「条件の平等」と「承認」③
たぶん、能力主義(の専制)が問題になるのは、選抜の基準となる「能力」が極めて狭い範囲にしかないということにあるのだと思う。まずは「学力」、そしてこれを「人間力」とか「コミュ力」、非認知的スキルといったハイパー・メリトクラティックなところまで広げたところで狭いということには変わりない。これらの能力は(「人間力」をどうやって計測するのかという問題もあるが)グローバル経済の中でGDPを押し上げるのに役立つから、という理由で重宝され、選別の対象となる。一方で、社会を維持するのに必要