかキャラクターの位置づけとか

村上春樹『ノルウェイの森』解釈とか考察とかキャラクターの位置づけとか

長くなったから目次をつけたいんだけど、どうやってつけるんだろ。
まあいいか。長いです。

10年ぶり(たぶん。中学生の時読んだので。)
に村上春樹の『ノルウェイの森』を読み返し、色々思うところがあったので、それを色々書いてみようかと思いました。

思うところがあった、というのも、
私は院での研究でショーペンハウアー哲学を中心に研究しているのですが、
自分の研究に「生と死」がおよそ主題として通底して

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昨今の文芸に失望しちゃったんだ

昨今の文芸に失望しちゃったんだ

数年前のことになりますが、話題の本を手に取って読み、すっかり失望してしまったことに関して書きます。

その本だけがつまらんということもあるのかもしれないけど、たぶん根本的な問題はその本の外にある。
だから名指ししませんけども。
(そもそもその本の著者にも読者にも角が立つし)

まずいきさつですけど、最近本読んでないなぁと思ったんです。
学校で課題になってる哲学書や論文や書籍ばかり読んでいて、小説や

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