目黒区のハクビシン
花山多佳子歌集『三本のやまぼふし』(砂子屋書房、2024年)を読んでいると、このような歌があった。
これを読んで「あれ?」と思い、書棚を漁ってみると、やっぱりあった、あった。
歌集の刊行年は違うが、収録されている短歌の制作時期はほぼ同じ。こうして小池光の歌に出てくる「をんな友達」は花山多佳子のことだろう、ということがわかるのである。
小池と花山に交友関係があることは本人らも様々なところで語っているのであるが、こんなメールのやり取りをしているのかと思うと可笑しい。しかし、何ら打算のない心の交流である。
その夜の花山多佳子が受信せし「Re:ハクビシン」のメールを思ふ/寺阪誠記